青年の旗 1984年2月1日 第84号

青年の旗 1984年2月1日 第84号

(1面 → 1・2面 3面 → 3・4面)

1面  ←PDFは、こちらから 【主張】84春闘勝利!闘いの統一で総労働の反撃を!
2面 レーガンの軍拡政策と対決を
3面 統一闘争の体制構築を
4面 軍国主義化を強める自民党大会方針案・2.7狭山中央総決起集会

【主張】84春闘勝利!闘いの統一で総労働の反撃を!

83春闘の総括

 83脊闘は、政府が九月十六日「財政非常事態宣言」を行い、人勧凍結を決定、また独占も「ベアゼロ」で臨む態度を明らかにするなど露骨な賃金抑制攻撃の中で闘われた。
 これに対する労働者は、労働四団体が七%の統一要求基準を設定し、また全民労協発足により、滅税闘争を主とした共闘関係を深めるなど、労戦統一がらみの春闘となった。春闘前段である一月・ニ月段階においては、労働四団体及ぴ全民労協は、滅税闘争に力点をおき、特に二月二十七日には、共に「一兆円所得税滅税・賃上げ獲得2.27大集会」を開催するなど、滅税を課題に労働側の統一した闘いが取り組まれ、一定、国民的な盛り上がりを見せた。
 また賃上げ闘争では総評が、二月~三月の春闘前夜での闘いで「人勧・仲裁々定実施と滅税の闘いとの結合を図る」さらに同盟は「四月二日までに先行組合は高額回答を引き出す」など前段闘争重視の方針に対して金属労協は「集中回答日を四月十二日とする」など戦術に乱れを見せている。
 その賃上げ結果は不況業種である鉄鋼JCは3.14%(定昇込み6800円)業積が比較的良いとされる自動車は5.0%前後で、JC内部にも格差が目立った。またJCの回答指定日に合わせた私鉄総連は、自主交渉の立場で臨み、5.01%(10300円+生活関連手当五00円)の回答を引き出し、二年連続ストなし妥結となった。総じて83春闘の賃上げ結果は、全国平均で4.4%8964円で、超低額回答となり82春闘の7.0%をも、更に大きく下回るものであった。しかしながら、その内容は、従来からの鉄鋼主導型が後退し、新しい春闘=賃上げ闘争の形態が改めて問われた。 特に全民労協は単に、政策・制度要求のみならず、今後、賃上げ闘争においても、その設割が一層重要なものとなり、労戦統一の動きと合わせ、その中身が問題とされよう。さらに83春闘で問題となるのは、官民共闘が成立せず、公労協の仲裁々定実施の闘いが、私鉄の早期決着と合いまって自力で闘わねばならない情勢となった。結果として、官民分断が一層深められたことであり、公労協の仲裁々定は4.13%(8460円)の改定となり、そのあまりにも低い額は、民間準拠の原則が崩れたことを意味する。また人勧においつは全国のほとんどの自治体で、その実施を見ることができなかった。これら公務員労働運動の後退は、単に官民分断の問題だけでなく、臨調・行革攻撃の中で根本的に公務員賃闘のあり方を考えなければならない時に来ているといえよう。
 加えて統一労組懇が、一貫して春闘共闘の闘いから離脱し、独自の行動に出たことは–特に人勧実施の闘いに対して、自治労・公務員共闘に敵対し、分裂行動に走ったことは–、一層、労働側の力を弱めることとなり、断じて批判されなければならない。

84春闘の情勢と展望
 このような83春闘の経過を踏まえた84春闘を前にして、83春闘以上に早くも資本側は、生産性基準原理をテコに「賃上げはニ~三%の定昇分のみ」とする強硬な賃金抑制を唱えている。
 しかし労働側も83春闘の反省に立ち、同盟ですら「ストも辞さず」と昨年よりは対決姿勢を鮮明にしている。特に83春闘で明らかに問われた鉄鋼主導型春闘をいかに打破するか、さらに官民一体となった産別闘争を、どこまで構築するか、そして、その中で全民労協が、どれだけ、その指導性を発起するかが重要であろう。すでに戦術面では、春闘共闘が「六%以上」の統一要求基準を設定し、JCが「四月第二週回答指定日としているのに対し、総評が「四月上旬の官民集中決戦」、同盟が「三月下旬からの先行組合重視・四月中旬統一スト設定」としており、JC回答前に相場形成を計る方針となっている。
 84春闘で最も力点のおかなければならないことは、昨年以上に強く賃上げを迫らなければならないのは当然のことながら、それよりまして闘いの形態として、この間の四団体共闘を更に前進させて、総評?同盟の枠を越えた産別の共闘態勢を一層、深めなければならないことである。また昨年情報交換等、活発に行われた民間単産連絡会に見られるように産別機能を、より増大させ「鉄」に代って産別としての賃金決定能力をつけていくことが大切であり、そのことが、春闘を足がかりとして究極的には、労働戦線の全的統一を促すであろう。また官公労においても、賃金の民間準拠が崩された今日、むしろ逆に民間相場を引き上げることにより、再度、民間準拠(人勧機能回復)を迫ることが大切であり、真剣な官民共闘態勢が必要である。

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