統一会議ニュースNo1 1970年3月25日
【主張】大学改革と学生運動
★中教審公聴会 国民的合意のデッチ上げ
3.28 大阪で反対集会
★東京理科大 ロックアウトはね返し、団交権獲得
【統一会議アピール】 我々の立場と政策
【統一会議アピール】 我々の立場と政策
全国の学友諸君!
自民党政府と財界勢力は、1月中教審答申を発表し、反動的文教政策を大学におしつけ、大学を大企業に奉仕する労働力養成機関として再編成することをもって、大学の「改革」をすりかえようとしている。
我々学生運動の最重要な課題は、これといかに闘うかにある。
3月予定されていた民学同第12回全国大会は、昨年来の大学闘争を正しく総括し、学生運動がその発展のために克服すべき弱点を明らかにし、中教審答申および一連の反動政策と対決する運動方針を確立する任務をもっていた。
同時に、大会はこれまでの意見の相違を民主主義的に克服すべく、その組織原則を守ってその解決をはからねばならなかった。
我々は、第12回大会を成功させるため、全国委員会、全国代表委員会において粘り強く一致点を見出して、それを拡大し、こうした方法で統一草案をねり上げ、暴力を排した民主的討議で、同盟の統一をうち固めるよう、一貫して主張し、又、そのために努力してきた。
残念ながら、それにもかかわらず、一部全国委員は、統一草案作成を拒否し、あくまでも全国委内の形式的多数決に固執し、不当な代議員選出や代表委員会の一方的打ち切りなど同盟の趣意規約をふみにじり、一方的な大会準備と暴力による同盟員の総意と反対意見を封じ込め、最後には直接の暴力さえ用いて過半数に達する代議員の大会参加をさまたげ、その揚げ句に一部代議員のみによる「大会」を強行し、分裂の暴挙に出てしまった。
我々は、こうした一部全国委員の趣意規約の乱暴な蹂躙と暴力による、全国大会など諸機関の機能破壊、私物化というかつてない異常な事態の中で、同盟の趣意規約に基づく五統一大会をかちとるため、あくまでもそれを守って同盟の目的の実現に努力し、責任をもって全組織を指導しうる臨時中央組織として、ここに民主主義学生同盟統一会議を組織した。
我々は、当面する学生運動の課題を次のように考える。
全国的高揚を示した昨年来の大学闘争と安保沖縄闘争は、一方で、その社会的地位を急速に変化させつつある研究者、学生が資本主義体制と今日の大学に対し、鋭い批判をむけていること、他方で研究者や学生の運動が、その勃興期にありがちな自然発生的弱み–闘争目標の不明確さ、一揆主義、運動の浮沈の激しさ–を伴っていることを我々に理解させた。
従って、学生運動が今後正しい発展と統一を実現しうるには、現実が提起する諸問題(とりわけ資本・権力と大学の関係)を、一面的な状況把握による主観的不安、動揺、焦燥、「実感」などで解決しようとする態度を改めなければならない。
科学的政策と大衆的戦術の下に学生大衆を結集し、その上に学内外の広範な各階層、とりわけ労働者階級と連帯する方向で運動をすすめてこそ、つまり結局は、その力を政府と反動勢力に集中しうる反独占改革の政策によってこそ、学生運動の正しい発展をかちとりうるだろう。
しかし、昨年来の大学闘争で、封鎖–封鎖実力解除の”内ゲバ”に終始したり、「11月決戦」と称して、学園における粘り強い闘争を放棄しながら街頭での少人数の小児病的一揆主義の行動に走り、その結果、権力の組織的系統的な攻撃を許した残念な事態に表現されるように、日本学生運動が、今でも根強くもっている偏向、情勢の主観的判断にもとづく学生党的政治主義と大衆の利益を党派の利害に従属させるセクト主義が、学生の戦闘的エネルギーを浪費させている。
我が同盟は、その発足以来一貫して、この悪しき変更と闘ってきたが、昨年来、同盟内に発生した偏向は、残念ながら、これと同種の病である。
それは、各大学でいかに学生全体を決起させ、その運動を統一するかよりも、他党派と対抗して”我が派の集会”へ何名多く動員するかに主要な関心を払うセクト主義、街頭決戦主義であり、学内での浮き上がり、孤立の反映でもある。最近各大学内の統一闘争を経済主義として非難し軽視しているのは、彼らが学内で統一政策を実行し、学生大衆と結合する能力のなさの証拠とも言える。
更に、政策におけるセクト主義は自身の喪失による組織のひきまわし、私物化、官僚主義をもたらし、意見対立の民主主義的解決を著しくさまたげた。
一部全国委員は政策上の意見相違を解決する確信がもてず組織上の問題にすり替え、説得と納得にもとづく行動の統一の努力を放棄し、形式的なそれも、1,2票差という多数決の繰り返しで、機関を私物化し、それさえ不可能になるや、ある場合には、当面の方針の相違を理由に、新規加盟拒否や不当な権利制限などにより趣意規約を蹂躙して少数意見の組織的排除を行い、ある場合には、委員長を先頭に暴力を振るい、反省もせずに、反対意見を封じ込め、思想闘争の権利と民主的討議の基礎を破壊してきた。
それは、我が国の歴史が示す、前衛党内にくりかえし見られた少ブル的セクト主義の悪しき輸入であり、ミニ再生産である。
我々は、同盟の趣意規約にもとづく統一政策をもって、同盟の隊列からこのような悪しき風潮を一掃し、同盟の民主的再建をかちとるため、粘り強く闘うことを全国学友並びに支持者諸氏に誓うものである。
我々は、当面以下の方針の下に闘う。
1、大学から研究と専門性を抜き取り、目的別職業訓練所を企む”一般大学構想”に反対する。
1、一般教育の切り捨てに反対し、高校教育の蒸し返しに類する現行の「一般教育」の科学的民主的改革をめざし、全学年を通した科学と民主主義の精神に貫かれた一般教育確立のために闘う。
1、大学の上に財界、公安関係者の参加を予定している中教審答申における”大学理事会”の設置は、真理探究を生命とする大学の自殺行為である。我々は、全力をあげて、その阻止のために闘う。
我々は、、政府・自民党がそれをあえて法案化して国会に上程する場合には、全学的全国的ストライキで闘うことをよびかける。
1、私学における理事会の存在は、財界・公安関係者の大学自治への干渉を拡大しつつあり、中教審構想は、それを国公立大学に波及せんとするものであり、我々は私学における理事会からの大学の独立のために闘う。
1、資本と大学の私的結合をもたらす「産学協同」に反対し、その実態の公開のために闘う。
1、中教審ペースの「改革」や大学当局のなしくずし的な改革「消滅」に反対し、公開・批判の自由、学生の民主的諸権利拡大のために闘う。
1、受益者負担主義の押し付けや、「大学株式会社」化に反対し、大学関係予算の大幅拡充、大学財政の公開とその民主的運用のために闘う。
〇国庫負担による奨学金の貸与額・貸与幅の大幅引き上げ、拡大を要求する。
1、学内における学生の自主的民主的活動の自由–政治活動、思想宣伝活動、自治会活動、各種委員会、サークル・研究会・自主ゼミナール、自主講座の活動、タテ看掲示などの自由を守り、その拡大のために闘う。
それら自主的民主的活動への補助金を大学予算から支給させるために闘う。
〇学内の厚生施設・寮・学生ホール・診療所・食堂・生協の拡充とその自主的民主的運営の拡大をめざして闘う。
それらへの必要な予算の拡充のために闘う。
1、私学授業料の法外な高さは、我が国の貧困な文教政策の集中的なあらわれである。
我々は、予定されている私学授業料値上げに反対し、国費の援助で、現水準を国公立大学並みへ引き下げることを要求し、学内全階層と連帯した全国的闘争として闘う。
1、以上のスローガンの下に、教職員・若手研究員、大学院学生、青年医師の運動との統合を進め、さらに、日教組、総評など労働者階級・勤労諸階層との連帯を求める。
1、日米共同声明に反映されている日本政府の自衛力強化、独自核武装への接近、対社会主義敵視政策など、好戦的外交政策に反対し、平和共存政策への転換のために闘い、労働者階級を中心とする全民主勢力との統一をめざす。
1、ベトナムからの米軍の即時全面撤退を要求し、カンボジアへの戦争拡大、ラオスへの米軍介入に反対する。
1、安保条約を破棄し、沖縄の核基地撤去、即時無条件全面返還実現のために闘う。
1、日本政府の核防条約無条件批准を要求する。
1、第4次防など自衛力強化の一切の策動に反対する。
1、当面、4.28沖縄デー、6.23反安保統一闘争を、クラス・学園の統一を基礎に総評など労働者階級と連帯し、大衆的に闘う。
1、以上の闘争を大衆的に闘う中で、現在弱体化ないしは破壊されている自治会を再建し、今春選挙で、大学の反独占民主改革のために闘う執行部の確立をめざす。
全ての民主的学友が、民学同統一会議の下に結集し、われわれと手を結んで、ともに闘われることを訴える。
1970年3月15日
民主主義学生同盟第12回大会 代議員多数