青年の旗 1981年10月1日 第56号
【主張】 秋期平和運動とわれわれの任務
米レーガンの眼定核戦争戦略(反ソ核軍事包囲網)に対する国際平和勢力の闘いは、米国内をはじめ、西欧各国で大衆的に取り組まれている。
この闘いは、新型ミサイル、中性子爆弾の実戦配備に反対する闘いとして展開されている。帝国主義の軍拡は国家財政を破滅の洲に立たせ、彼ら帝国主義自ら大衆的反撃の崩芽を作り出している。しかも米レーガンの限定核戦略は、米との同盟国に対して応分の軍事負担を強いている。事態は、米をはじめとする帝国主義各国に、否彼等のみならず、全人類に核戦争の現実的脅威をもたらし、帝国主義国内の労働者階級には大衆収奪と失業をもたらし、同時に、大衆的反撃の芽を摘みとる政治反動・司法反動が勤労人民に押し寄せてこようとしている。
<デタントの破壊と反ソキャンペーン>
帝国主義の軍拡政策は、国際平和勢力が築いてきたデタントを破壊し、同時に「ソ連の脅威」を声高に叫ぶことによって、彼等の軍拡の「大儀名分」としている。
さらに、ソ連共産党第二六回党大会でのプレジネフ書記長提案(八項目軍縮提案と最高首脳レベルの交渉再開)に対して、米レーガンは、アフガニスタンからのソ連軍の撤退とポーランドに対する「軍事的憫喝」をやめよとするリンケージ外交を行ない.交渉のテーブルに着くことを拒否している。
また、米の同盟国、日本帝国主義は、自らの利害にもとづいて限定核戦略をアジアにおいて担おうとしている。
日本帝国主義は、日ソ外相会談を前にした九月十日、鈴木首相自ずから「北方領土」視察を行ない、これまで以上の強いトーンで「日ソ平和条約は、北方領土がかえってから」と、反ソ冷戦外交を引き続き強化することを表明した。
日米両帝国主義の対ソ外交に貫ぬかれている基調は、デタント破壊と自己の権益の維持・拡大である。
一九七〇年代に急速に確立されたデタントー政治的デタントは、引き続く国際平和勢力の闘いによって、軍事的デタントの必要性を帝国主義に認めさせた。すなわち、第一回国連軍縮特別総会(七八年五~六月、以下SSDと略す)によってかちとられた成果である。
SSDは、帝国主義にとって、手かせ、足かせになっており、SSDの確認をくつがえす口実を帝国主義は、「ソ通の脅威・侵略性」に求めている。なかでも日米両帝国主義は、軍事的デモンストレーションを行ない、三海峡封頒とシーレーン千海里の「防衛」のために、かってない大規模の睦・海・空の合同軍事演習を行なっている。
<十・ニ一国際反戦デー・国連軍縮週間を全平和・民主勢力の統一で闘おう!>
秋期平和闘争は、行革臨時国会の最中に闘かわれようとしている。
政府・自民党、独占資本は、公明、民社を自己の隊列に巻き込み、福祉・文教・厚生予算の削減と大衆収奪をもって勤労人民に犠牲転嫁するための法制化を行革関連36法案をもって一拠に国会で通過させようとしている。
行革は、日本帝国主義の総合安保構想の具体化の第一歩である。刑法改悪・公選法改悪等々からはじまって憲法改悪で総仕上げを行ない、勤労人民に収奪と首切り合理化・受益者負担を押し付け、政治的無権利状態にするものであり、総合安保構想が政治的、経済的、軍事的にも一歩も二歩も踏み出すために企図されたものである。
そして、総合安保構想の中で軍事力が最も遅れた分野であることから軍拡の強い衝動力が生まれているのである。来年度予算の中の 「経済協力費」十一・四%増、「防衛費」二兆五八〇一億円(七・五%増)、後年度負担二兆二五九二億円の軍事費を勤労人民からしぼりとろうとしているのだ。日米安保が片務条約から双務条約、明確に軍事同盟として、その質的・量的転換を日米両帝国主義は狙っているのである。
今こそ、平和と軍縮、生活防衛の大衆的決起とその共同行動がかってない程要求されている。八一年十・二一国際反戦デーの統一開催が危ぶまれている中で、セクト主義を排し、課題の一致と基本戦術の一致にもとづく統一行動を追求しなければならない。
とりわけ、「平和綱領」なるセクト主義の炎に油を注ぐ日共代々木派の分裂策動を許さぬ闘いとして、広汎な統一戦線を築くことであり、この闘いこそが国際連帯の旗を高く掲げることにつながるのである。
十・二一国際反戦デーから国連軍縮週間を限定核戦略の支柱、新型ミサイル、中性子爆弾実戦配備阻止、日米安保破棄、改憲策動阻止、「防衛費」大幅削減、平和軍縮フォーラム成功から第二回SSDの成功を担う闘いとして、秋期連続平和闘争を闘い抜かなければならない。