戦後学生運動の歴史(1968年1月-3月)

戦後学生運動の歴史(1968年1月-3月)
出典は、「資料 戦後学生運動 別巻」(1970年11月30日第1版第1刷)です。

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内外情勢 学生運動 自治会の動き
1968年1月
1 公明党、 非武装中立・ 安保条約の七〇年代解消をめざす安保政策を発表
1 ジョンソン、ドル防衛に関する特別教書発表
7 日共の安保政策”日米軍事同盟の打破、沖繩の祖国復帰実現一独立・平和・中立の日本をめざして”発表
10 文部省、第一次羽田闘争で起訴された九大の沖繩留学生の身分を取り消す
10 日本育英会、第一・第二羽田闘争で起訴・検挙された学生六十名の奨学生資格停止・廃止処分を決定
16 社会・公明・共産三党書記長会談、核兵器持込み・ 原子力空母寄港・核武装反対で意思一致
17 三木外相、米原子力空母の寄港は安保条約上の日本の義務と談話発表
18 文部省大学学術局長、衆院内閣委で凶器の準備が明自なら大学の要請なくとも警官出動できると答弁
19 米原子力空母エンタープライズ、佐世保に入港、全野党、各各抗議行動、公明党は初の院外行動
23 エンタープライズ、佐世保出港、政府、今後も米原子力空母の日本寄港を認めると統一見解
23 米海軍情報収集艦プエブロ号、北朝鮮元山沖で同国警備艦艇に捕獲、佐世保出港のエンタープライズ日本海へ急行
24 九大井上正治法学部長、博多駅頭での福岡県警の所持品検査に人権侵害を申し立てる
30 ソ連共産党政治局員スースロフ、日共との和解協議で来
31 王子野戦病院設置の動きに北区内の諸団体で設置反対連絡会議を開き、運動の具体化を協議
31 南ベトナム解放戦線、サイゴンを攻撃、 決死隊が米大使館の一部を六時間占拠、全土戒厳令
9 東京地区反戦・都学連(三派系)の提唱でエンプラ寄港阻止一 ・一七実行委、全国反戦・全学連(三派・革マル)・自治会共闘等十三団体で発足
12 全学連(三派系)、エンプラ寄港阻止統一行動、集会〔清水谷公園〕に三百名参加、日比谷までデモ
15 中核派二百名、エンプラ寄港阻止佐世保現地闘争参加のため法政大から飯田橋駅へ向かう途中、四百名の機動隊に急襲され百三十一名が″凶器準備集合罪“”公務執行妨害罪“で逮捕(予防検束)
15 関西地区反戦・社学同・フロント系学生など五百名、神戸米領事館にエンプラ佐世保寄港抗議デモ
16 全学連(三派系)五百名、佐世保駅で機動隊により暴行・検問(身体・持物検査)を受ける
16 全学連(三派系)千名、九大構内で決起集会・泊り込み
17 一 ・一七実行委主催・エンプラ寄港阻止総決起集会〔日比谷野音〕に一万名結集、デモで米大使館抗議に向かおうとして機動隊と衝突、十二名逮捕
17 全学連(三派系)千名、佐世保基地突入を図り平瀬橋で機動隊と乱闘、二十七名逮捕・六十八名重傷、のち社学同系百名、社会党系の集会〔松浦公園〕に参加、先に参加していた革マル系とともに右翼になぐり込まれ乱闘
17 エンプラ入港阻止・ベトナム人民支援・沖繩小笠原返還全学連(民青同系)西日本集会〔松浦公園に、二千五百名参加、のち市内デモ
18 全学連(三派系)エンプラ入港抗議集会〔明大学館前〕に社学同・社青同系五百名参加、のち有楽町駅から外務省・ 首相官邸方向へデモに向かうところを機動隊に阻止され百八名逮捕さる
18 全学連(三派系)千名、反戦とともに社共共闘・西日本五万人集会〔佐世保市民球場〕に参加、集会後基地突入を図り佐世保橋で機動隊と激突
19 社学同系二百名、エンプラ入港抗議で外務省に突入・坐り込みで八十九名逮捕、革マル・構改系も首相官邸デモをめざすが機動隊に阻止さる
19 エンプラ入港抗議現地闘争、三派全学連・革マル全学連・自治会共闘基地突入を図り平瀬橋その他で機動隊と激突、八名逮捕
20 東京地区反戦主催・エンプラ寄港抗議総決起集会〔日比谷野音〕に反戦三千・全学連(三派系・革マル系)二千など八千名参加、のち首相官邸・米大使館デモに向かうが機動隊に阻止され六名逮捕
21 全国反戦・神奈川県反戦等共催・エンプラ寄港反対東日本集会〔横須賀〕に五千名の労働者・学生参加、基地周辺で機動隊と衝実、七名逮捕
21 全学連(三派系)、民青同の妨害を市民に助けられて突破、社共共闘二万人集会〔佐世保市民球場〕に四百名参加、のち基地突入を図り佐世保橋で機動隊と激突、二名が基地突入、十二名逮捕
22 反戦青年委・学生(三派・革マル全学連、自治会共闘等)、終日佐世保市内で抗議行動展開
23 全学連(三派系・革マル系)・自治会共闘等、社会党系のエンプラ追い出し集会に参加
9 中大、学費値上げで総長と団交、深夜時間切れ、当局、正式に学費値上げ発表<10日昼間部自治会、入試事務室を占拠>
9 岡山大、十八・十九日の授業放棄提起に学生部長告示で弾圧<18~19日全学授業放棄でエンプラ入港に抗議、八百名で学内デモ>
13 中大昼間部自治会、団交拒否され三千名で決起集会、駿河台校舎をバリ封鎖・スト突入、夜間部自治会(民青同系)、十四・十五日同盟登校、十六日よりスト突入を決定
14 日大生二名、一〇・八山崎君″轢死”容疑として別件逮捕<両君完全黙否でのち不起訴>
15 九大当局、教養部長名で各地より集結中の反日共系各派学生に退去命令、全学連秋山委員長(三派系)拒否
16 中大自治会行動隊百五十名、富坂校舎の理工学部試験を阻止<20日理工学部スト突入>
17 早大一商、早大闘争以来自治会費凍結の学部当局に対し再徴収確認投票を行なう
17~27 関西学院大商・文・法学部学生大会、スト中止<22日社会学部教授会、自治会解散命令、27日学生大会、スト態勢継続を確認>
19 東京医歯大、登録医制度反対で全学無期限スト突入
19 東洋大、新理事長就任挨拶で五月十五日までに団交開催・それまでは工事中止を発表、闘争長期化
19 滋賀大経済学都学生大会、新寮の寮規定反対等を決議<25日団交、学生の要求は認められ翌日のストは中止>
22 神奈川大当局、学生の佐世保闘争支援カンパ活動に学内規定をタテに写真撮影、学生大会で学内規定撤廃・弾圧謝罪の六項日を要求
25 東北学院大、学費値上げを決定する合同協議会、学生の阻止により中止<29日学生大会、常任委を不信任し試験ポイコツトを決議>
26 中大全学総決起集会に四千名参加、バリスト貫徹・卒業試験ポイコツトを確認
27 東大医学部学生大会、登録医制度反対・研修協約締結を要求して二十九日よりスト突入決定、全学闘争委結成<29日無期限スト突入>
27 東京女子大、学費値上げ反対で抗議集会・学外デモ<29日当局と団交、物別れ>
27 京大警官学内立入り事件の第二回公判に京大生百名、スクラムで入口突破、法廷内抗議集会で審理阻止、公判延期
28 神奈川大教授会、学内規定撤廃で対策委選出<29日学生集会に四千名参加、教授会決議支持・学生側対策委を選出>
31 東北学院大全学学費対策委結成、全学集会で公聴会開催を要求、二名ハンスト突入
31 芝浦工大学生大会、学費値上げ発表に白紙撤回を決議、全学闘争委を結成
1968年2月
5 南ベトナム解放戦線、米ケサン基地を猛襲
6 倉石農相、”現行憲法は他力本願、大砲や軍艦がないとダメ“と発言、問題化<23日農相辞任>
8 東京国税局、日大本部・十一の全学部等の一斉監査を開始
8 北ベトナム外相、北爆停止すれば和平交渉開始と再び言明
9 国大協、”最近の学生運動に関する意見”発表、暴力学生の処分回避するな等強調
13 警視庁、大学の要請がなくとも学内立入りできると”学内出動基準”を管内各署長あて通達
13 ハノイ放送、ユエ・トアチェン省に革命政権成立を放送
14 沖繩嘉手納村長らB52の即時撤去を米軍に要求
19 国労・動労、 五万名合理化反対の第一次順法闘争
21 金嬉老、静岡県寸又峡温泉に籠城<24日逮捕>
24 ウ・ タント、ベトナム和平工作についての報告発表
11 反戦青年委・全学連(三派系・革マル系)共催・ 建国記念日反対中央集会〔日比谷野音〕に学生千名を含む三千名が参加、都公安委は反戦に首相官邸コースを認め全学連に不許可、デモ分断を図る
13 IUS調査団(ヌーリ書記長他二名)来日、三派系・革マル系・民青同系の三つの全学連代表と会見
16 青医連・医学連、登録医制反対・研修協約締結を要求して全国統一行動
16 北区反戦青年委主催・王子野戦病院開設阻止労学総決起集会〔柳田公園〕
17 米原潜クイーン・ フィッシュ号入港抗議横須賀集会に労学二千名結集、 三派系学生ゲート前で機動隊ともみあい一名逮捕
20 北区労連主催・王子野戦病院開設反対・春闘勝利決起集会〔柳田公園〕に地元労働者・ 市民七百名、学生・ 反戦千三百名参加、のち病院までデモ、ゲート前坐り込み抗議集会で三十六名逮捕
26 三里塚芝山連合反対同盟主催・三里塚空港実力粉砕・砂川基地拡張阻止二・二六現地総決起集会〔成田市営グランド〕に反対同盟千名、 三派系学生等六百名、反戦青年委三–名結集、のち全学連、空港公団分室を攻撃、機動隊と衝突
27 東京地区反戦北部ブロック主催・王子野戦病院開設阻止総決起集会〔柳田公園〕に全学連(三派系)・反戦千二百名参加、のち基地ゲート前にデモ
1 東京女子大、学費値上げ反対でスト突入<5日学生大会、スト中止を決定>
3 中大全学総決起集会に四千名結集、翌日以降の分離入試阻止を決定<4日杉並・小金井両付属校に千五百名の行動隊出動し阻止>
8 東北学院大、五百名で本部坐り込み<12日校舎バリ封鎖、19日話合いでバリ撤去>
8 広島大、育英会の奨学金打切りに抗議して四名ハンスト突入<13~17日入院続出、20日学長と十二時間団交、学長倒れ入院>
9 中大全学総決起集会に五千名結集、卒業試験阻止で五ヵ所を封鎖、千五百名が泊り込み
9 芝浦工大、学費値上げ反対でスト突入<19日団交、翌朝、斡旋案をのみスト中止>
10 東京医歯大、大学の掲示物破棄を理由に七名を処分、学生大衆団交で処分を撤回させる
14 中大理事会、学費値上げ見送り・升本理事長(総長)辞任を発表<16日理事会団交、深夜、理事会の全面白紙撤回・ 学生処分はせずとの回答でバリケード撤去、闘争全面勝利>
17 神奈川大、大衆団交で学内規定撤回・学生教授代表による審議会設置を承認させる
19 東大医学部全共闘、団交を要求して上田内科に押しかけ、春見医局長らを十五時間追及
26 関西学院大社会学部学生大会、学費値上げ容認・勉学条件改善に努力とのスト反対派案可決、スト解除
1968年3月
1 政府、閣議で教育三法改正案の国会提出を決定<5日日教組、闘争宣言を発す>
5 LT貿易交渉、一年延長、共同コミュニヶ発表
7 北ベトナム、 B52の沖縄駐留に警告
8 佐藤首相、反日共系全学連への破防法適用検討を指示
8 小学校教科書、教育課程改定に先立ち”自主修正, 目立つ
9 民社党大会、自主防衛体制の確立・駐留なき安保を目指し国民合意の政治を強調
11 ワルシャワの学生デモ激化
15 在日米軍、朝霞野戦病院の王子移転を発表<18日抜き打ち的に開所式を強行>
16 社会党猪俣浩三ら博多駅事件で福岡県警本部長らを特別公務員暴行凌虐罪等で告発
17 米原潜ソートフィッシュ号、横須賀入港
20~25 IUs執行委、全学連(民青同系)の正当性を認定<4月2日その旨の書簡を送付>
22 チェコ大統領ノポトニ一、辞任
23~24 共産同第七回大会〔荒川公会堂〕、マル戰派が退場・分裂、関西・統一派が主導権掌握
23 TBS、成田報道での″角材運搬事件, で報道局長ら八名処分
27 法務省、台湾青年独立運動連盟幹部の柳文郷を強制送還、羽田で送還阻止の連盟員十名逮捕
29 私大連合、″学生運動に対する見解, で行きすぎには正面から対決の要ありと強調
30 米軍、王子野戦病院にベトナム傷兵二十八名を強行移送
30 チェコ共産党中央委、スボボダ将軍を大統領に指名
31 ジョンソン、全米テレビ・ラジオ放送で北爆の限定・大統領選不出馬を言明、北ベトナムに和平交渉呼びかけ
1 全学連(革マル系)三百名、国労・ 動労合理化反対スト支援決起集会〔早大〕、 のち田端機関区へ集結、鉄道公安官・ 機動隊と衝突
3 東京地区反戦主催・王子野戦病院開設阻止全都青年学生総決起集会〔柳田公園〕に反戦・全学連(三派系)等千八百名参加、社学同・中核は角材で機動隊と衝突、五十名逮捕
7 民学同全国委、他派との共闘をめぐり内部対立激化<25~26日民学同九回大会(日本の声派)、26~27日民学同九回大会(左派・共労党派)と分裂>
8 王子野戦病院開設阻止闘争、反日共系各派千六百名が王子・滝野川の各所で機動隊と乱闘、百五十八名逮捕、夜、東京護憲連主催の都民集会〔柳田公園〕に合流、反戦二千名、ゲート前坐り込み
10 反対同盟・千葉県反戦共催・三里塚空港粉砕総決起集会〔成田市営グランド〕に反対同盟千名・ 反戦四千名・ 全学連(三派系)二千名結集、各派学生は公団分室を投石・角材で攻撃、のち集会中の労学を機動隊包囲百八十五名を無差別逮捕
20 王子野戦病院開設反対闘争、社学同・ 反帝学評系百二十名が王子駅前集会・病院へのデモを無届で敢行、二名逮捕
20 社会党・千葉県労連・反対同盟共催・三里塚空港粉砕成田大集会〔三里塚第二公国〕に労組員など三千名参加、全学連(三派系)は中核系二百名を動員するも主催者側から正式参加団体と認められず
20 医学連医師国家試験ポイコツト闘争、六割がポイコツト、東京・大阪・広島・ 金沢などで試験場周辺デモ等を展開
27 社学同全国大会〔中大〕、社学同の軍事的政治的組織化を強調、マル戦派はポイコツト(委員長・村田能則)
27~28 全学連主流派春季全国大会〔法政大〕、中核派六百五十名が参加
28 王子野戦病院開設阻止闘争、反日共系各派千名結集、中核派四十九名が基地内突入、夜、東京反戦主催・青年総決起集会〔柳田公園〕後、多数市民を含め王子駅前で機動隊に投石、百八十一名逮捕
29~30 全学連(革マル系)第四十九回中央委〔早大〕、早大一文自治会名で四・二六拠点校ストを他党派にも呼びかける
30 反戦高協・高校生会議・高反連など王子野戦病院粉砕の高校生独自集会開催、抗議文手交を決議
31 王子野戰病院開設阻止闘争、市民五団体と全国自治会共闘の各四百名が参加、討論集会〔柳田公園〕、デモ・基地ゲート前坐り込みで十二名逮捕
31 反対同盟・全学連(三派系)共催・三里塚空港粉砕大統一集会〔三里塚第二公園〕に学生九百名、 反戦千名、反対同盟八百名など三千名参加、全学連は市役所前パリを突破して公団突入、五十一名逮捕
10 在本土沖繩県学生四名、渡航制限撤廃・渡航手続拒否を要求して那覇港で手続実力拒否闘争展開
12 東大医学部当局、春見医局長軟禁を理由に十七名を大量処分(学生=退学四・無期停二・譴責六、研修生=研修取消し一・研修停止二・譴責一・医局員除籍一 )、学生、処分撤回決起集会の後、二百名で総長室前坐り込み、夜、評議会〔学士会館〕に百名押しかけ抗議・ 団交開始、五名逮捕
14 東北学院大当局、学費闘争で退学一を含む七名を処分
14 京都地裁、京大警官学内立入り事件で”大学の白治は治外法権ではない, と有罪判決
16 広島大当局、二・二〇団交で九名を処分<25日分散卒業式実施>
23 東大医学部全学闘、処分対象になった二・一九現場にいない粒良君の不当処分に抗議声明<26日高橋晄正・原田憲一両講師の調査報告で粒良君のアリバイを証明>
23 関西学院大当局、学費闘争で退学十一名を含む二十五名を大量処分<28日卒業式. 粉砕・処分撤回で学長ら十名を追及、機動隊導入>
26 東大医学部闘争支援全東大共闘連絡会議結成<27日総長、処分に誤りなしと告示>
27 東大全学闘、卒業式阻止で安田講堂前坐り込み<28日未明、講堂内突入、卒業式中止>
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