【資料】ウォール街占拠運動–99%対1%の闘いは続く–
以下は、2012年1月3日、「オキュパイウォールストリート」(OWS)のサイトに掲載された新年の呼びかけである。(訳 生駒敬)
<<2011: 反乱の1年>>
2011年は反乱の一年として、貧困と抑圧、暴力によって支えられている容認しがたい世界的システムに終結をもたらす、その開始の一年として記憶されることでしょう。アラブ世界をはじめ何十もの国々で、人々は経済の崩壊と抑圧的支配体制に反対して立ち上がり、独裁者たちを打倒し、世界中を行動に奮い立たせました。何百万もの人々の、緊縮政策と労働者の権利剥奪に対する大衆的な抗議行動は、ギリシャ、アイスランド、スペイン、ポルトガル、イタリア、イギリス、チリ、ウィスコンシンなど、いたるところで展開されました。
夏頃までは、「ウォール街占拠」の声はオンライン上のささやきのようなものでしたが、7月14日に、われわれがドメイン・occupywallst.orgを登録し、組織化を開始、最初ののニューヨーク市での全体集会が8月2日に開かれ、リバティスクエアの占拠が9月17日に始まりました。
富める者と貧しい者のますます広がる格差に対する怒りを燃料として、大多数の人々の犠牲の上に少数エリートに奉仕する政府の政策に失望して、根本的な経済的不平等に対処できない既成権力者たちの我慢しがたい失策に対して、OWSは新しい解答を提起したのです。われわれは、何千もの人々に食事を提供するピープルズ・キッチンを作り上げ、図書館をオープンし、より安全なスペースを創り出し、誰もが利用できるシェルター、寝具、医療、その他必要なものを必要とする誰にでも提供したのです。 われわれを冷笑する人たちは、われわれがリーダーを選出し、政治家に対して要求を並べることを要求していたのですが、われわれは、そうした既成制度に代わるもの、まさにそれらを創造することに集中していたのです。 革命がセットされ、動きだしたのです。それは止められるものではありません。
大手メディアはわれわれを無視しましたが、チュニジアやエジプト、イランなど、指導者のない抵抗運動から学び、ソーシャルメディアやライブ・ビデオ・ストリーミングを利用して、われわれのメッセージを広げたのです。われわれは、情報が創造され、共有される世界的な急進的民主化運動の一部であり、それは大手企業資本の集中化されたメディアを今日的な意義を持たないものとさせるものです。情報の急激な変化は、集団的決定をすばやく行い、論議し、世界的に構想し、効果的な直接行動の提起を可能にさせ、警察の残虐行為を立証することを可能にしたのです。今や以前にもまして、「全世界が見守っているぞ!」とシュプレッヒコールするとき、それは根拠のない脅しではありません。
今日では、何万もの人々が日常的に、連帯、相互援助、反抑圧、自治と直接民主主義のような理想を実行しており、個々人は、市規模の全体集会にともに参加し、そして自主的に共通の目的を持ったグループに参加しているのです。合意と、上意下達式ではない、自主的な個人参加を通じて、われわれはここかしこで新しい世界の骨組みを文字通り設定しつつあり、現実化しているのです。
余すところは、歴史です。 新年にあたり、われわれがこれまで達成したもののおおよそのところは以上の通りです。「占拠」が行われたすべての場所と行動をリストアップすることは不可能でしょう。しかし新年を、いくつかの勝利のハイライトを祝うことによって、そして来たるべき行動提起を踏まえて開始するものです。
<<2012年: われわれは、準備している>>
われわれの運動の自然発生的で、指導者をもたない性格は、われわれに強さを与えています。未来は記録されていないのであり、可能性は限りないものです。2012年には、この「占拠」運動はあらゆる所で、団結する人々の強さを示し続けるでしょう。われわれは、1%と政府側からの攻撃に反撃する闘いを継続します。以下は、現在提起されているいくつかの単なる「予告」にしかすぎないものです。
・われわれは、アイオワの大統領選キャンペーン事務局の占拠を続行します。それは、「リベラル対保守、民主対共和といった二分法は、アメリカ社会を掘り崩している真の社会的対立、99%対1%という真実から目をそらすもの」だということを世界に想起させるための占拠なのです。
・1月3日、本日、ニューヨークのOWSは、国防権限法にもとづく「無期限勾留」に抗議します。
・同じく本日、オキュパイ・アトランタは、さらなる差し押さえ競売に抗議し、続いてトロイ・デイビスに敬意を表して死刑に反対する行進を行います。
・1月6日、ニューハンプシャーの大統領予備選に対処します。
・1月14日~16日には、オキュパイ・ジョブズ・ネットワークは、仕事、住宅、教育と人々の権利を要求して行動します。
・1月15日には、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアの誕生日を記念して、団結のための世界的規模のキャンドルライト行動をもちます。
・1月16日、オキュパイ・ザ・ドリームは連邦準備制度理事会の占拠行動を行います。
・1月17日、議会選挙行動を予定しています。
・1月20日、オキュパイ・サンフランシスコは、金融地区を再占拠します。
・2月29日、オキュパイ・ポートランドの呼びかけで、企業の操業閉鎖行動を行います。
・4月7日、オキュパイ・シカゴは、国際的占拠行動に呼応して「春季攻勢」を展開します。
・5月1日、世界は注視することとなるでしょう。
・5月19日、シカゴでのG8とNATOサミットに対抗します。
以上は、先月号掲載の予定であったが、原稿量多く次号掲載となったもので、上記にあるこれまでの予定のオキュパイ行動はすべて実行されており、
2/18現在、シカゴ・オキュパイが、貧困地区の小学校の民営化に抗議して、シカゴ・ハムボルトパークにあるピッコロ校の占拠行動に立ち上がり、保護者や教師、生徒たちが多く参加し、キャンプを設営、シカゴ教職員組合も支援を表明、シカゴ警察とにらみ合いが続いていたが、警察は撤退を決定、シカゴ・オキュパイはテント持参の参加をさらに呼びかけている。
【出典】 アサート No.411 2012年2月25日