【訃報】横田三郎先生 急逝
悲しいお知らせです。現代民主主義教育論や解放教育論、そしてドブロリューボフ研究家として活躍された横田三郎先生が、去る九月五日に急逝されました。
十月中旬に、横田三郎先生の奥様からのお手紙が届きました。いやな予感がしました。横田先生の訃報でした。お手紙によりますと、去る九月四日先生は突然体調を崩され、入院。医者は「脳に小さい出血が見られるが、1週間安静にすれば退院できます」と説明したとのこと。しかし、翌朝、来院の指示があり、ご家族が駆けつけたところ、すでに意識はなく、九月五日朝五時四十四分に永眠されたとのことでした。今月二十四日には、早「四十九日」を迎え、島根県大田市(奥様のご実家)の墓所で「追善供養」されるとのことです。
以下に、私にいただきましたお手紙を引用させていだだきます。
「いつまでも暑い日が続いています。お元気でご活躍のことと存じます。
さて、突然ではございますが、去る九月五日夫三郎が急逝いたしました。・・・
九月四日正午急に体調を崩しまして、すぐに病院に運びました。医師の診断の結果「脳に小さい出血が見られますが、一週間も安静にしていれば退院できるでしょう」ということで、主人は「なぜ入院?」と訝っていましたが、すぐに入院の用意を整え一応帰宅いたしました。翌朝四時、すぐ来院をという電話で娘たちと駆けつけましたが、既に意識がありません。五時四十四分眠っているような安らかな最後でした。
本人の意志で、大阪医科大学へ献体いたし、葬儀も遺言通り行いませんでした。
翌九月六日三郎本人の著書ドブロリューボフの翻訳本数冊と思い出の品を纏めまして、私の実家の寺の墓地へ収めて参りました。
佐野様とは去々年尋ねてくださったのが最後になりましたが、よく学生さんの話は伺っていました。本人はもっと世の中の役に立ちたいと思っていたと存じますが、せめて彼らしい思いきりの良い誠に豪快な終焉であったと、心から喜ばしく存じております。
何分急なことでしたのに、息子や娘、孫達に看取られ幸せな最後であったと安堵しております。・・・・」
昨年7月に上梓された「ドブロリューボフ著作選集 別巻 同時代人たちの回想の中のドブロリューボフ」(鳥彩社)が最後の訳書となりました。私にとっても専門学部の恩師であり、市大の研究室で、ラーメン鍋を指差し「これがわしの唯物論の基礎や」とおおらかに、明るく語っておられた先生独特の語り口、お姿を思い出します。
横田先生のご冥福をお祈りいたします。(佐野秀夫)
【出典】 アサート No.395 2010年10月23日