青年の旗 1981年8月1日 第54号

青年の旗 1981年8月1日 第54号

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【主張】 反ソ主義と決別し、国際連帯の強化を

<反ソ冒険主義との闘いこそ急務>
核戦争の脅威が日々強まっている中で、原水爆禁止八一世界大会、被爆三六周年原水爆禁止大会が開催されようとしている。
反ソ核兵器包囲網の構築を狙った米帝国主義の新核戦略は、世界人民に再びヒロシマ・ナガサキ・ビキニの悲劇を思いおこさせている。同時に、勝ち取られた核軍縮の諸成果を無に帰し、核戦争の脅威を高めている。
達成されたデタントの諸成果は、七八年第一回国連軍縮特別総会の開催をもたらし、同総会は全人類の共通の課題として「核軍縮」を掲げた。
こうした中で後退を余儀なくされた帝国主義は、新核戦略を方針化し、「自由と民主主義を守る」を大義名分として、公然と核軍縮の諸成果とデタントの破壊を行ってきており、核戦争を許さぬ闘いは急務である。
そして米帝国主義は同盟国にも同調を求め、「東西関係係の緊張に対応するため、米国は国内の多大な困難にもかかわらず軍備拡張を行っている。自由主義国にも同じような努力を可能な限り求める」(七日二十三日、ブッシュ副大統領)とし、日本帝国主義は自らの利害(総合安保)をオーバーラップさせ、積極的に乗り出している。しかもこうした論理は、「帝国主義の死活の利害を守るためには何をしてもかまわない」という帝国主義の赤裸々な姿を、デマゴギーのオブラートで包み、まさに資本主義のための「自由」であり「民主主義」を叫んでいる。
我々は、ヒロシマ・ナガサキが米帝国主義の対ソ戦略政策に利用されたことを良く知っている。再び同じ悲劇を許してはならない。否、今日ではそれ以上の悲劇になるのは想像するに容易である。
すでに欧州各国では、米の新核戦略-限定核戦争阻止を掲げ、新型核兵器開発・配備阻止、ソ米SALT交渉をはじめとした核軍縮交渉再開をめざして闘いが高揚している。
欧州各国の闘いは、昨年9月開催されたブルガリア・ソフィアでの世界人民評議会で発っせられたソフィア・アピールは「核戦争の脅威の防止とそのための諸国人民の統一と団結」を呼びかけている。
同時に、核軍縮の主要勢力として存在しているソ連は、これまでの核軍縮提案に引き続いて「緊急平和アピール」を発し、「人類共通の財産」である平和を守り、新しい世界戦争防止のために起ち上がることを訴えている。
西欧各国の自国政府に対する闘いは、核戦争の脅威の防止と軍縮の実現を図るため、自国政府のNATO政策の変更–軍備縮小を掲げており、闘いの成果は先のオタワサミットにも反映している。サミット期間中の七月二十二日米ブッシュ副大統領は「(ソ米)首脳会談は行わなければならない。そういう会談を念頭に置いて準備している」と語った。まさしく、西欧資本主義各国の「反ソだけでは統治できない」経済的矛盾の先鋭化が無視できないことを即座に反映したものである。
かかる発言を言わしめる闘いこそ、今日、軍縮のテーブルを拒否している帝国主義各国に対する闘いなのである。その闘いの障害としてあるのが「反ソ冒険主義」である。また、西欧各国の闘いの前進に比べて、日本平和勢力の闘いの立ち遅れは、反ソ冒険主義との闘いの弱さそのものである。

<米新核戦略を担う日米安保破棄の闘いを>
日本帝国主義は、米新核戦略に一層の大衆収奪反ソ主義・労働弾圧を強化して応えている。そして、「核持ち込み」が日米安保を白日の下にさらし、反ソ主義を十二分に駆使して、”核アレルギー”を解消させ、日米核安保を米新核戦略に整合させ、そのい翼を担わせようとしている。もはや日米安保は、極東有事に即応させるのみならず、太平洋有事にまで即応させようとしているのだ。日本の核基地はそのための不可欠の存在として改めて登場してきている。
反ソを口実に日米核安保を強化し、日本の軍備増強を許すならば、必ずやその火の子は勤労人民にふりかかってくる。そして日本帝国主義は、かかる死の選択を「反ソであるならば認めよ」と、軍拡と反ソイデオロギーを勤労人民に押しつけようとしている。そうであるが故に日本帝国主義の総合安保、それを軍事面で補う日米核安保、反ソ・軍国主義イデオロギーは、被爆三十六年も経過しながらも、被爆者援護法を拒否しつづけているのである。すでに来年度防衛費概算要求では、P3CとF15を頭初の予定より多く発注することを決定している。逆に福祉・厚生等社会関連予算はゼロ査定である。
今こそ、日本帝国主義に村する日米核安保破薬、核兵器・核基地撤去、非核三原則法制化、被爆者援護法制定を掲げ、国際的核軍縮の闘いに合流しなければならない。
自国政府との闘い抜きに、軍縮交渉は進展しない。第二回国連軍縮特別総会は、各国での軍縮闘争があってはじめて勝ち取られるものであり、再度、核戦争の脅威の防止と核軍縮の前進をめぎして統一と団結を打ち固め、第四回十月軍縮週間、平和・軍縮フォーラムの成功に向けて闘いを進めなければならない。
以下のスローガンの下、大衆的闘いを原水禁大会から構築しよう。
1、、第二回国連軍縮特別総会の成功へ、米の新核戦略-限定核戦争・新核兵器開発配備阻止、核軍縮交渉再開を掲げ、ソフィア・アピール支持運動の展開で、核軍縮の闘いを押し進めよう。
1、米の新核戦略を担う日米核安保破棄、核兵器・核基地撤去、非核三原則法制化、日本非核武装宣言実現、被爆者援護法制定を掲げ、八一大会を成功させよう。
l、反ソ主義を克服し、日本平和運動の国際連帯回復、原水禁運動の共同行動の前進、第四回国連軍縮週間連帯、第三回軍縮フォーラムを成功させよう。

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