【呼びかけ】「憲法九条改憲阻止の会」への呼びかけ
去る6月15日に、東京・日比谷野外音楽堂で「9条改憲を許さない6・15共同行動」が実行委員会主催で行われ、主催者側の予想を上回って約1200名の人々が結集し、国会デモを行ったという。60年安保反対闘争を闘った世代を中心に、当時の学生自治会活動家、全学連、全自連、その後の平民学連、全共闘世代が呼びかけ人となり、直前の6月13日時点で663名の人々が名を連ねている。
当日の集会の経過報告によると、
第1に、「九条改憲阻止!」をたった一つの目標に掲げ、ひたすら個人参加を前提にして、「行動の一致」を目指しました。これが活動の基点であった、ということ。
第2に、「個人参加を原則にして、肩書きを持たない呼びかけ人が、集会の主催者であり、参加者であり、運動の担い手である」ということ。
そして第3に、九条改憲を許さないというこの一点での一致を大切にし、小異を残して大同につくという運動の大原則に立ち返ること。
以上を運動の原点として、呼びかけ人個々人は、「「九条改憲阻止」という点を除けば、さまざまな意見の相違を持っています。・・・かつての運動の中には、意見の一致点よりも相違点を強調し、ある場合には暴力的対立抗争に及ぶという傾向もありました。私たちはこうした傾向を、運動の利益より政党・党派の利益を優先させるものであり、有害無益と考えています。」と強調し、
さらに、「私たちは先行する運動に学び、連帯し、運動の輪を広げていきたいと思っています。」と運動に取り組む謙虚な姿勢も明らかにしている。こうした姿勢こそが運動の輪を広げていくものであろう。
60年安保からすれば45年以上を経過して、ようやくにしてこうした運動の基調、原点にたどり着けたのかという一種の感慨を抱かせるものであるが、関西の当時の活動家の多くが、まさにこうした姿勢を一貫して主張し、堅持してきたことが想起される。
そこで関西の地においても、同じ運動の原点に立ちながら、「憲法九条改憲阻止の会」を立ち上げることとなり、筆者も呼びかけ人と一人として参加し、何度かの準備会合を経て、その第一回会合が、さる8月11日に持たれ、出来れば毎月会合を持ち、広げていくことが確認された。
以下はその際の、呼びかけ分の抜粋である。
「平和憲法が第二次大戦後の世界平和にそれなりに貢献してきたことは紛れもない事実ですが、その第九条をはじめとする非戦・平和・民主主義・主権在民の根幹をことごとく打ち壊そうとする衝動が、総資本と保守政権を突き動かしています。壊憲の道となる国民投票法がすでに成立しています。
平和と民主主義を培ってきた私たちはこれを座視するわけには参りません。すっかり衰退・崩壊している諸運動の現実を見るとき、私たち自身の責任を痛感し、再び人民主権の運動を再興するために立ち上がることを決意しました。
対立と分裂を重ねてきた運動の反省に立って、一致できる一点なりとも大切にし、互いの力を寄せ合うことが今ほど求められているときはありません。
改憲阻止ー反戦・平和・民主主義・人民主権の運動を私たちと共に再生させようではありませんか。
「憲法九条改憲阻止の会」へのあなたの参加を切望し、呼びかけます。」
(生駒 敬)
【出典】 アサート No.357 2007年8月25日