【日々雑感】 歌わぬ誇り
去る2014年7月5日(土)の毎日夕刊に「ベンゼマ歌わぬ誇り」と題して写真入りでサッカー仲間と肩を組み合ってはいるが、唇を真一文字に結んで前方を見すえているベンゼマ選手の姿が映し出されていた。
私の下手な文章を書くより新聞の方が上手なので紹介させていただきます。
ベンゼマ歌わぬ誇り–ベンゼマは教えてくれる。エースストライカーが母国のためにできることは一つ。点を取る、それだけで十分だ。北アフリカ・アルジェリア系移民のベンゼマは、試合前に国歌を歌わない。昨年その態度が侮辱的だと非難されて論争になったが、本人は意に介さなかった。仏ラジオ局の取材にこう答えている。
「私はチームを愛している。疑問を挟む余地などない。代表のためにプレーできるのは夢のようだが、だからと言って歌うことを強制される筋合いはない。」
国歌「ラ・マルセイエーズ」は仏革命のさなかに作られた軍歌。歌詞が荒々しい。7番まであるうち、試合前に歌われる1番はこんな内容だ。
「祖国の子らよ、立ち上がれ、戦いの日はやってきた。(略)前進、前進、汚れた血が我らが進む道をぬらす。」
ベンゼマと同じアルジェリア系移民で、仏サッカー界の英雄であるジダンも国歌は歌わなかったという。アルジェリアはフランスに侵略され、植民地化された歴史がある。
4日のドイツ戦でも国歌の演奏中、ベンゼマは黙って一点を見つめていた。26歳のFWは、この試合でゴールはなく、フランスは敗退したが、大会を通じてチーム最多の3得点を挙げた。責任を果たしたエースストライカーを「侮辱的」とさげすむ者は、もういないはずだ。(朴鐘珠)との内容です。私も信念の人、ベンゼマやジダン選手に拍手を送りたい心境です。(2014-07-14早瀬達吉)
【出典】 アサート No.441 2014年8月23日