青年の旗 1980年11月1日 第45号

青年の旗 1980年11月1日 第45号

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【主張】 労働青年同盟(準)アピール 結成五周年にあたり訴える

全国の青年労働者諸君!
わが労働青年同盟準備会は、本年十月十二日をもって、結成五周年を迎えた。一九七五年大阪の地で産ぶ声をあげた労音(準)は、東京・大阪は勿論、静岡・長野・新潟・愛知・広島にその組織を建設し、今や全国的なものになりつつある。
日本帝国主義が、露骨に軍国主義と反動化の道を歩みつつある現在、すべての青年労働者が平和共存・反独占民主主義・平和民主労働運動の統一の旗の下、労青に結集されんことを、結成五周年にあたり強く訴えるものである。


ダブル選挙で「予期せぬ大勝」を収めた自民党・政府は、反社会主義・軍国主義への道をはっきりと歩み始めている。「北方領土」問題やアフガン問題を口実にありもしない「ソ連の脅威」を煽り、「国を守る気概」をうえつけようとする一方、改憲論議に自ら火をつけ、自衛隊に対する海外派兵禁止などの制約を取り払おうとしている。そして予算面では、中期業務見積りの早期達成を企み、対GNP比一%にまで軍事費を押し上げようとしている。
日本帝国主義は、相対的に地位を低下させているアメリカ帝国主義にとってかわり、アジア・太平洋地域における盟主として、穂極的にその肩代わりを買って出ているのである。


しかし、この日本帝国主義の野望も成功は収めないだろう。イラン問題でもアフガン問題でもカーターのヒステリックな制裁論に西欧諸国が決して同調しなかったように、現実主義的な政治家は、ソ連をはじめとする社会主義との平和共存によってしか、資本主義の活路は見い出しえないことを承知しているのである。
とりわけ、非資源・貿易立国である日本の進路は、対ソ友好・経済協力の拡大にしかないことは、衆目の一致する所であるにもかかわらず自民党・政府はあえて反ソ冷戦外交を押し通しているのである。それどころか、増税と公共料金の値上げ、教育・福祉予算の削減、「行革」に名をかりた首切り合理化等の大衆収奪で、国際競争にうち勝ち、その余剰を経済の軍事化にまわし、軍事産業を育成拡大し、政治的・経済的は勿論、軍事的にも「大国」たらんと策しているのである。


日本の独占・政府は、明らかに労働者階級の力をみくびっている。自民党の支持基般皿は長期低落傾向にあるにもかかわらず、春闘四連敗や労戦統一にあらわれた野党・革新側の弱点を最大限利用し、逆に攻勢に出ているのである。
我々労働者階級は早刻自らの欠点を正さねばならない。「北方領土」「チェコ」「アフガン」問題が起こると、「ソ連脅威」論に乗せられて自衛権を主張し始め、スタグフレーションが発生すると総需要抑制政策に同調し、不況が深刻になると「賃上げか首切りか」の脅しに屈し、仲間の首切りを黙認するという弱点-つまり、企業を守る、国を守るという超階級主義・民族主義に毒されているのである。
又、軍国主義との闘争が急務になっている時に、反軍国主義の一点で広範な大衆を結集することを放棄して、安保廃棄か存続かを踏み絵に運動を分裂させていくセクト主義が、わが国の諸運動には根強いのである。
とりわけ、前衛であるべき日本共産党(代々木)と民青が、自らも民族主義とセクト主義に毒され、他の野党・革新勢力を統一する方向ではなく、批判攻撃することにのみ躍起となっていることは、独占・自民党を大いに利することになっている。


そのような情勢の中で、わが労青(準)は、一貫して平和共存・反独占民主主義、国際連帯と諸運動の統一の族を掲げ続けてきた。
平和運動の分野では、新ストックホルム・アピールから国連軍縮特別総会・軍縮フォーラムそして今年ソフィアで開かれた世界人民平和議会へと、代表派遣を含むあらゆる形態で、平和と軍縮をめぎす全国達絡会に結集して闘ってきた。
労働運動の分野では、まだまだ力少なりといえども、大阪においては解放教育や主任制反対闘争の先進的役割を果しており、自治労においても合理化攻撃と対決し、解放行政はじめ福祉行政を推進する大きな力となりつつある。
我々は、今後も職場を拠点に、労働者階級の要求の先頭に立って闘っていくと共に、同じ志をもっておられる諸組織・個人とも固く手を結び合っていきたいと考えている。
労働青年同盟は、一党派の私有物であってはならない。民主的で戦闘的な広範な青年労働者の共有財産となるべきである。
我々は、労青(準)を強化・拡大するが、同時にあくまでも統一を追求し、いかなる努力も惜しまぬ決意である。

全国の青年労働者諸君!共に闘おう!

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