【投稿】統一地方選 前半戦を終えて

【投稿】統一地方選 前半戦を終えて

4月11日投票の知事選挙、府県議会・政令都市議会議員選挙が確定し、統一自治体選挙前半戦が終わった。十分な分析は今後に譲るとして特徴的なことだけ述べてみたい。

<東京、大阪でタレント知事>
マスコミも注目したように、東京、大阪で政党候補が敗北し、タレント候補が共に圧勝したことは、大きな特徴であった。東京では、青島辞任により、石原、鳩山、桝添、三上、明石、柿沢の6候補の争いとなり、当初懸念されていた4分の1条項・再選挙もなく、石原の圧倒的勝利に終わった。
今回も投票率は57%と高かったが、民主鳩山も含めて、支持政党層からも石原票が出ているという調査がでている。朝日新聞によれば、石原に投票した人の内、50%以上が実行力に期待している、という。青島前知事への期待に反して、都政改革が出来なかったことへの反発とも言えるが、石原の「実行力」とは都民の期待とは、少し違った方向に向うことは間違いがない。特に「福祉サービスはすべて民間で」発言など東京都職員・労組への攻撃は厳しいものが予想される。
一方、大阪では、ノックと共産党候補の構図となったが、ノックが票を倍増する勢いで圧勝し、共産候補も票を伸ばしたものの、躍進とは言えない結果となった。選挙終盤で運動員の女性がノックをセクハラ告訴する動きもマスコミが報道を控えたことで、大きな影響とはならなかった。知事というより、人柄に対する評価で圧勝したと言えるが、第2期府政運営にあたって、共産党を除く政党対応は、前回のような少数与党からは変化するものと思われる。
東京、大阪に共通しているのは、東京が「石原軍団」、大阪の「吉本興行」と大量のタレントが「人寄せパンダ」としてマスコミ効果を利用できる候補である点だ。地方自治の論争が行われず、人気選挙の面が強まっていることは、決して好ましいことではない。

<民主横ばい、共産躍進の府県議員>
府県議員に目を移すと、大きな変化が生まれているというわけではない。地方組織の確立が遅れている民主党は、従来の旧社民、旧民社グループなどの系列で、候補毎の独自の運動が行われたわけで、当選議員数も横ばいとなった。選挙協力という形では、単独候補の場合に個別の協力関係はかなり進んだ面も否定できない。昨年の参議院選挙の余韻を残す運動員には、民主党への風を期待する傾向もあったが(私も含めて)、ほとんど無風と言う結果であった。
他方、共産党に、風は吹いたようだ。特に兵庫県議会には、昨年の神戸市長選挙から続く空港反対運動と連動して、共産党が躍進した。全国的にも府県議会議員を増やし、公明、民主とほぼ同数の議員を確保している。
公明は現職確保をしたが、一方で候補を立てない選挙区での、自民、民主、無所属候補などとの選挙協力を強め、各議会での政治的影響力の確保、衆議院選挙への戦略という意味でしたたかな選挙をおこなったのではないか。
4月18日から、統一地方選挙後半選、市町村での首長選、議員選挙に突入する。前半選の傾向は、おそらく変わらないと思われる。私も含めて、また忙しい日々が続くというわけだ。(佐野秀夫)

【出典】 アサート No.257 1999年4月17日

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