民学同文書 No.4 【主張】学生運動の過渡期と同盟全国化の意義

民学同文書 No.4

【主張】 学生運動の過渡期と同盟全国化の意義
「民主主義の旗」第22号 1965年4月10日

同盟第四回(全国)大会は学生運動の歴史において、その転換を示す確かな出来事として、印されるであろう。
それは、過去一年半のわが同盟の諸活動の成果を集約した場という以上の意義をもつものである。何故なら、民主主義学生同盟は、「層としての学生運動の指導的中核部隊であり、大衆性、科学性、戦闘性、民主主義に貫かれている組織」であり、学生運動の前進こそがわが同盟の前進を唯一確かなものとする基礎だからである。即ち、わが同盟の前進は、学生運動の前進を明確に反映しているのである。四回大会は、まさにごの事実の一つの確認であり一層の前進の方向を定めたことを意味する。

<過渡期にある学生運動>
安保以後の学生運動は第二期学生運動の崩壊過程であった。そしてそれをもたらしたのは、指導部隊の政治主義にもとづいた極左冒険主義=街頭ラデイカリズム、それのアンチテーゼとしての学園主義とそしてセクト主義にあった。
しかし、昨年の原潜闘争の過程の中で、学生運動は新たな段階への移行を開始した。それは、分裂から全国的組織的統一(全学連再建)への過渡期への移行である。その屈折された形態として現在「日韓・原潜共闘会議」と平民私設「全学連」の結成という二つの中心軸の形成がある。これら二つの組織は、全国的統一的組織体でないばかりか、後者は過渡期を固定化する危険性を十分にもっており、大阪における第二府学連結成にみられるようその方向に進みつつある。
しかし、全学連再建への過渡期への移行という肯定的な方向を維持し、強化し、拡大させる部隊は確実に存在し、急速に胎頭しつつある。関西の学生運動において、層としての学生運動の原則的立場を一貫して堅持し、平和と民主主義、よりよき学園生活のスローガンのもと大衆闘争を展開してきた部隊は、今や、政治主義極左冒険主義を封じつつあり、学生運動統一の母胎として先進的地位を占めつつある。
東京をはじめ、全国各地において既成政治潮流の政治主義・セクト主義を拒否する新たな無党派活動家層が発生しつつある。これらの部隊、層こそ学生運動統一の先進的部分として胎頭しつつあるのだが、今だ、全国的単一の指導部隊として成熟していない。ここに過渡期の本質的特徴がある。

<同盟全国化の意義>
同盟全国化は、この過渡期の意識的確認であり、過渡期の止揚をめざす意識的体現者の前進過程の一転換である。わが同盟はこれまで、関西学生運動の指導部隊として、運動の前進に少なからぬ役割を果たしてきた。今や、情勢はわが同盟の全国化、全国的単一指導部として成長することを緊急に必要とするに至った。第四回大会は、その任務に向って一歩を踏み出し、その方向を明確に設定した。「広範な無党派活家を結集し大衆の進歩的な意識、要求、気分と密着し、それを意識的に体現した民主義的大衆運動の展開の中で高度の政治的統一を実現し、科学と民主主義の思想と理論を学ぶ民主的大衆同盟」に成長させること、これがその方向である。この任務を果すとき、過渡期の止揚=真の全学連再建・統一の事業に我々は大きな貢献を成すであろう。

<過渡期学生運動の課題と同盟の任務>
過濫期の学生運動の中にあって諸課題を遂行することば、運動体円に、清算さるべきもの、維持、拡大さるべきものが絡みあっている故、一層困難であろうが、それを避けることば許されない。
第一に、資本主義世界体制、日本国家独占資本主義の転換に規定された、戦後民王主義と平和の全面的破壊を意図する反動政治路線と対決し、平和と民主主義運動の統一、強化の一翼を先進的に担うことである。
第二に、国独資の下で、国家を通じ、体系的に、しかも功妙に分断攻撃をかけてきている政府、独占の大学攻撃に有効に対処し、民主的で自主的な教育の場としての大学を擁護、発展させること。この課題を教官とともに果たすことなくして、学生運動の新たなる発展
はあり得ないであろう。
第三に、これらの課題を遂行するため平民学連による分裂の固定化、トロツキストによる私設「全学連」再建の茶番を阻止し、統一行動を実現することである。この中心軸の行動の統一、戦線=分野別の具体的課題の一致による行動の統一である。この実現は、確実に過渡期の止揚を早めるであろう。
第四に、政治主義、セクト主義にもとづく、自治会のひきまわしによって破壊された自治全民主主義、機能を回覆することである。
これらの任務を、民主主義学生同盟は先頭に立って行うであろう。そして、真に大衆的、民主的な全国政治同盟として自らを成長させていくであろう。そして真に闘う全学連の再建を担うであろう。
民主主義学生同盟は、これらの任路を遂行し、単一の全国的政活同盟を結成する事業を、平和と民主主義、よりよき学園生活のために、真の全学連再建のために、先進的な努力を行っている諸組織、グループ、学友と共同で行う努力を既に開始しているが、今後も、一層努力するであろう。

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