【日々雑感】どうした、敗戦国日本!
私は、朝日新聞の夕刊の素粒子の欄は好きで、いつもチラッと目を通します。そこには時々、小気味良く世相を、ひねくったりの内容で、うなづかされることもあるのですが、先日6月14日(火)のそれも、そうでした。
内容:服飾、自動車、観光、ブランドの国には地震もある。傷がつけば取り返せない。イタリア国民は賢明な判断示す。☆先に脱原発を決めたドイツともども敗戦国。原発を進めてきたのは戦勝し核保有国となった米・仏・ロ・英など。☆核の怖さを一番知りながら核を原子力と読み替えて世界3位の原発を造った日本。どこでボタンを掛け損なったか。
こういう見方もあるのですね。かつてファシズムの国であった両国が、世論の高まりで脱原発を決めたのは羨ましい。それにひきかえ、ファシズムに協力した日本の世論は成長していない。
イタリアのベルルスコーニ首相は、原発推進派で、その強烈な個性で知られ、イギリスのエリザベス女王からも顰蹙をかったことも有名ですが、それでも脱原発を決めたのは、一定の歴史的評価を受けるに値するでしょう。日本では、電力不足の脅しとも疑われそうな世論操作を感じます。
どうした、敗戦国日本!敗戦国イタリア、敗戦国ドイツに見習えと、叫びたくなるような気持ちです。 (2011-06-15早瀬達吉)
尚、この原稿を書いている最中にも、今日付けの日経夕刊で、素晴らしい記事を目にしました。次回にでも書いてみたいと思います。いずれにしろ原発や核の問題は、人類が「パンドラの箱をあけてしまった、あるいは引き金を引いてしまった」とも言えることなので、書き続け、言い続けなければならないと思います。
【出典】 アサート No.403 2011年6月25日