【日々雑感】ある日の親子の会話 

【日々雑感】ある日の親子の会話 

 先月という古い話で申し訳ないですが、8月8日の夕食時だったと思います。息子が、「お父、今日のテレビ番組で、竹中平蔵が出てたよ。」と言いました。息子は、私が常日頃から、小泉純一郎に協力して、毎年自殺者3万人を越える社会を生み出した竹中批判を耳にしていたから興味を持っていたのでしょう。
 私は、「その番組で、竹中は、どういう事を言ってたのや?」とたずねた。息子曰く「原子力発電は、日本の復興に、必要不可欠なものだというような事を言ってたよ。」とのことでした。私は、あきれてしまって「まだそんな化石みたいな事を言ってるのか?そんな人間が慶応大学の教授とは情けないなぁ、慶応大学には金子勝というようなりっぱな教授もおられるのになぁ。」と言っておきました。さらに話が進んで、今回の原発事故に対して、東京電力のとった態度、対応に話が及びました。何と国民を愚弄した企業集団なのだろう。世界に向けて、放射能をたれ流し、企業防衛の為なら、言う事を、コロコロと変えて恥じないという、こういった会社が未だに存在していること自体が問題だと思いますが、犯した罪の後始末は、可能な限りさせなければならないのは当然でしょう。
 故平井憲夫氏が予言されていたように、東電の杜撰な原発運営や、国の原子力行政が引き起こした今回の原発事故を思う時、これはその形や表れ方こそ違え、ある意味ではファシズムではないかと思います。
 私が20代、30代の頃読んだ、ゲオロギー・ディミトロフという人の著作で「反ファシズム統一戦線理論」という書物がありますが、その中でディミトロフは、「ファシズムの本質とは、それは一言で言うならば、金融資本そのものである。」と述べております。私はこの歴史的名言を胸に抱いており、物事の判断は分からなくなった時、いつもこの原点に返って考えるように心掛けております。今回の原発事故とファシズムを結びつけるには、何かこじ付けみたいで、少し無理があるかも知れませんが、巨大電力資本や、経団連等の原発推進資本が引き起こした惨事と言えるのではないでしょうか。そして必要以上に「日本、日本、日本は一つになれるんだ。」と煽り立てるのは何なのでしょうか。
 そして私が、もう一つ腑に落ちないし、どのメディアも取り上げようとしないし、新聞に一行たりとも載せようとしないのは、あのプロ野球楽天の星野仙一監督のことです。彼は、東北大震災以前までは、さんざんテレビやマスコミで、原発推進のCMに出ていたではないか。
 それが震災以降は、CMにはピタリと出なくなったし、楽天の監督として、現地では大歓迎で迎え入れられている。マスコミも、彼が示し合わせたかのように、彼の不利な点は書かない。これは何なのでしょうかね。私がもし彼の立場だったら、先ず東北の人々に、誤ったCMに出たことを詫びた上で、監督に就任しますがねえ。それが人としての道筋だと思います。八百長相撲ではないが、これでもし楽天が、今年と言わないまでも、ここ2・3年で日本一にでもなれば、現地は沸くだろうし、再び「日本、日本」の大合唱が起こることになる。舞台装置は整っているように思うし、背後でそういう資本の力が働かないことを祈るしかありません。何でもがファシズムへの道への地ならしになるのだということを、身近な事柄から注意して見ていかなければならないと思うと同時に、この度のマスコミ、メディアの情報取扱いの不公平さを感じた次第です。(2011-09-17早瀬達吉) 

 【出典】 アサート No.406 2011年9月24日

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