【主張】第14回大会を成功させ、民学同の飛躍的発展を(「デモクラート」62号)
第14回同盟全国大会は、学費闘争の燃えあがる炎に明らかなように、日本学生運動が大きく発展しようとし、全国学友が我が同盟の新たな前進に熱意を持って注目し 、それに応える全同志の意気盛んな活動の雰囲気の中で開かれようとしている。
第13回同盟全国大会以降一年間、我々は、平和と民主主義、学生運動の統一と発展をめざす闘いの中で、数々の成果を勝ちとったことを確認することができる。
同時に大会は、資本主義の全般的危機が新たな局面に突入し、階級闘争の激しい高揚の時代を迎えようとする時に開かれようとしている。恐慌下において、労働者階級の不満は増大し春闘を中心に闘う労働者階級の闘いは青年労働者を中心とした戦闘的な闘争を創出しながらも、政府独占の露骨な攻撃と、日共(代々木派)に代表される政治指導都の弱さの中で大きな試練に立たされている。
学生運動のみならず、反独占勢力の一翼を担う我が同盟の発展はいつにも増して重要であり、今大会において獲得される政策に基づく闘いを通じて、学生運動の飛躍的前進へ大きく貢献しなければならない。
今大会において、とりわけ以下の方針に十分な検討と全同志の努力をかたむける必要がある。それは第一に国公私学学費値上げが予定される現在、学費闘争の方針を確立することである。第二に、原水禁運動の無原則的統一が再び活発となり、日本平和運動が国際的に克ち取られた諸成果を正しく継承して闘えていない現在、学生平和運動の強力な一翼を担うための方針を確立することである。
この一年間の民学同の活動とその間の内外の諸情勢の 発展は、前大会の決議の基本的な正しさとそのうえに立った民学同の組織的活動の一層の強化の必要性を示している。
第十四回全国大会の最も重要な意義は、中央委員会から提起される「組織活動強化に関する特別決議」を採択し、全同盟員が中央委員会の旗の下に固く団結して、情勢の発展が要求する新たな政治的組織的任務の目覚に基づき、その解決へ前進するための不屈の組織活動を展開する共通の意志を確認することにある。
第十三回全国大会は、民学同の十年間の活動を総括しそのうえに立って、青年同盟の結成の意義を大会決議のなかで確認した。この大会決議と大会の成功は、多くの民学同OBとそのまわりに結集した労働青年を鼓舞し、大いに勇気づけるところとなった。十三回大会以降この一年間に民学同とそOB、およびそのまわりに結集する青年労働者との結合は新たな前進をかちとり、一定の有機的関係を確立するに至っている。
その結果、機関紙「デモクラート」の編集体制の確立と強化、定期的発行体制の実現、紙面の画期的な充実とそれによる理論的思想的政策的指導力の画期的増大、配布網の拡大と読者層の著しい増大という画期的成果が生み出されている。平和運動の分野では「デモクラート」を通じて、平和共存と完全軍縮のための国際主義的路線を系統的に宣伝し、平和に対する確信とそのための行動の重要性を一貫して訴え青年労働者、学生層に定着させてきた。O・Bの協力を得て飛躍的に増大した平和運動分野における活動の強化は、大衆行動の分野にも発展し、日本における平和共存と完全軍縮への前進に寄与し、平和運動と原水禁運動の原則的統一に、その路線と改革に少なからぬ現実的影響力をもつにまで至っている。
われわれは、理論的思想的活動の領域においても研究会活動を強化し、とりわけ大阪学生唯物論研究会の活動を画期的に強化することに貢献した。それは、今日までマルクス主義の原則性と党派性の擁護、確立の旗の下に精力的な活動を展開してきた大阪唯物論研究会の全面的援助と指導の下に実現された。そのことを通じて理論的関心と水準を不断に高め、古典を研究し、実践から提起される理論的諸問題に真剣にとりくみ、反動イデオロギーと種々の色あいの修正主義との非和解的闘争を展開していく基礎をうちかためることができた。
民学同の第十二回大会で確立された甲央委員会の指導力は、この一年間さらに強化された。それはいま明らかにした成果とともに、この一年聞の大衆的で戦闘的な運動を各戦線、各大学で展開することができたことの中に端的に示されている。原水禁世界大会において、モスクワ平和勢力世界大会で確認された基本路線に立った首尾一貫した活動、原水禁運動の原則的統一のための精力的な闘争を展開したこと、東理大、東洋大、関大、奈良女大等において広汎で強カな学費学園闘争を組織し、多大の成果を収めたこと、狭山差別裁判に反対し、司法の反動化と日共の解同主要打撃論に抗して石川氏の完全無罪と即時釈放をかちとるための闘争を学生部隊として最も原則的大衆的に展開したこと、市大工学学都における3.16闘争を完全勝利へ導いたこと、阪大におけるAF-2闘争の開始と前進等がそれである。
われわれは、われわれの運動と組織活動の正しさ、われわれの方針の正しさとその現実的力に確信をもって新しい前進をかちとらなければならない。また実践的活動を通じて得られたわれわれの確信、闘争への意欲、決意は、理論的・思想的活動の一層の強化によって真のものとされなければならない。このことは現在、いくら強調しても強調しすぎることはない。危機の到来とその下で大量の修正主義、日和見主義が発生し、われわれの内部に入りこんでいるとき、それはより一層の重要性を与えられているのである。資本主義世界は「全般的危機の新しい局面」に入った。過剰生産恐慌の頻発とその著しい深刻化、その下でのとどまるところを知らないインフレーンョン、慢性的な国際通貨危機、「エネルギー危磯」、帝国主義の発展途上国にたいする搾取支配体制の危機、貿易戦争のかつてない激化、これらの全世界的な同時的進行、などによって戦後の国独資の体制は根底から揺がされ、社会的階級的矛盾は、かつてなく激化している。日本資本主義もその例外ではない。この危機からの根本的な出口は「社会主義革命以外にはない」のであって、日本における階級闘争の発展、労働運動、人民運動の真の前進なしに、この危機からの我が国だけに特殊な「活路」がある、と考えることは全く幻想であるだけでなく、社会階層的矛盾を隠蔽し、階級闘争を放棄し、労働者階級に独占資本に対する「小さな改良、まだるっこい危機対策」での妥協と屈服を説く点で最も犯罪的である。
日本の労働者階級の七五年春闘は、客観的情勢のかつてない厳しさとその下での支配階級の攻撃に加えて、自らの指導部の政策的立ち遅れと根本的な誤り—-議会主義、改良主義、卑俗な経済主義と労働組合主義によって異常に困難な決態におかれている。学生運動もこのような困難と無関係ではありえない。民青とそれを指導する共産党が、議会主義、選挙第一主義、改良主義、民族主義におちいり、支配階級とその政府との政治的対決、深刻で激しい政治闘争の提起、広汎で大衆的な全国闘争の組織を一貫して回避していることは、学生運動においても本格的で大衆的な全国的政治闘争を組織することを著しく困難にしている。この一年間このような傾向は、ますます進行し学生大衆の遅れた部分に追随する日和見主義、身近な諸要求主義、卑俗な経済主義を学生運動の根深い誤りとして募延させている。こうした困難に拝脆し、あるいは無関心になり、社会変革と徹底した民主主義のための闘争を目的意識的に、粘り強く大胆に提起して組総することを放棄して、民学同の活動をサークル活動や学習会運動、狭い限定された実践的活動のみに解消する誤まった右翼日和見主義傾向は組織活動の面では、下部の班活動を解体し、分散主義と民主集中的指導に対する「批判の自由」の要求となって現れ、理論的思想的活動の分野では、修正主義思想との非和解的な闘争を回避し、調停するという無条件に誤った考えとなって現れている。だが、「ただ近視眼的な人間だけが、党内論争や、色あいの厳密な区別だてを時宜に適さないとか、無用なことだとか考えることができる」(何をなすべきか)のであって、われわれはこのような誤りを断固として克服して、民学同の組織活動を強化する必要に迫られている。今日のかつてなく困難できびしい客観的、主体的条件が民宇同の組織活動の強化とそれに基づく政治的指導力の画期的な強化を要要請している。
組織活動の強化、それは決っして官僚主義的な組織の締め付けや行政的組織運営を意昧しない。それは、原則的な理論と政策によって、全同盟員のそれへの確信によって真に有効なものとなり、組織活動の強化が達成されるのである。
全国の同盟員諸君!第十四回全国大会で、流行の日和見主義、改良主義ときっばりと手を切り、組織活動に関する特別決議を全員一致で採択し、民学同の隊列をうち固めよう! 中央委員会の旗の下に固く団結し、不屈の学生同盟を建設しよう!
※太字強調は、佐野秀夫によるもの。