【コラム】ひとりごと –自民党圧勝の参議院選挙に思う–
▲「PKO法案反対」で揺れ動いた国会の後の参議院選挙だったが、その結果は、自民党の圧勝・野党側の敗北だった。細かい選挙分析結果は、ともかくとしてPKOが選挙の争点にならなかったのは、事実。▲その理由は、自民党側の、景気対策を前に出してくるなと、争点ぼかしもあったが、なんとなく日本人の熱しやすく、さめやすい体質もあるように思う。▲それにしても連合の敗北は、深刻だ。連合は「自民党に代る政治勢力の結集」を唱えているが、選挙結果は、むしろ悪い政界再編をもたらしそうだ。それは自公民路線の足がかり。▲我が組織は「反独占・反自民の戦線統一」をかかげているが、その意味では連合のスローガンは賛成。しかしその現実には単純に枠組みだけの論議では済まされない深い問題があるように思う。。▲ただ言えることは、統一戦線は継続した忍耐と努力。この選挙結果だけで一喜一憂するのは軽はずみというもの。▲いずれにしても、これからの社会変化は、益々、不透明。自民党・財界は何を考えているのか、民主勢力は、どこを主体に何を目指すべきなのか、国民は、実際のところ、何を求めているのか、冷静沈着に分析してみる必要があると思う。(U)
【出典】 青年の旗 No.178 1992年8月15日