青年の旗 1977年10月15日 改題8号

青年の旗 1977年10月15日 改題8号

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【主張】 独占奉仕に闘う統一を

<首切り、合理化、倒産攻撃を許すな>
「死にかかっているものを助けるな」--これが経済恐慌下の日本独占資本主流の景気対策・不況対策の底に流れるものである。
大阪ヨー業をはじめ、八月だけでも負債一千億にものぼる中小企業・構造不況業種の倒産があいつぎ、記録を更新している。十月から年末にかけて再び大型倒産の波、さらには信用危機さえ予測されている。
このような中で、福田自民党内閣が、内外の強力な圧力におされて打ち出した″総合景気対策“は、事業規模二兆円(一般会計の財政規模は二千七百億円)を表看板に景気回復をうたっているが、国内はもちろん国際的にもすでに破産が証明されている独占資本への一方的な刺激政策・くれてやり政策である。それは、“不況脱出”を最大の目的としながら、縮少し、冷えきっている国内市場の拡大、とりわけ労働者・勤労国民の賃金増額を中心とする最終需要の拡大をまったく度外視した景気対策なのである。
九月二〇日に決定した大蔵省の補正予算原案は、公共事業投資を主要目標としているが国民生活に密着した社会的投資とはまったく無縁であり、今年度予算の基本路線=「独占への刺激策で不況から脱出」をそのまま無修正で再強化したものにすぎない。
さらに政府・自民党は、独占大資本への優遇税制をかえりみることなく、今回の補正予算での国債増発千四百億円、今年度の国債発行額八兆千二百億円(総額二八兆七千八百億円)という赤字・借金財政のツケを、一般消費税の導入という大増税政策によって、一般勤労大衆の肩に負わせようとしているのである。
福田自民党政権は、このようにして、一方において直接インフレを招来する独占資本へのくれてやり政策を遂行しながら、他方において「死にかかっている者を助けるな」という猛烈な独占集中政策、デフレ政策、中小企業が六割を占める産業構造をヨーロッパ並みの三割以下に低下させるという独占資本主流のすでに破産が明らかな首切り、合理化、倒産政策を強行しようとしているのである。

<分裂と不毛な抗争を排して、今こそ不況政策と闘え!>
ここ数年来の選挙でさえ明らかになってきている自民党単独政権の危機は、昨年来の共産党攻撃に引き続く、社会党内協会派攻撃、革新内部の不毛な抗争によって、本来ならのたれ死にするはずの自民党政権が延命を続けている。
現代の”魔女狩り”ともいえる協会派攻撃は、社会党の弱点と実態をさらけ出し、ついに田新党を生み出した。田新党は協会派の弱点と限界を右よりの議会主義と改良主義によって排撃し、反自民統一戦線の重要性さえ忘れ去って、「協会・三月会の候補者には必ず対立候補を立て、彼ら、自ら愛する社会党を死滅させる元凶を一人残らず叩き落とすであろう。これが私たちの闘争宣言である」とまで極言するに至っている。
労働運動と大衆運動の発展・統一に敵対する日本共産党の議会主義とセクト主義によって大いに励まされた自民党・独占資本は今回の社会党の事態に狂気している。
福田自民党は、12月の社会党大会でのさらなる分裂の拡大と自己崩壊を期待して、余命いくばくもない自民党政治独占の延命を期して、早期解散・単独過半数を画策している。そして、この期に、独占資本は、一方で大衆負担の大増税政策を支持・推進しながら、他方であつかましくも投資滅税を要求しているのである。
ヨーロッパにおいては、一定の条件と意見の相違をもちつつも、フランス・イタリアをはじめとして、なによりも労働運動の高揚と統一を背景にして反独占統一戦線をより強化し、独占資本を追いつめる共同政策を追求している時に、日本における論争は、民衆と人民の利益とはまったく無縁なものとなっていることを強く指摘しなければならない。
今こそ、福田自民党の首切り・合理化・不況政策と徹底して闘い、平和と平和共存の外交政策への転換・自民党政権打倒をめぎす強力な労働運動・大衆運動の前進と強化に全力をそそがなければならない。
何よりも、この秋季年末闘争を不況政策と闘う、雇用確保・仕事よこせの一大闘争へと発展させなければならない。

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