青年の旗 1982年9月1日 第67号
【主張】 臨調路線と対決を
<基本答申のめざすものは何か>
七月三〇日、第二次臨時行政調査合は基本答申を提出した。
基本答申のめざすものは、第一に、軍事大国化である。防衛力の増強、具体的には、「防衛計画大綱の確実な実現」が打ち出されている。第二は、教育、福祉の切り捨て、国民に対する高負担の以制づくり、第三は、独占資本の利益確保を第一とした経済の体制づくり、第四は、これらのことを遂行するための行政機構の整備である。
以上のねらいをすみやかに実現するための突破口として位置づけられているのが、国鉄の分割民営化である。答申のなかでは、回鉄再建管理委員会の設置が提起されるなど、国鉄については極めて具体的である。
<臨調路線の破たん>
第一次答申が出された、昨年七月以来、基本答申までの約一年、臨調にとっては、決して平たんな道ではなかった。「増税なき財政再建」を旗印に、「行革フィーバー」ともいわれる状況をつくり出し、革新政党から「総論賛成」という承認をえるまで、国民的統合をすすめた、第一次答申以前と比ベて、この一年間は、そうした国民的統合というようなものがくずれていく過程であった。その第一は、経済危機、財政危機である。独占資本に奉土してきた国家の財政は、数兆円に及ぶ歳入欠陥を引き起こしている。第二は、財政破たんの中で増税の意図が明らかにされたり、国民生活切りすての中味がバクロされたりして、国民のなかに臨調への批判がでてきていること、第二は、こうした矛盾の深まりで、以前からあった自民党や財界の内部矛盾が拡大していることである。
<分断を許さず、統一戦線で反撃を>
土光、稲山氏ら財界人総出で臨調路線が押し進められようとしているのは、彼ら独占資本の支配層としての危機意識のあらわれである。彼らの攻撃の手法は、つねに、勤労人民に対立と分断をもちこむことである。彼らは臨調路線の一定の破たんの中で、その巻き返しをはかるべく、すでに分断のクサビを打ちこんだところ、国鉄労働者と国民、公務員労働者と国民などといったところで攻撃を強め、臨調路線に対する国民の再度の支持取りつけをねらっている。特に国鉄分割民営化攻撃はその格好の材料というわけである。
国鉄労働者は、すでに反撃を開始している。政府独占の分断攻撃に屈せず、国鉄労働者の闘いに連帯し、国鉄分割民営化を粉砕しよう。労働者を中心とした統一戦線で、大衆的な統一行動で臨調路線と対決しよう。