【紹介】–己に厳しく 弱者に優しく– 横田三郎追悼文集が発行されました。
2年前の9月5日、教育学者横田三郎先生が急逝されました。早2年の年月が経過しています。この間、大阪市立大学文学部教育学科の卒業生を中心に、追悼文集の準備が進められてきました。3回忌を前に、同書が完成し、出版されました。私の手元にも、「追悼文集編集委員会」より届きました。表題は「己に厳しく 弱者に優しく」。奥様である横田ミサホ様の筆になる題字と書名が表紙に刻まれています。
直木孝次郎さん、佐藤武敏さん、南大路振一さんなど、大阪市立大学の先生方、そして山本晴義さん、田中欣和さん、桂正孝さん、田畑稔さんなど、大阪唯研や解放教育分野での仲間たち、広島修道大学時代の先生や教え子の皆さん、そして、市大教育学科の卒業生による追悼文が収められ、最後に奥様ミサホさんの「終生己に厳しく」という文章で締めくくられています。
「・・・あなたは40数年かけて念願の翻訳を全て実現させた後の約1年間も、生命の炎が尽きるまで仕事の手を緩めることはありませんでした。死の直前の早朝にも普段通り、ロシア語講座で発音や会話の練習を怠りませんでした。しかし、このような厳しさの反面、誰彼の区別なく弱者や若い学生さんたちに対してもおおらかな愛を持って接してくださったことを私は決して忘れません。・・・」とミサホさんは、先生との思い出を綴られています。(佐野秀夫)
【出典】 アサート No.418 2012年9月22日