「知識と労働」 討議資料 1975年3月 発行:知識と労働社
「討議資料」の発行にあたって
「知識と労働」第十号は 「七四年の大衆運動とマルクス主義」 と題する特集を行っている。
しかし、本号は本誌のこれまでの編集とは異った仕方で編集された。それは多数の編集委員の共同討議を経ないで編集刊行され、しかもその内容に多くの思想的理論的誤りを含んでいるため、当然のことながら、これに対する批判的意見が続出している。 「特集にあたって」の筆者は 「これらはいずれも試論でありマルクス主義者の間での広範な討議を組織するため」 のものであるといい、また編集後記では「本号で提起されている理論的原則的問題について真剣な検討と批判が行われることを期待してやまない」とも書かれている。このことからみても、こうした批判的意見を、 一定の手続きを経て公表することが、本誌の今後の健全な発展のために不可欠なことであろう。
われわれは、十号特集の刊行によって生じた諸問題を検討し処理するため、かねて編集会議の開催を求め、去る三月一日にはそれを召集したが、十号特集の筆者の一部は、何故かその会議に出席することを拒否した。しかし、十号にあらわれた理論的思想的混乱が、すでに一部の大衆運動のなかに否定的な影響を生みだしているなどの事情にかんがみ、この混乱を早期に収拾するためには、本「討議資料」の発刊が急がれねばならないとの意見が、多数の編集委員および 「知・労」グループの指導的メンバーの多くの者により出されたことにもとづいて、本臨時号を発行することにした。
読者諸君が、これを参考にして、当面の理論的思想的問題について真剣な討議を深められることを切望する。
一九七五年三月三日
「知識と労働」編集委員会 代表者 小 野 義 彦
★「特集にあたって」はどこに導くか
「74年の大衆運動とマルクス主義」批判 松 原 敬
★古くて新しい問題—-田崎論文批判—- 大 木 透
★田崎晋論文(『知識と労働』10号)と
日本共産党七五春闘方針について 永杉 泉
★特集「大衆運動とマルクス主義」は何をよびかけているか
学生党的傾向の克服のために 堺 新一