【日々雑感】こんな所にも反中国の影響か? 

【日々雑感】こんな所にも反中国の影響か? 

 私は年金生活者、月17万円で3人家族、これではやって行けないので、年老いてのアルバイト暮らしです。その職場で、ある日の新聞一面記事に中国の反日デモが載っていました。それを目にした同僚が、中国のことを襤褸糞に罵りました。そばに居た私は黙っていられなくて、「まあー、いろいろあるやろうけれども、太平洋戦争で日本が負けた時、中国からの引揚者等が残した数多くの残留孤児を中国の人々が育てあげて、戦後の日本に送り返してくれたということも、忘れたらあかんやろううな。」と一言余計なことを言ってしまいました。
 それが原因かどうか、普段は好きなパチンコの話や冗談を言い合っていた彼が一言も口をきかなくなったのです。
 「去るものは追わず、来る者は拒まず」の心境で暮らしている私としては、別に気にもなりませんが、「聞く耳を持たない」と言う態度は周り回って自分自身に降りかかってきて損をすると思っております。
 マスコミに操られやすい人々が多い中、こんな所にもマスコミキャンペーンが影響するのかと残念に思いました。
 この1件で思い起こすのは、斯く言う私も、古くは中ソ論争が盛んに言われた頃は、強い反中国論者でした。当時読んだ、スースロフ報告という文書で、中国の執拗な反ソ攻撃に、忍耐強く対応しているソ連側の状況を知り、あるサロン風の集いの中で、文化大革命の誤った路線を進める中国を強く批判したことがありました。
 その時、その集いに加わっておられた、今は亡きM・SU女史(当時園田在住、作家の故佐多稲子氏とも交友があり、中国で苦労して引き揚げて来られたと聞く)の一言で、私の反中国感情も少しは和らいだ事を思い出しました。
 故M・SU女史は言っておられました。「早瀬さんの中国批判は、よく分かるけれど、あの大戦で日本軍隊にひどい目に合わされた中国の人々が、残留孤児の人々を育て上げ、戦後の日本に送り返してきれた。その恩は忘れてはいけないと思いますよ」と。
 今回の1件で、今は亡き大先輩夫妻の墓前に手を合わせに行きたい心境にさせられた次第です。(2012-11-15早瀬達吉) 

 【出典】 アサート No.420 2012年11月24日

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