【投稿】相次ぐ不祥事に思う–一連の解放同盟をめぐる事件–

【投稿】相次ぐ不祥事に思う–一連の解放同盟をめぐる事件–

大阪の部落解放運動関係者の相次ぐ不祥事に、大いに驚き、そして心配している一人である。飛鳥会をめぐる汚職・横領事件、そして今回の八尾市安中の事件。昨年は、大阪南部泉佐野市で元支部長が地域内の社会福祉法人の理事長の立場で暴力団幹部に資金提供し逮捕された事件もあった。
共通しているのは、幹部が暴力団関係者、または暴力団と繋がっていた事であろうか。元々同和地域は差別が原因で貧しかった。学校へも行けないという現実の中で、任侠の世界に身を投じる人も比較的多かったのであろう。しかし、私が若かりし頃の理解は、それも差別の結果として受け止め、運動の力で押し込んで、逆に運動の力にしていく、こんな理解であっただろうか。彼らもまた差別の犠牲者として包み込むという考え方もあったように思う。まだ懐かしい任侠の世界もあったかもしれない。
しかし、今回の一連の事件は、運動が創り出してきた力を、良からぬ連中が利用したということとも言える。その原因については、残念ながら運動の力の弱まりを指摘せざるを得ないのではないか。そして、未だにいろいろな意味で行政依存型の枠を抜け出ていないという現実もあるように思う。
松本治一郎の伝記「水平記」にこんな一節がある。同和対策特別措置法議論の際、事業法的側面を入れるかどうか、行政対策を織り込むかどうかについて、松本には異論があったという。運動の腐敗について危惧したためだ。金が動けば利権ができる。利権をめぐって、運動家ではない連中が「運動」に入ってくると。
運動の健全性をどう保つのか。共産党のような無責任な批判は論外として、真に運動の発展を願う立場から、真剣な議論と方針化を期待しているのだが・・・。(H)

【出典】 アサート No.345 2006年8月26日

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