民学同文書 No.3 民学同全国(準)委結成、3月全国大会へ

民学同文書 No.3

<全国学友へのアピール発表> 民学同全国(準)委結成、3月全国大会へ
「輝かしき全学連第三創世期を担う真に大衆的民主的政治同盟の建設を
「民主主義の旗」第21号 1965年1月25日 PDF版

 昨年末、大阪、京都、岡山、東京を中心として、民学同全国(準)委員会が結成された。その後、三月四、五日の全国代表者会議、六日の全国大会(七、八日の交歓会)にむけて、全国(準)委員会は、その準備のための諸活動にとりくんでいるが、このほど、同盟全国化に際して「全国学友へのアピール」を発表した。

 アピールは、(1)転機に立つ内外情勢、(2)情勢に規定された学生戦線の動向、(3同盟の課題と同盟全国化の意義からなり、われわれに課せられている困難な諸任務、それをやり遂げねばならない重大な責任の自覚と決意を表明している。
 アピールは、全国の学友に対して、われわれの共通の事業をともに成し遂げるよう呼びかけている。そして、全ての進歩的、民主的学友が民主主義学生同盟に結集することを呼びかけている。アピールは、全国学友のものとならねばならない。そのためにはあらゆる建設的意見をとりいれ、豊富化されるべきものである。

 全国の学友諸君! 新年にあたり、民学同全国(準)委員会は、平和と民主主義のために、学生戦線統一のために真摯な努力を続けている全国の学友に熱烈な友情と連帯の挨拶を送る。
 一九六三年九月十五日、大阪の地に登場した民学同は、その後、東京、京都、岡山等に建設され、今や全国津々浦々に燎原の火のごとく燃え拡がろうとしている。大阪においてともされた一点の火花は、もはや消すことのできない大きな焔となりつつある。
安保闘争以後麻のように乱れた学年戦線は、昨年夏から秋にかけて明確に新らしい段階-分裂、細分化、地方分散性、手工業性から全国的組織結集への第一段階=「全学連第三創世期」への過渡期ーに突入した。
 新段階を規定する情勢の特徴は何か?新段階の特徴は何か?学生運動の課題と方針は?。われわれは、ここに基本的見解を明らかにし、あわせて、今回のすべての進歩的、民主的学友が民主主義学生同盟に結集し、平和と民主主義運動の発展と統一のためにともに闘われんことを心から呼びかける。

(一)
危険な「まき返し政策」と中国核実験
 国際情勢は全体として、平和、民主主義、社会主義の側に有利に展開しつつも帝国主義の懸命のまき返し、緊張激化政策を完全に阻止しえてはいない。平和と社会主義勢力は、不幸な分裂も手伝って、アメリカ帝国主義のヴェトナム、ラオスへの数度にわたる執拗な攻撃を許している。アメリカ帝国主義のアジアでの限定戦争の志向は、極めて大きな危険を内包しており、特に警戒しなければならない。
 中国核実験は、かかる挑発に対する有効な対処でないばかりか、放射能の増大、核拡散に道を開き帝国主義者の緊張激化政策に口実を与えるものであり、われわれは極めて遺憾に思う。われわれは帝国主義者がそれを口実にすることを断固阻止しなければならないが、中国が国連加盟をかちとり、平和と社会主義勢力の団結を強化し、軍縮と平和共存のために積極的に努力することを強く望むものである。
 アメリカ帝国主義は、「新核安保」の意図を露骨に示しはじめた。だが、アメリカのいかなる投機的野望も、帝国主義間矛盾の激化と平和、民主主義、社会主義の諸勢力と強く連帯した民族解放運動の勝利的進行一A・A諸国の非資本主義的発展の前にもろくもついえ去るであろう。
 資本主義体制は、「戦後期」から「戦後後期」への転換期にあり、その再編に向かって激動しつつある。ドル、ポンドの危機は、全般的危機の第三段階の新たな深化の象徴である。アメリカ帝国主義の相対的地位の低下と帝国主義間矛盾の激化はIMF・MLF問題にみられるように帝国主義体制の再編を日程にのぼらせている。同時にイタリア、イギリス等の弱い環が形成されつつある。弱い帝国主義は、対社会主義圏貿易の拡大か、徹底的引き締めかの岐路に立たされている。だが、資本の原理的要求たる引き諦め=収奪体制の徹底化は、広汎な労働者人民の左傾化を促進している。
 イタリア選挙、イギリス保守党の敗北はその顕著な証明である。ケネティ・ラウンドー貿易自由化(本国市場の奪い合い)ーの中で敗北した帝国王義は、労働者人民の燃え上がる反独占民主主義闘争の前に東西貿易拡大に踏みきらざるをえなくなるであろう。

日本資本主義の転機と佐藤内閣の対応
 日本国家独占資本主義もまた新らしい段階への移行を開始している。低賃金労働と外資依存により異常な発展を遂げた日本資本主義は米国の「四五カ月の繁栄」の終焉、国際的高金利時代への突入の中で一八兆円にものぼる信用膨張をかかえ戦後最大の危機に直面している。倒産続出の不況ムードと消費者物価の上昇という〝インフレとデフレの奇妙な交錯”が依然進行している。新たに登場した佐藤内閣は、長期方針の未確立のままご都合主義により危機をのりきろうとしている。だが”危機”の進行は、佐藤内閣の急速な反動化を促進しようとしている。
 転換期日本の情勢のもとで、諸階級、諸政治勢力は新たな対応を示しつつある。佐藤に対する右からの圧力は強まりつつある。アメリカ帝国主義は、アジアでの中国封じ込め政策のたてなおし、「新安保」への日本の積極的協力を強く要求している。日本の大資本の中では、現在の”危機”を出せるだけウミを出す”-中小企業の切り捨て、大独占への集中合併、農民の切り捨て、労働者の首切り、賃金ストップにより産業構造の”高度化”をはかるーことによってのりきるべきだとする意見が強くなりつつある。このことは対内的には帝国主義上部構造の完成ー小選挙区制、憲法攻撃を中心とする政治的反動総路線への突入であり、対外的には本格的な帝国主義的海外膨張政策の展開-そのための国内世論の統一(ナショナリズム攻勢)-を意味する。

統一実現を急務とする民主勢力
 これに対して平和と民主主義勢力は、深刻な分裂、低迷の中から新しい指導部隊を登場させつつある。
 労働運動は、昨年の春闘において、太田-岩井ラインの限界を突破すべき新らしい力強い勢力の登場を示し、デフレ攻勢をはね返し、産業別統一闘争ー産別組織への発展を不可避なものとしている。
 平和運動は、分裂の極にある。かって平和運動の母胎であった原水協は、今や分裂の象徴となっている。原潜闘争も統一した闘いを実施しえなかった。原潜闘争が長期化した現在、われわれは短期決戦=現地動員主義を克服し、政府支配層の、日韓会談の強行にみられるアメリカ帝国主義の極東政策と結びついた帝国主義的侵略外交から真の「自主平和外交」=中立への転換をかちとる長期的方針のもとに、ねばり強い統一した闘いを追求しなければならない。分裂は自己の対立物ー統一への要求を強めている。二つの原潜阻止実行委員会の統一の声が強まりつつある。われわれはすべての大学に平和組織を催立し、平和運動を強化し、セクト主義、政党系列化を排し、世界の平和運動と連帯した日本の平和運動の統一を実施しなければならない。

(二)
学生戦線における新たなる波
 学生戦線においても、昨年九月以降の原潜闘争は、安保以後つづいた分裂を学生運動の新らしい波が克服しつつあることを示した。大管法闘争以後、一貫して大衆闘争を展開してきた関西の学生運動において、層としての学生運動の基本的立場を堅持し、平和共存と民主主義の旗を高く掲げる部隊が、六・一九闘争以後の大衆闘争の昂揚の中で極左冒険主義=街頭ラディカリズムを封じこめつつある。関西学生運動は今や学生戦線統一の先進的部隊としての規模と内容を着実に獲得しつつある。
 東京都の学生運動は新らしい様相を呈しつつある。首都の学友は大衆的闘いに立ち上がった。情勢の緊迫化と分裂にあきあきした学友の統一への要求が、首都の政治諸潮流をして統一した闘いを強制している。学内主義的諸傾向も次第に克服されつつある。教育と学生生活に対する攻撃が激化する中で、学生の不満は増大し、首都、地方においてセクト主義のアカにまみれた政治諸潮流とは区別された新らしい無党派的政治活動家層が大衆闘争の指導部尿として登場しつつある)更に平民学連派が大衆闘争に積極的姿勢をとらざるをえなくなっている。平民学連系自治会の大衆行動め開始、それは、ー指導部の主観的意図はどうあれ-自治会における大衆運動の基盤を形成するであろう。

高まる統一実現の要求と二つの中心軸の形成
 支配層の全面的、全戦線分野にわたろ攻撃を前にして、学生運動の新らしい波は、擬制的ではあれ、全国的結集へ向かい、全国的統一行動の二つの中心ー平民学連「全学連」と原潜日韓阻止学生共闘会議ーを形成した。

 平民学連指導部をして、それ自体、部分的自己否定である「全学連再建」へむかわしめたものこそ、学生戦線統一と全学連再建を強く望む全国学友の切実な要求であり、先進的自治会、地方学連の全学連再建へのたゆみない努力であった。しかしそれがまさに平民学連コースに接木されたところの歪曲された反映であることを看過することはできない。
昨年十二月平民学連「全学連」は結成された。この「再建大会」は、平民学連系自治会のみで一切の準備が行なわれ、再建に反対、保留の代議員、オブザーバーをあらかじめ前日の予備会議で組織的に排除した後に行なわれた。指導部は、これまでの分裂行動をなんら自己批判することなく「全学連」の名の下に、ほぼ限界に達した平民学連ー民青の影響力の拡大をかちとり、全国学友の統一行動の実現でなく、行動の分裂の推進を合法化しようとしている。平民学連「全学連」が過去の分裂主義的政治路線を維持するかぎり、それは「全学連」の名による、全国、地方学連、自治会段階での分裂の拡大再生産と固定化をもたらす危険性をもっている。だが、同時に平民学連「全学連」の結成は、皮肉にも平民学連の変質の第一歩でもある。私的組織から曲りなりにも公的な全国組織に転化することによってそれは、全国学友の統一行動の要請に応えようとする試みであるからである。不幸はそれが運動の内容においてではなく形式においてのみ追求されているにすぎない、という点に存在する。だが、形式としての「全学連」は全学連であろうとするかぎり、全国組織=全国運動体として自己を展開しなければならず、それは内容における民青の右翼的、セクト的方針との矛盾を深めざるをえない。大衆運動なき平民学連はありえても、大衆運動なき全学連はありえない。この形式と内容の矛盾は、必らずや平民学連「全学連」の変質を促すであろう。
 トロッキスト諸派による今一つの「十二月全学連再建は、十二月「全自代」で、平和共存派のヘゲモニーの完全な貰徹により、名実共に粉砕された。「全自代」は一致する政治的諸課題の全国的統一行動を保障する「原潜・日韓阻止学生共闘会議」を結成した。学生戦線は、全国的組織的結集に向かいつつも、それが二つの全国的統一行動の中心として形成されるという、また、学生の無関心層の増大という限界を有せざるをえないという、そして、それを止揚する部隊が急速に成長してはいるが、いまだ全国的指導部隊として未成熟であるという過渡の時代を迎えているのである。

(三)
学生運動の当面の三つの課題
 過渡期の学生運動の前には困難な課題がある。
 第一に、平民「全学連」による分裂の固定化、トロツキスト諸派による私的「全学連」再建を阻止しつつ、統一した全国的大衆行動のたえざる追求をつうじて、新情勢に対応する有効な闘いの中で、層としての学生運動を蘇生させ、真の闘う全学連の再建、統一をからとることである。そのためには、原替、日韓共闘会議の民主的強化、平民学連「全学連」を分裂活動の全国的中心から全国統一行動の一つの中心に転化させ、その変質の過程を速めるための全ゆる主体的な働らきかけの強化、そして、原潜、日韓共闘と平民学連「全学連」との統一行動の実現による全国自治会の統一行動の実現をかちとらなければならない。
 第二に、原潜、日韓、小選挙区制、アメリカのアジアでの軍事干渉に対する闘争を強化し、日本の平和と民主主義運動の統一を促進、実現するために積極的に貢献することである。
 第三に、主としてトロツキスト派によってさらには平民学連によって破壊された自治会機能(統一と民主主義)を回復することであり、不況のしわよせをくい、破壊寸前にある大学教育と学生生活の擁護、発展をかちとることである。支配層は、民主的教官、学問研究の自由、大学の自治、学生の生活と権利への不当な干捗と制限と圧迫を加えている。かれらは大学の全面的支配を企図し、大学を安あがりで独占資本と権力に柔順な学生を生産するための場にしようとしている。マスプロ教育、教員、教室の不足、カリキュラムのつめこみと非系統性は大学をして民主的で自主的な教育と研究の場からおよそ縁遠いものとしている。授業料の度重なる値上げ、大多数学生のアルバイトは学生を学問、研究から切り離し、学生生活を圧迫している。
 国家独占資本主義の下で、独占の攻撃が国家を通じ系統的、体系的にかけられている現在、学生層のすべての進歩的、民主的要求の実現の闘争は、急速に政治闘争に転化せざるを得ない。これらの経済的、文化的要求の実現のための闘争、学問の自主的、民主的発展をかちとり、大学の民主的改革を実現する闘いは当面の中心的環である。

全学連第三創世期への同盟全国化の意義
 これらの課題を実現するためには、全国的大衆的学生同盟の建設なしには不可能である。本来その責を負うべき民主青年同盟が小プル民族主義的セクト主義的方針の故にその任を果しえていない現在、新たに誕生した民主主義学生同盟がいかなる力量と政策をもつかに全てはかかっている。広汎な無党派的活動家を結集し大衆の進歩的、民主的な意識、要求、気分と密着し、それ意識的に体現した民主主義的大衆運動の展開の中で高度な政治的統一を実現し科学と民主主義の思想と理論を学ぶ民主的大衆同盟こそ増大しつつある広汎な無関心層を払拭し、過渡期の矛盾を止揚し真に闘う全学連再建、統一を可能にするであろう。
 全国同盟として登場する民主主義学生同盟-それは層としての学生運動の指導的中核部隊であり、大衆性、科学性、戦闘性、民主主義に貫かれている組織であるーは、輝かしき全学連第三創世期を必ずや担うであろう。民学同全国(準)委員会は、早期の全国化ー三月全国大会!をめざす活動を飛躍的に強化するであろう。
 すべての民主的、進歩的学友諸君!来るべき全国大会へむけて民主主義学生同盟の旗の下に結集し、学生戦線の真の統一、平和と民主主義の偉大な実現のために、われわれと共に闘わんことを心から呼びかける。

一九六五年一月十五日

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