【日々雑感】熊森VS小出対談 ③(最終) 

【日々雑感】熊森VS小出対談 ③(最終) 

 前号に続いて、熊森インタビュアーと小出先生の対談を続けさせていただきます。

<線量の高い山には入らないこと 地下水の汚染は比較的少ない>
熊森:東北や関東の、山の放射線量がとても高いと聞いています。
小出:熊森協会のみなさんに山に入ってほしくないですね。入るなら日数や時間の制限が必要です。
熊森:山からの湧き水は大丈夫でしょうか。
小出:セシウム137は、かなり強く土に付着します。今現在でいえば土の表面5~10センチにほとんど止まっている—-基本的には、水に移る割合というのはそんなに多くない。30年経って半減します。

<原子力ムラ利権集団の再復活>
熊森:3.11事故で原発事故は取り返しがつかないとわかりました。
 私たち近畿に住んでいる者には、福井原発がすごく心配なのですが、夏は電力が不足する、安全テストが終われば再稼動と言う声が出て来ました。そんなのおかしい。こんなこと子どもでもわかるじゃないですか。でも、大手メディアが一方的な報道を流して、加担しています。そのうち、再稼動に反対している国民の正常な感覚もだんだんメディアに洗脳されていって、また原子力ムラの人たちに騙されてしまう日がくるのではないでしょうか。(注)大飯原発7月2日から再稼動
 熊森協会は事故後、自然保護団体として、会報の表紙に核兵器と原発撤廃を明記しました。はっきり言わないと人々には伝わりませんから。
小出:日本は、夏の電力原発なしで十分足りています。政府発表のグラフを見れば分かります。原子力ムラが、利権復活のために、また、政治家、学者、マスコミを使って国民に嘘の情報を流し始めた。本当に困った人たちです。
熊森:これからも、本当のことを私たちに伝え続けてください。ありがとうございました。

 以上が、小出裕章先生と熊森協会インタビュアーとの対談のすべてですが、この記事を書いているうちにもいろんな状況の変化がありました。2012年9月6日(木)の朝日の夕刊1面でも小出先生など反原発の「熊取6人組」と呼ばれる学者の記事が載っておりました。長くは書けませんので、年齢順にお名前だけ書かせていただき、今後の御健闘を祈らせていただきます。
 
 瀬尾健(せおたけし 94年に53才で亡くなられた)、今中哲二(いまなかてつじ 61)、小出裕章(こいでひろあき 63)、川野眞治(かわのしんじ 70)、海老澤徹(えびさわとおる 73)、小林圭二(こばやしけいじ 73) <敬称略>
 
 主義主張がもとで職場で嫌がらせを受けたことはないと、彼らは言う。しかし、ほとんどがずっと助手、助教のままで、教授になった者は一人もいない・・・・とのことです。(2012-09-13 早瀬達吉)

 【出典】 アサート No.418 2012年9月22日

カテゴリー: 雑感 パーマリンク