【コラム】ひとりごと—新潟中越地震に思う—
○災害は忘れた頃にやってくるというが、まさに今回の新潟中越地震がそうであろう。関西でも9月上旬に和歌山県を震源地とする震度5の地震があり、被害は少なかったとは言え、ひやりとした経験をした直後のことだった。○阪神大震災のような人口密集地での地震でなかったわけだが、それはそれとして、山や川が元の姿を留めず、地震によって土石流や道路の破断、ダムの形成と新たな災害が危惧されるなど、都市部とは違う恐ろしさをまざまざと示したものだった。○被災された皆さんには、お見舞いを申し上げると共に、一日も早い復旧を祈るばかりである。○ 特に今年は、災害に明け暮れた年であった。猛暑とともに上陸した台風は観測史上最多となり、堤防の決壊、都市部での床上浸水、災害死亡者数が百名近いものもあった。台風については、西太平洋の海水温が高温が長く維持されたためとも言われ、地球の温暖化も関係しているらしい。来年以降も同様の傾向が指摘されている。○いずれの災害も高齢者が多く犠牲となり、通常生活への復帰についても一番困難である様子が伺える。特に過疎地においては、一層深刻な事態となる。自然災害の場合、災害を未然に防ぐことは中々困難なことであろうが、コミュニティで維持されてきた生活を復旧させる場合もまた、コミュニティの力が必要になる。ボランティア活動をはじめ地域活動の大切さも、住民自身自覚的・日常的に取り組む必要があると思う。(佐野)
【出典】 アサート No.324 2004年11月20日