【投稿】イギリスに於ける労働事情
海外で働く:海外で働く時は、仕事以外でも“仕事”の為にエネルギーを使う。つまり生活するだけで日本に居るときよりも高い緊張状態にいると言う事である。これは、異文化の中で24時間生活しているので避けられない事である。また“安全”の問題など最近よく報道されているようである。また“日本人を狙った”というような報道もあるが、日本人が日本以外で生活した経験が少ないのと、日本製品がその国の経済を圧迫しているなどの問題があるようである。
依然として鎖国の国である日本の中で“外国人労働者問題”はあっても“外国での労働問題”はいまだ課題として上がっていないようである。もはや海外で働く、または、海外に住む日本人は“特殊な人”ではなくなりつつある。(現在は特殊な人である確率は大きい) イギリスでは、“外国人労働者”問題はすでに経験済みであるが、日本に付いてはまだ戸惑いがあるようである。物が先行して入ってきて市場を荒し(オーディオ製品の95%は日本製である)、それを作った日本人は、彼等がまったく理解できないような習慣を持っている。これで問題が起こらないほうが不思議である。日本国内の“外国人”労働者についても同様と考える。まして“鎖国の国目本で”である。
海外で働く事は、その国の全てが、労働環境といえる。もし労働組合が組合員の生活に責任を持つのであれば、その国の歴史や習慣など全てが労働環境であり、全てに対して議論すべきであろう。そして今から“出る方の鎖国”について議論を始めるべきであろう。
(GB.S)
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氏は、外資系企業に勤務し、数度の長期出張の末、ついにイギリスで雇用関係を結んでしまった。今回の一時帰国の際に一文を寄せてもらった(編集局)。
【出典】 青年の旗 No.174 1992年4月15日