【日々雑感】悪意に満ちた情報操作と言えば —ひとつの思い出—
アサート紙面の誠実な人々の投稿記事に教えられ、浅学の私は、いつも感謝して読ませていただいております。
先月2月号(No423)の記事で、中国艦から海上自衛隊艦艇に対するレーダー照射問題について詳しく記されており、これはNHKをはじめ各メディアの「大本営」発表の垂れ流しであること。
さらに、海上事故防止協定というものが存在し、その中では今回のような火器管制レーダーの照射は禁じていないこと。
日中間でも協定締結が望ましいが、一方的な非難と世論操作の前に、本来なすべき対話と接触、外交が一切放棄されてしまっては、そこには悪意しか残らないと言えよう等々のことを学ばせていただきました。
そして今回の大手メディアによる悪意に満ちた情報操作には、私の若かりし頃の思い出話を想起させられました。時代錯誤と笑われるかもしれませんが、御笑覧ください。
あれは、親ソビエト政権であるカルマル政権がアフガニスタンを統治していた頃のこと。私の先輩の今は亡きK氏(当時茨木市在住)が、アフガニスタンとの友好団体が関係する旅行で、アフガン旅行に出かけました。
約10日程の旅だったのですが、K氏が出かける前に私に「早瀬よ、ワシが旅行中に、メディアがどういう報道をするか、気をつけて見とけよ」との捨てゼリフを残して日本を発ちました。
そうして2~3日が過ぎ、首都カブールでは大規模な銃撃戦が展開されているとの報道があり、私はK氏のことを大変心配しておりました。
やがて帰って来られたK氏が「早瀬、何かあったか?」との問いに「首都カブールでの銃撃戦があったそうやないか?心配したでえ」と言ったところ、K氏は「何もあれへん、子供らは、歌を歌いながら、手をつないで幼稚園に行ってたわ、まあ、メディアってそんなもんやで」とのこと。
当時、国内は反ソ宣伝であふれかえっていたので、当然と言えば当然のことなのかも知れませんが、私はあきれかえって物が言えない心境でした。
事ほど左様に、メディアに乗せられないように注意をしていないと、真実を見誤ってしまうものだと思って過ごしてきた次第です。(2013-03-15早瀬達吉)
【出典】 アサート No.424 2013年3月23日