【投稿】「今、なにをなすべきか ?」

【投稿】「今、なにをなすべきか ?」・・・社会党と「新党結成」に思う・・・

9月14日、社会党を中核とする新党結成をめざす「新しい政治勢力結集の呼びかけ人会議が発足した。「新党」という語感からすると、「先進的」とか「希望」とかを感じて、なにかしら期待がわいてくるはずなのに、残念ながら、今回の報道を耳にしても心が全く動かなかった。村山政権誕生の時は、紆余曲折はあるにせよ「がんばってほしい」と、長年社会党を支持してきたひとりとして、心底願っていた。しかし、フランス核実験強行に対する無策を目の当たりにして、政権の中核を担っているという自覚のなさ、大衆政党としての感覚のなさ、かつて「非核三原則」を掲げ自民党政権と闘ってきた誇りのなさを痛感し、「再生」を期待しなくなった。村山首相には、中東ではなく中国やフランスに行ってほしかった。「特派大使派遣で抗議」では、社会党首班としては無策に等しい。その上、新党さきがけの武村代表の「クレイジー」発言を「言い過ぎだ」などと批判した野坂官房長官の政治姿勢に至っては、まさしく愚鈍そのもの。村山内閣不支持率が発足以来初めて5割を超える(NHKの世論調査、9月4日公表)状況を、もっと深刻にもっと真剣に受けとめるべきだ。
愚痴と批判だけでは何も生まれてこないと思うので、政治に寄せる希望を(かなり淡いものだが)語ってみたい。社会党のみなさん、「今、なぜ新党なのか!」の論議をもっとオープンに大胆にやられたらどうですか。各地でシンポジウムでも開いて、幅広く声を集めたらどうですか。こう提案すると、政治のプロはきっとおっしゃるんでしょうね、そんなことしてたら時間がかかって選挙に間に合わないと。しかし、地方選・参議員選と結果は非常に厳しかったはずなのに、その反省と今後の方針について激論されたのかされてないのかも含めて、わたしには伝わってこない。1ミニ政党ならいざしらず、時の政権を担っている「大」政党という自負を持って、自民党の単独政権妄想を吹き飛ばすような「新党づくり」をやって下さい。もはや連立時代は幕を開けたのです。新党さきがけはもちろん、少しでも一緒にやれそうな人々と話し合うべきだと思います。過去のいきさつを捨ててでも努力するのが「新党」だと思いますが、いかがですか。看板の塗り変えだけでは、支持率アップなどとうてい望めないでしょう。
さらなる希望は、呼びかけ人会議にもっと女性のメンバーを!ということです。北京で開かれていた第4回国連世界女性会議が、行動綱領を採択して15日閉会しました。
綱領の採択を受けて、政府は女性の参加を促進するための具体化を迫られることになるが、「新党」にふさわしく今一番新しい北京宣言の「社会のあらゆる分野で、女性の全面的参加が、平等、開発、平和の達成のための基礎となることを確信する。」をただちに実行できるだけの先進性を持って頂きたい。呼びかけ人56人中、女性が10人にも満たないような顔ぶれでは、これまでの体質が変わっていないことを如実に示している。再考を望みます。
投票率の低下=政治意識の低下ではない。青島都知事やノック知事が誕生する時代である。一票が変革につながるような状況づくりができたらと思う。わたし自身の政治参加は、現在のところ選挙による参加と組合活動(日教組)を通じての参加だが、呼びかけ人に横山英一日教組委員長の名があった。これまでの社会党ー日教組の関係の延長としての参加なら、日教組組合員として異議を唱えたい。同じ組合の中で「社会党支持」「共産党支持」を争っている間に、どちらも選択したくない多くの組合員を組織離れさせてしまったことの反省を、わたしはしなければならないと考えている。
組合は思想・信条に関係なく最も幅広く結集しなければ、交渉する力や変革する力を持ちえない。にもかかわらず、またしても「21労組会議」がつくられ幹部だけの会合が開かれている。社会党が真に「新党」を考えているなら、政党と労働組合の関係についても、過去の苦い経験を繰り返すことのないようにしたいものだ。
(大阪 田中雅恵)

【出典】 アサート No.214 1995年9月22日

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