青年の旗 1985年11月1日 第105号
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【主張】労青(準)結成10周年アピール
–大衆運動の発展と反独占の青年の統一に向けて–
<一〇年前を振り返って>
我々は一九七五年十月十二日、労働青年同盟(準備会)を結成し、全ての闘う青年、組織、グループ、個人に大衆的な青年同盟の結成を呼びかけた。一九七五年は国際情勢にあってはベトナム解放闘争が完全勝利し、帝国主義の戦争政策が破綻し、全世界の社会主義勢力・平和勢力が大きく前進した時であった。
また経済的には七三年・七四年のオイルショックに始まる資本主義全般に波及した経済恐慌の中で、帝国主義の危機を労働者階級へ犠牲転嫁し乗り切ろうとする総需要抑制政策に大きく転換する時でもあった。
これに対する労働運動、反独占闘争はヨーロッパの先進資本主義諸国では、それまでにない広範な統一戦線による大きな高揚が見られたが、日本においては、春闘の、その後の連敗に現われているように、それに対する有効な反撃を成し得なかった。これは日本において広範で民主主義的な自立した大衆運動・労働運動が脆弱であったこと、統一闘争、共同行動の努力が充分でなく、むしろ分裂の方向へと流れていったことにその大きな原因がある。特に日本共産党指導部は、何よりも広範な労働者・勤労諸階層の結集を図らなければならない時に、自らの議会主義、セクト主義によって、大衆の運動のエネルギーに党派の利害を対置し、統一労組懇活動に見られるように、運動を一層、分裂、弱体化させており、その責任は重大である。
こうした時期に労青(準)は、それまでの諸先輩の努力と成果の上に立って、下からの労働運動、反独占闘争の構築と広範な青年の統一を呼びかけて結成されたものであり、その意義は非常に深い。
<今日における我々の役割>
べトナム解放闘争から十年を経過した今日において帝国主義は、ソビエトを中心とした社会主義勢力との関係においても、その自らの経済的・構造的危機からしても、相対的かつ絶対的な地位の低下を巻き返そうとすべく、反ソ・軍拡緊張激化政策を露骨に現わし、福祉・教育等、勤労人民の生活全般を切り詰めることによって、その願望を果たそうとしている。「強いアメリカ」「かつての栄光」「戦後政治の総決算」を唱えるレーガン・サッチャー・中曽根政権に代表される、これら共通した帝国主義の新保守主義の路線は、労働者階級の徹底した犠牲の上に成し遂げようとするものであり、日本の労働者階級と我々青年労働者にとって自国の帝国主義に対し、反戦平和と生活防衛・労働運動との結合した闘いを構築しつつ、国際的な反帝・平和の闘いに連帝していくことが十年前よりも増して重要である。
中曽根政権は靖国神社公式参拝、臨教審による教育の反動化など、ファッショ的な反動支配を推し進めると同時に、軍拡・超緊縮政策によって独占の危機を乗り切ろうとしている。臨調・行革に代表される今日の中曽根政権の、こうした政策は、徹底した独占利潤を確保し、労働者階級をはじめ勤労大衆の生活全般を窮乏化させ、さらに、その不満を圧殺するための支配の再編成に外ならない。
我々は、こうした政府・独占の狙いを的確に把握しこれに有効に対応した政策・戦略・戦術を打ち出していくことが早急に求められている。くわえて、こうした攻撃に村し、広範な大衆の結集と反独占の戦線統一を勝ち取っていかなければならない。
<労青(準)10年の総括と運動の基調>
労青(準)の、この十年間は、反独占の青年の統一を目指す大衆的青年同盟建設に向けた共同の準備作業の呼びかけ、組織の建設と定着、そして大衆運動への積極的な貢献を目指した十年であった。これらの闘いは決して容易ではなかったが、それを支えてきたものは全同盟員の粘り強い闘いの姿勢もさることながら、何よりも闘いの基本を大衆運動に依拠し、闘いの展望を科学的、唯物論的な世界観のもと、闘いの展望を見すえた方針の提起のための民主的で粘り強い議論の場を保障してきたこと、さらに常に組織の団結と共闘・統一戦線を追求してきたことに外ならない。今日の政府・独占の攻撃は戦争挑発・緊張激化の政策と労働者階級への徹底した収奪に貫かれており、このことが、逆に統一した大衆闘争の基盤を客観的に増大させている。にもかかわらず日共指導部が大衆運動を放棄し、議会主義・セクト主義に落ち入り、一層、運動を分裂の方向へと流し込んでいることを考えた時、この統一した下からの大衆闘争を構築していく努力が、今、求められている。
我々は労青(準)の闘いの基本姿勢として平和と平和共存、反独占民主主義、労働者階級の生活と権利を守る全ての戦線における大衆運動の前進と、その統一のために最大眼の努力を払うものである。
<今後の組織の発展に向けて>
十年を迎えた今日の組織の現状には、まだまだ残された課題、弱点が存在する。しかし、これを克服するためには、今後においても労青(準)の運動の基調である大衆運動への積極的貢献と戦線の統一に向けた努力の中からしか成し得ない。そして組織の内外において反独占の開いの展望、運動の前進に向けた民主的な議論を推進していくことが極めて重要である。
労青(準)は、この十年間、自らを準備会と位置づけ反独占の青年の統一を呼びかけてきた。しかし今日の情勢は、平和共存・反独占民主主義・統一戦線の形成が十年前よりも一層、現実的な課題として重要となってきたこと、そして、これまでの組織の到達点、大衆闘争における一定の成果を踏まえ、応えていくために全ての闘う青年、組織、グループ、個人と共に全国的な大衆的青年同盟の確立を目指す必磐がある。
我が同盟と同盟員は大衆連動の発展と反独占の青年の統一のため、一層、奪闘するものである