青年の旗 1978年3月1日 第13号

青年の旗 1978年3月1日 第13号

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【主張】 交運スト軸に大反撃を

二目十九日、「七八春闘勝利決起集会」が開かれ七八春闘が本格的にスタートした直後の二十日、永大産業が戦後最大の負債を出して倒産したことは、七八春闘に対する政府・独占資本の新たな攻撃の現われである。
「雇用か賃金か」を迫ってきたかれらは、この倒産を通じて賃金を抑制すれば雇用を守るという立場でさえなく、徹底した低賃金・人減らし合理化攻撃を行なう立場から「首切りも賃下げも」を今後も押し進め、七八春闘を制圧しようとする決意を改めて表明したものである。賃金自粛で雇用を守るという鉄鋼宮田路線では、雇用さえ守れないことは明らかである。
「賃金も雇用も」を大胆に要求し、勤労者犠牲のもとに独占資本へのくれてやり政策をとり続ける福田=独占主流との対決をぬきにして、今日の経済危機から脱却の道がないことを改めて銘記する必要がある。

<要求を堅持し、実質賃金を確保しよう!>
春闘共闘会議の家計調査によれば、主婦の物価上昇の実感は15%、同会議の物価指数委員会の生計費上昇率調査では10・8%となっており、政府の8・3%を大きく上回っている。その意味ではナショナルセンターが提示した12%要求は低すぎる要求であり、満額とれても実質賃金を守れるかどうかギリギリの線の要求である。
しかし、、春闘三連勝に自信を深めた日経連は、今年はガイドラインやゾーンを示さず、春闘相場そのものを否定する一方で、マスコミを通じて「6%台の攻防」を宣伝し、大巾な生活ダウン・実質賃金の切下げを強いようとしている。
それだけに、なんとしても要求を死守し、とるまでやめない粘り強い闘争態勢を確立するべきである。

<最賃闘争を強化発展させよう!>
アメリカでは今年初めから最低賃金引上げ法が実施され、一時間二・三ドルから二・六五ドルヘと十五%引き上げられた。しかも今後四年間段階的に引き上げ、八一年には三・二五ドル(四五・七%アップ)になることが決められている。
わが国の全国最低の地域最賃が一ドルにも満たない状況を見る時、日本の低賃金構造とどしやぶり輸出の根拠が見出せよう。
最賃闘争では、当面次のことが重視されねばならない。①地域包括最賃の大巾引上げと地域格差の縮少、四月改定による春闘との結合、②中央最賃審の″目安″引上げのための介入闘争、③地域の業種別最賃の大巾引上げと審議会の団交化、④産別最賃の協定化と産別の年令別最低保障賃金の獲得。
この中でとくに、産別最賃の獲得が最重視されねばならない。地域最賃の引上げのためにだけではなく、不況下で強固に闘える産別組織への転換をはかってゆく上でも、産別最賃制の獲得はその要である。
日経連は、45才昇給ストップ、新たな職能給導入など低賃金構造の再編成のための賃金体系の改悪を呼びかけている。すでに、伊勢丹・日本板硝子・豊年製油などはこの方針に呼応して45才昇給ストップや自由定年選択制を実施しようとしている。
この体系改悪を阻止するためにも、産別最賃を基礎に年令別最低保障や標準労働者のポイント別モデル賃金を設定し、産別の横断賃金として確立してゆかねばならない。

<職場を基礎にした雇用確保闘争の強化を!>
資本の減量経営路線のもとに人員合理化攻撃が職場で吹き荒れている。職場での徹底抗戦をぬきにした制度・政策要求は、大衆闘争としてのカをもたない。
職場での雇用確保・拡大闘争の課題は以下の通りである。①時短と完全週休二日制の実現、②有休の完全消化と休日増加、③時間外労働の規制と割増率のアップ、④職務範囲の限定と標準作業量の設定、⑤企業内最賃協定の締結と不安定雇用者の制眼、⑥人事同意約款を含む雇用保障協定の締結、⑦職場定員制と欠員補充、新卒採用者の確保、⑧定年制の延長。
以上の課題を雇用闘争と結びつけるとともに、経営危機下や構造不況業種の企業では、親会社や金融機関に迫る雇用保障闘争に発展させねばならない。

<交運統一ストを官民一体で成功させよう!>
「産別闘争が困難だから地域春闘で」という高塚路線は拒否しなければならない。地域最賃や雇用闘争で地域共闘の意義が増大しているとはいえ、産別闘争にとって変る性格のものではない。
今求められているのは、アメリカの炭鉱労働者が賃金要求貫徹のために、電力供給の削減や自動車工場などが操短になることさえあえて辞さず敢然と81日間のストライキを打ちぬいたことに示されるように、要求貰徹まで闘いぬける産別組織強化である。
鉄鋼・JCに当面その期待がかけられない以上先日の総評大会で提起された交運産別の統一ストライキこそ今春闘の勝敗の鍵を握っているといっても過言でない。公労協や闘う民間単産がこの交運ストに結集して一大階級決戦の態勢をつくりあけることこそ急務である。
交運ゼネストを成功させることにより、鉄鋼・JC主導型春闘を打破し深まっているJC内部の矛盾を拡大して、鉄鋼宮田路線の孤立化をはからねばならない。
交運ストを成功させ、成果を上げれば、闘う交運主導型の春闘に接近することも可能である。
そのためにも、取るまでやめない、粘り強い交運の長期ストライキ態勢の確立が強く求められている。
交運統一ストを成功させ七八春闘を勝利させるために総決起しよう!

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