青年の旗 1978年2月1日 第12号
【主張】 独占・JCの策動を打破し七八春闘に勝利しょう
<生活防衛へ闘う大衆行動を!>
七八春闘は、前投の国会闘争に歩調を合わせた、いわゆる制度要求をめぐる闘いが開始された。同時に、春闘本来の闘いである賃金闘争の組織化をめぐって戦術論議も開始されている。周知のとおり、七八春闘の基本的任務は、日・米・ECの恐慌下における対立と矛盾の激化にもとで高まりつつある排外主義的ナショナリズムと闘い、労働者階級の貧困化をもたらした真の元凶である政府と独占資本と対決することである。政府自民党はこの外圧の強まりを大独占への大番振るまいのビッグ・プロジェクトに国家予算を集中し、一方で減税拒否・公共料金値上げ・選択増税を強行しようとしている。
われわれは、外圧を緩和したり、予算規模を膨張させる事それ自身に闘いの目的を見出しているわけでない。あくまでも恐慌の犠牲を転嫁されている労働者・勤労人民の生活と権利の防衛のために闘うのだ。
七八春闘を担うべき国民春闘共闘会議は、十二%の賃上げ要求、雇用拡大、大幅所得減税を掲げて運動を準備している七八春闘の賃上げ要求については赤字国債の大量発行という条件下で予想される激しい財政インフレと闘うためにその物価スライド制を勝ちとることが急務となっている。またこの戦術会議で、二月上旬の一〇万人中央集合、三月のメーデー規模の大衆行動が提案された。こうした街頭における闘いのスケジュールは過日の第一回戦術会議ですんなり決定された。しかし、賃金闘争の戦術配置・闘争体制についてはついに結論が出ず、三月の第二回戦術会議に持ち越しとなった。この事実は昨春闘の際に現われた「連合時代の新路線」の美名の下に展開された野党のかけひきとナショナルセンター中央レベルに限定された「共闘」に春闘が歪少化される危険性を示しているのでは。
<共闘破壊、賃金自粛狙うJC幹部>
一方、JCを中心とする賃闘民労会議は、昨年の十一単産に新たに全石油・全国ガスを加えて一月二六日発足した。宮田発言によれば、右翼的幹部の狙いはこの民労会議に私鉄総連を抱き込み、交運スト、公労協・私鉄の共闘を破壊するとともに、JC内部において鉄綱価格引上けを恫喝のテコとして自動車・電機の先行をけん刺し、鉄鋼水準による同時決着と民労会議を通じて春闘相場を形成することである。これと連携して、独占資本の司令部である日経連・同友会は初任給引上げストップなどさまざまの悪らつな手投によって、賃上げを六%以下に抑制しようとしている。賃金闘争の戦術論議に関連して一言すれば、雇用危機の影響の少ない公労協が民間準拠方式を改めて闘いの前面に立つことが求められている。又、富塚氏が戦術配置の中心にすえようとしている交運ストライキは過去の経験から学び、その基礎に運輸労働者に固有の経済要求を置かねばならない。さもなければ、例年の通りそれは政治力ンパニア的なストになり私鉄総連・日通などと国労・動労との亀裂を生み出しかねないし、宮田などが望む賃闘民労会議に結集する一部右翼幹部の側に接近させることになりかねない。
<組合全体を動かす闘う声の結集を!>
こうした、右翼的幹部と独占資本の熾烈な攻撃に対し労働者と労働組合はいかに闘うかが問われている時、春闘共闘の一部幹部の間で六%妥結ということが平然と噂やかれている事態はまったく由々しい事である。また春闘という労働者階級の最大の闘争に直面して日共宮本指導部はそのセクト主義と議会主義の思想的変更を一層強める「教育月間」「赤旗拡大」の取り組みに狂奔している。袴田の「大衆運動不在」という批判に対し、運動が進展していると抗弁する材料に「教師聖職論」など運動破壊の組合空洞化をあげる無神経さがこの運動の決定的局面においていっそう強まっている。
社会党は飛鳥田体制の確立によって分裂は回避されたが、委員長就任に際しての飛鳥田発言にあった大衆運動の再建という方向は実践化されるに至っていない。第八四通常国会が再開される中で国会内の「連合」に依存しようとする議員政党的体制は少しも改められていない。
我々はこうした情勢の下で、反動諸勢力の攻撃の真の内容を徹底的に暴露・批判するとともに、青年労働者がその置かれた条件を十分考慮して大衆とともに全力を上げて闘いぬかねばならない。
その際、重要なことは、JCをもまきこもうとしている労資対立の激化のもとで、右翼幹部を広範な大衆的批判によって孤立させ、労働組合全体を闘う方向へ導いていくという姿勢である。一点突破あるいは一揆主義的な拠点棚争によっては闘いは前進しない。
いかに手間がかかろうとしても、このょうな方向での個々の職場における闘いを粘り強く闘い、労働組合としての闘争カを蓄積するとともに、わが国労働運動の全体的展望を広く・深く視野に人れた活動こそが、今こそ真剣なものとして追求されなければならない。
七八春闘勝利をめざして全力を! 春闘四連敗を阻止しよう!