【コラム】ひとりごと— いよいよ政権交代だが—
○東京都議選の結果が最終的に麻生政権に退場を命じることになった。民主党が第1党となり、自民・公明合わせても過半数に達しなかった。○あくまで地方選挙であると強弁し、責任論を回避しようとした麻生だったが、それではと、古賀選対委員長が辞任を申し出た。○古賀は、東国原宮崎県知事を選挙パンダにと奔走したが、相手が悪かった。悪乗りで「総裁候補」が前提などと高いハードル設定をされておいて、最後はビートたけしの一喝で衆議院選挙出馬を断念する結果となった。一連の報道は、マスコミを賑わしたが、パンダ探しは、逆に自民党の政権末期症状が露呈する結果となった。○都議選後の動きも同様である。野党は、直ちに衆議院に内閣不信任案、参議院に問責決議案を提案したのを受けて、麻生首相は、21日の週の解散予告、8月30日の総選挙を発表する。危機感に駆られた自民党内の不満は、両院議員総会開催への署名活動となった。麻生降ろし派と党内議論派の野合は、3分の1に達したのだが、選挙前の党執行部の恫喝の前に沈静化し、揚句、非公開の懇談会でお茶を濁すだけとなった。○これも、政権末期のただの「内紛」に終わり、国民に政権末期を一層印象づけることとなった。○何をやっても、支持率を下げる結果となり、毎日新聞(07-20)の世論調査によると、次期衆議院選挙で勝利してほしい政党として、民主党が56%、自民党が23%となり、内閣支持率も17%に下落している。○最悪の状態で、選挙に臨むことになったわけである。自業自得とはよく言ったものである。○公明は、すっきりしたもので、衆議院選挙の結果で、下野した場合は、当然連立解消し、選挙結果が僅差などの場合は、キャスティングボードを握ろうということだろう。選挙戦では、大型補正予算でのセーフティネット政策(就労支援のために給付金などの雇用対策や住宅手当など)を自党の成果と宣伝している。小泉改革・新自由主義路線に加担してきた犯歴には全く無感覚である。○そこで、共産党であるが、都議選でも5議席を減らし、惨敗している。倒産が相次ぎ、雇用状況が益々悪化している中で、支持を拡大できないのは、何故なのだろうか。総選挙でも同様の結果が予想されるのだが。○自民・公明政権が、こんな状態の下で戦われる総選挙なので、国民は、一度政権交代して、やり直しては、との風を感じている。○しかし、肝心なのは、市場原理主義・格差容認の社会システムなのか、社会民主主義的改革なのか、ということであろう。当面、自民党を否定しても、次の政権が、政策的には、自民党と代わり映えしない、ということならば、政治の混乱は、さらに継続すると見なければならない。○郵政選挙で、無内容な圧倒的多数を獲得して、自滅した自民党のように、次期政権も同様の経過を辿ることにならないか。○と心配をしているが、取らぬ狸の云々にならぬよう、暑い夏の総選挙をそれぞれの部署でしっかり取り組むこととしましょう。(佐野2009-07-20)
【出典】 アサート No.380 2009年7月25日