組織活動強化に関する決議案 (デモクラートNo63)

デモクラート 第63号  1975年4月1日

組織活動強化に関する決議(案)
 民主主義学生同盟中央委員会常任委員会

組織活動強化決議(案) デモクラート No63

組織活動強化決議(案)
デモクラート No63

 
 この決議案は、日本学生運動の発展と統一のために、更に反独占勢力の前進に貢献するために、わが同盟の飛躍的強化の基本的原則的立場を明らかにしたものである。この決議案を基礎に組織活動を強化し、第14回同盟全国大会の圧倒的成功を全同志一丸となってかちとろう。この決議案は、3月16日の常任委員会で全員一致で決定された。 
 

 第十三回大会において、われわれが民学同の十年間の活動を総括し、その上にたって青年同盟の結成の意義について確認してから、一年間が経過した。この一年間の民学同の活動及びその間の諸情勢の発展は、前大会の決議の基本的な正しさと、その上にたった民学同の組織的活動の一層の強化の必要性を示している。
 この一年間に、民学同とそのO・B及びその周辺にある青年労働者との結合は、新しい発展をかちとり、一定の有機的関係を確立するにいたった。それは民学同の政策的組織的基礎をきわめて強固な不動のものとした。機関紙『デモクラート』は、O・Bの指導と協カを得て、編集体制の確立と強化、紙面の画期的な充実、定期的発行体制の実現、配布網と読者の著しい拡大を達成した。とりわけ、労働運動、国際事情と平和運動、経済分析、思想的文化的分野、等における紙面の充実は、機関紙とそれに基く同盟の政策的思想的指導力を画期的に向上させた。それは、日々同盟員とO・Bの日常的活動を活気づけ、青年労働者の一定の部分の間で、民学同への関心と期待を呼び起すようになった。
 平和運動においては、民学同O・Bの協力をえた政策的、理論的活動は、機関紙『デモクラート』を通して、新聞『日本のこえ』、雑誌『新世界ノート』、『知識と労働』等とならんで、平和共存と完全軍縮の為の国際主義的路線を系統的かつ広範にアピールし、平和に対する確信とそのための行動の重要性を学生、青年層に定着させてきた。さらに、同盟によって指導される国際主義の原則に基づく平和のための大衆行動は、青年労働者、知識人の連帯を獲得し、とりわけ、モスクワ平和勢力世界大会の諸成果を日本の現状へ具体化し、日本で真の国際主義にたった平和運動を組織するために、モスクワ大会に参加したわが同盟の代表者を先頭として、平和共存と核軍縮への前進に寄与し、我が国の平和運動、原水禁運動の路線と政策に、とくにその組織統一問題の原則的な解決をかちとる上で少なからぬ現実的影響を与えるほどに力強く発展してきた。
 われわれは、理論的思想的活動の領域においても、同盟O・Bたちとのしっかりした結合をうちかため、彼らの指導と協力によって、各大学の研究会活動を強化し、とりわけ、大阪学生唯物論研究会の活動を画期的に強化した。大阪学生唯研は大阪唯物論研究会の全面的援助と指導の下に、この一年間継続して毎週一回の入門講座を開催した。学生唯研は、マルクス主義と唯物論の原則性と党派性の確立の旗の下に展開されてきた大阪唯研の輝かしい伝統と理論的成果に導かれ、理論的関心と理論水準を不断に高め、古典を研究し、実践が提起する理論的諸問題に真剣にとりくみ、反動イデオロギーや修正主義との非和解的思想闘争を展開するための基本レールを、この一年間の活動を通して、敷くことができた。
 これらの諸達成は、青年同盟の結成へ向かっての力強い前進であり基礎がためである。それは、着実な第一歩がすでに踏み出されたことを示すものである。それは、近い将来の青年同盟の結成のための確実な保障となるものである。それゆえ学生同盟に固有の任務を果たすことによる民学同の学生同盟としての独自的強化と発展を今日かちとることなしに、明日の青年同盟の結成と強力な発展を獲得することはできない。
 青年同盟結成の必要性を力説するわれわれの主張は、学生運動と労働運動の連帯と統一、民主主義の徹底と根本的な社会変革をめざす学生の活動と青年労働者の活動の有機的結合、そこにおける労働者階級の政治的ヘゲモニーの貫徹を目的意識的に追求するものである。それは、学生同盟の発展と、その独自的活動の任務を青年同盟の結成へ依存させたり、解消させたりする見解とは全く無縁でありあいいれないものである。また、それは学生の孤立した「政治活動」を主張するエリート主義や一揆主義とは根本的に相反するものであり、それを必然的に助長しまた生み出す一源泉としての、労働者階級の政治的任務の否定論や、組合主義的経済主義、また労働者階級政党の任務の一貫した回避を徹底的に批判するものである。だから、われわれは、狭隘な特殊な関心に基く学生同盟のひきまわしに抗して、また政党の任務の同盟への押しつけと解消に抗して、一貫して闘わねばならない。


 資本主義世界は、全般的危機の「新しい局面」に入った。過剰生産恐慌の頻発とその著しい深刻化、その下でのとどまるところをしらないインフレーション、慢性的な国際通貨危機、 「エネルギー危機」、帝国主義の途上国にたいする搾取支配体制の危機、資源をもたない発展途上国の深刻な構造的危機、貿易戦争のかつてない激化これらの全世界的な同時的な進行、勤労者の精神的文化的・社会欲求の増大と、その実現との一層の乖離、などによって戦後の国独資の体制は根本から揺るがされ、社会的階級的矛盾はかつてなく激化している。全世界の労働運動が共通して主張しているように、 危機はそれの内容をなす総ての環の構造的な連関においてとらえなければならないのであり、この危機からの根本的な「出口」は、「社会主義革命以外にはない」。日本における階級闘争の発展、労働運動・人民運動の真の前進なしに、危機からのわが国だけに特殊な「活路」があるかに考えるのは、全くの幻想である。
 日本資本主義は、戦後最大の過剰生産恐慌におちいっている。鉱工業生産指数のおちこみはかつてねく長期にわたり、総ての生産部門をとらえ、その進行はかつてなく加速度をつけ、その深さは戦後最大である。完全失業者は、政府の作為的な統計によっても、一二〇万を越えている。その実数は数倍におよぶと考えなければならない。解雇、一時帰休、時間短縮、賃金カット等による資本の攻撃は労働者をおびやかしている。インフレによる大衆収奪と結びついて実質賃金の低下と絶対的窮乏化の進行は否定しがたいものとなっている。新規採用の取消、ストップ、初任給の抑制等、雇用条件の急激な悪化は、学生と青年の未来をおびやかしている。中小企業の倒産の激発は、労働者階級のみならず、中小の資本家階級をおびやかし、小所有者の全体をかつてなく不安に陥れている。
 労働運動と人民運動は、六〇年代の「高成長」の時代とは本質的に異なった、きびしい諸条件の下で闘われようとしている。独占資本とその政府は、一体となって先制攻撃を加え、恐慌の犠牲を労働者階級の上に集中しようとしている。春闘にたいする彼らの政策はインフレ抑制のみせかけのもとに賃金の抑制と切下げを敢行することを主要な攻撃目標としている。統一地方選挙にたいする彼らの政策は、基本的に中央政府と資本による地方財政の食いつぶしが生み出した地方財政の危機を、公務員労働者への攻撃とその犠牲によって、また同和対策と福祉政策の犠牲によって切り抜けることに重点をおいている。公務員労働者に民間労働者をけしかけることをはじめ人民内部の対立と分裂を煽動するデマゴギーが動員されている。
 しかし恐慌の深化は、同時に、その犠牲の分担をめぐる支配階級の内部の諸矛盾、独占と非独占の間の、および独占内部の矛盾をいちじるしく激化させている。金融引締めか緩和か、どの部門とどの独占体への緩和かをめぐって、また、総資本の利害と個別独占資本の利害が鋭く対立する「独禁法」改正をめぐって、支配層の諸分派の対立と闘争が深化している。支配階級は、選挙民の自民党からの大量的離反をともかくもくい止めるために、少数派閥出身の「クリーン三木」を総裁の座にすえることによって、かろうじて保守党の統一を保っている。革新陣営が田中内閣に対する攻撃を単なる”金脈”の追及と批判に終らせたがために、支配階級はその圧力を自民党の粛党運動に収飲させることによって、かろうじて政府与党の分裂をくいとめることができたのである。しかし、このような情勢のなかで、自民党内部の抗争は、深刻化の一途をたどっている。三木は、まったくの飾りものにすぎない浮き上がった存在であり、自民党の諸機関とそれを牛耳る各派閥領袖の勢力均衡によって実質的な操作を受けている。三木が国民大衆を操作するためのマヌーバーとして提起する口約束は、独占と支配階級の露骨な利害要求によって、すべて骨抜きにされようとしている。三木は、いまのところ「革新」陣営の議会主義的幻想とそれに基づく内部抗争と、危機感による財界の「統一歩調」によって救われている。しかし、激化する支配階級内部の対立と分岐は、恐慌の犠牲の転嫁に対する労働者階級を先頭とする人民の統一された大衆的闘争が、独占の総需要抑制政策、恐慌を利用した人民の生活水準の切下げ政策にたいして、真正面から対決する時には、必ずや顕在化し、自民党による政治的支配の危機を生み出さずにはおかない。
 いまこそ労働者階級と人民大衆は、雇用の保障と増大、それに必要な拡大政策への転換、一系列の反恐慌政策の実現を掲げて闘うことが必要である。そのためには、独占の利益の制限と削減、系統的な国有化と民主的統制のみならず、それとあわせて反独占人民政府の樹立を提起して闘うことが不可欠である。しかし、共産党は、これまでからの民族主義と議会主義=選挙第一主義に基く改良主義の誤りの上に「政策不況」論に立って恐慌の現状認識を意図的に回避し、日本資本主義の矛盾の深刻さを隠ぺいしている。社会主義政党の中には、循環局面と経済政策に関する科学的具体的分析の欠如から政策的動揺と混乱が根強く存在している。労働者階級の七五年春闘は、客観的情勢のかつてないきびしさと、その下での支配階級の攻撃に加えて、自らの指導部の政策的立ちおくれと根本的な誤謬により、異常に困難な状態におかれている。
 日本の労働運動と人民運動は新しい試練にかけられているのである。労働者階級とその思想的、理論的指導者の革命的で戦闘的な最良の分子の結集した力が、根本的な反独占政策の確立とそれに基づく広範な統一戦線結成への手がかりを一刻も早く見出だすべく、目的意識的な活動を集中することは、大衆運動と日本の社会的発展の客観的な要請である。


 民青とそれを指導する共産党が議会主義=選挙第一主義、改良主義に陥り、支配階級とその政府との政治的対決、深刻で激しい政治闘争の提起、広範で大衆的な全国闘争の組織を一貫して回避していることは、学生運動においても、本格的な大衆的政治闘争を組織することを著しく困難にしている。このような傾向は、ごの一年間にますます進行し、学生大衆の遅れた部分へ追随する日和見主義、身近な諸要求主義、卑俗な経済主義を、学生運動の根深い誤りとして夢延させている。
 日本労働運動に根深く作用している経済闘争の政治闘争からの切り離し、全国民的政治的課題の組合運動の課題への解消などの誤った方針は、労働者階級が広範な人民大衆と連帯して、自らの生活の諸条件を防衛し、改善するための闘争を、根本的な社会変革の展望と結合して闘い抜くことを防げている。
 この数年来、これらの条件は、かつてのベトナム闘争、安保闘争、大学闘争、沖縄闘争などにおいて見られたような広範な大衆的学生運動の政治的高揚を困難にしている基本的条件のーつである。
 極端なインフレーションの進行、恐慌の進行、それらによる勤労諸階級の絶対的窮乏化は、学生の生活諸条件を根底から破壊しようとしている。私学の莫大な学費はすべて事実上勤労諸階級の大衆の子弟の上に耐え離いまでの負担となってのしかかっている。六〇年代末の全国学園闘争以降急速に進行した大学の反動化とそのしめつけの重圧は、学生大衆の自由な思想的政治的成長を著しく妨げている。このような条件のもとでは学生生活の物質的諸条件の極端な悪化は、一方では学生運動の発展の客観的基礎を拡大すると同時に、他方では学生の政治的理論的な視野を著しく狭隘なものにし、社会変革と民主主蕊の徹底した発展への確信ある展望を形成することを著しく妨げるものとなっている。非合理主義と反動イデオロギーの支配的影響下に誕生したニューレフトの諸潮流といわゆる「トロツキズム」の諸党派は、支配階緞とその政府との政治的な対決点を見出せず、変革の客観的・具体的方針を提起し得ていない。彼らはこの一年間にこれまでからの根本的に誤った傾向を極端なまでに押し進めた。部落解放運動の利用主義(「解同かくれみの路線」)、陰惨で残虐な内ゲバとテロ活動の日常化、爆破活動の頻発は、彼らの活動の主要な形態になっている。彼らの誤謬の国家権力による利用は、アナーキズム的傾向のなかからファシズム的傾向が成長してくる危険な徴候を示している。
 今日ほど民学同の組織活動を強化する必要性が強まっている時はない。そのためには全同盟員が指導部のまわりに固く結集して全機関、全同盟員が一体となった有機的活動を展開しなければならない。
 これまでのわれわれの活励は、中央指導部の強固な指導力をすでに確立している。この指導部の力を同盟全体のものとして生かし、同盟の組織活動の全体を真に戦闘的な組織にふさわしいものにするためには、民主集中制の原則を断固として強化しなければならない。われわれは小ブル的、傍観者的な動揺と無責任とをあらわすサークル主義やサロン主義の潮流からきっぱりと手を切らなければならない。
 今日の、かつてなく困難できびしい客観的・主体的諸条件が民学同の組織的活動強化とそれに基く大衆的な政治的指導力の画期的な強化を要請している。われわれは困難な諸条件や誤った政治的指導が学生の中に持ちこむ停滞したムードやペシミズム、その裏返しとしての主観的はねあがりに抗して、表面的な現象に幻惑され、あるいは大衆の遅れた意識に迎合することなく、それらの背後にある真の大衆的要求とその基礎にある変革の客観的な諸条件に基いて、真に広範で戦闘的な大衆的学生運動を組織し、指導しなければならない。
 われわれは、それを基礎として、そのうえにたって闊うことのできる足場をわれわれの闘争の成果としてすでに獲得している。この一年間に学生運動に闘争課題として提起された重要な問題のすべてについて、われわれは着実な、現在の条件の下では誇るに足る前進をとげ、確固たる橋頭堡を築いている。
 昨年の被爆29周年原水禁大会において、民学同とのO・Bおよび青年労鋤者によって構成されたわれわれの代表団は、原水禁運励の原則的統一の路線を確立する一っの原動力になった。共産党と原水協が反ソ民族主義に転落し、それを一層深めている現在、モスクワ平和勢力世界大会の成果とその基本線に従って首尾一貫した活動を展開した部隊は、「日本のこえ」を含む数少ない人々とわれわれの代表団だけであった。
 この部隊の大会での活動と努力は、核防批准、全面核停の実現、アジア集団安保体制の達成、独自核武装阻止、被爆者援護法の制定の正しい方針を大会決議のなかに一定限度盛りこませる成果をあげた。平和パンフレット発行の活動をふくめてわれわれは今後この方向を一貫して追求していかなければならない。
 今年の三・一ピキニデーの統一集会は、一面において「統一行動が分裂を深める」という共産党の従来の主張が世論によって否定されたということを示すものである。しかし、そのスローガンが核兵器「全面禁止」にのみ限定されたことは、運動方針の抽象化でありまた共産党の主張してきた「拒否権」が「満場一致」方式として承認されたことは、排除の論理への屈服に他ならない。これを原則的統一への突破口と考えたり、運動の統一への一歩と考えたりするのは全くの幻想である。われわれは具体的で現実的なスローガンにもとづく統一行動をつみ上げることにより、この運動の原則的統一のために闘わねばならない。
 理科大、関大、奈良女大等で特に強力に押しすすめられた学費闘争は、各大学で広範な大衆運動を構築し、多大の成果を収めただけでなく、一定の全国的な影響力を発揮しえた。理科大、東洋大、関大等の私学のモデル的大学でかちとられた大衆的な高揚は、全国の戦闘的で良識ある学生の勇気を鼓舞すると同時に、支配階級の私学政策にたいし一定の打撃を加えるものであった。われわれは、私立大学、国公立大学の系統的な学費値上げの大波を前にして上記の大学でたたかわれた闘争の教訓を生かし、学費値上げ反対闘争の全国化と私立、国公立の統一した反対闘争の組織化に全力を傾注しなければならない。
 狭山闘争は、石川氏の完全無罪判決と即時釈放をかちとるための闘争であるだけでなく、部落解放運動にたいする官憲の弾圧と司法の反動化の傾向にたいして反撃を加えるものであった。それはまた同時に日本共産党の解同主要打撃論(「解同とたたかうかどうかが革新の試金石」)にたいして痛撃を加えるものであった。われわれは部落解放運動の原則的で正しい発展と強化のために今後一貫して努力を傾注しなければならない。
 AF2閾争が開始されたことは、環境変異原AF2がもつ現在と未来の国民と人類の健康に及ぼす致命的な影響力を明らかにし、その開発に数学部(医・工・薬・基礎工等)にわたる研究陣が系統的に参加した阪大の研究体制の責任、および国家行政当局(厚生省)と製薬資本(上野製薬)と食品加工産業、大学研究機関との密接な結合関係を批判するものとして、きわめて大きな先駆的意義をもっている。ようやく戦端が開かれ、本格的蹄争にはいろうとしているこの闘争に対して、われわれはすでにかちとられた消費者運動、研究者運動との連帯を強化しながら、大学闘争の継続と新しい発展としてこの闘争を強力に展開し、75年の大衆闘争の成果として結実させ、同時にAF2類似物質(環境変異原)の禁止への足がかりとしなければならない。
 「デモクラート」の定期的発行はすでに獲得されている。それによって各同盟員の組織的・実践的活動にたいしては、現実的で具体的な方針の提起と政治的指導が確固として保障されている。われわれは各同盟員一人一人の努力によって機関紙を真の意味における宣伝者、扇動者、組織者として活用するようにしなければならない。各支部の活動の機関紙への集中と、各支部の配布集金体制等の面での抜本的な改善が、今年の課題として各同盟員にたいして提起されているのである。
 われわれは、結成趣意において、平和と平和共存、反独占民主改革のための闘争をおしすすめるうえで系統的で具体的な方針をもち、規約の民主集中制の原則において、そのための組織活動の保障をもっている。わが同盟からその基礎にある強固な世界観的一致、思想的統一性を意識的に排除し、抜きとり、民学同の活動を単にあれこれの「具体的」な問題や特定の局面における部分的で一時的な意見の一致にのみ基く「統一戦線」的活動、あるいは、雑多な思想をもつ「活動家集団」の水準にまで引き下げるものは、民学同の組織を内部からほりくずし、組織解体を招来するものである。
 われわれは、われわれの運動と組織活動の正しさ、われわれの方針の正しさとその現実的な力に確信をもって新しい前進をかちとらなければならない。組織的実践的活動を通じて得られたわれわれの確信、闘争への意欲と決意は、思想的理論的活動の一層の強化によって真のものとされなければならない。古典的諸著作ーマルクス、エンゲルス、レーニンならびに彼らによって最高の遺産が継承されている人類史上の偉大な思想家たちーの系統的で真剣でねばり強い研究、国際的な綱領的な諸文献、マルクス主義の現代における原則的で正しい発展を示す理論的諸成果の系統的で真剣でねばり強い研究、これらを通じてわが国における社会変革と社会主義の実現への具体的展望について不動の確信を獲得しなければならない。「革命的理論なくしては革命的運動はありえない。流行の日和見主義の説教と実践活動のもっとも狭い形態への心酔とが抱合しているような時代には、どれほどこの思想を主張してもしすぎることはない。」このような日常不断の研究活動の強化を抜きにしては、支配的イデオロギーとふりそそぐ小ブルジョア的イデオロギーとマルクス主義の卑俗化による運動の歪曲と混乱から運動と大衆の真の莉益を防衛することはできない。また、現にわれわれの内部にもあらわれている諸種の弱点と限界を克服し、民学同の組織をしっかりとした思想的理論的基礎の上にのせることはできない。理論的関心を不断に高め、理論水準を不断に高めることの今日における特殊な重要性を自覚し、理論活動のための時間と体制が組醗的に保障されなければならない。


 昨年の大会で提起され、O・Bによってすでに着手され、促進されてきた青年同盟結成のための精力的で忍耐頭い努力には、一部の人々から持ちこまれた、政策上、理論上の原則的に誤った見解、方針のために、新しい困難と障害が設けられている。それは次の基本的な諸論点に及んでいる。
①全般的危機の「新しい局面」の理解および、その「活路」。
②今日の循環局面の具体的規定とそれに対する労働運動、人民運動の方針。
③平和と平和共存のための闘争と広範で深刻な社会変革のための闘争の関係。
④反独占民主主義のための闘争と社会主義革命および労働者階級のヘゲモニーの関係。
⑤闘争の根本的・長期的目標と当面の大衆闘争の具体的方針との関係。
⑥前衛政党、労働者政党の原則的な政治的指導の確立と統一戦線の結成の問題。
⑦日本の前衛政党の原則的逸脱、民族主義、議会主義への転落を批判する基本的観点。
⑧議会主義と労働組合主義の必然的な内的連関と「中道政権」の評価。
⑨支配階級内部の矛盾と、資本家階級と労働者階級の基本的矛盾の関係。
⑩帝国主義諸国間の矛盾および今日の国際関係の全体におよぼす両体制間の基本矛盾の影響。
⑪日本におけるマルクス主義の思想的理論的危機の現状認識と修正主義批判の意義。

 これらの問題についての誤った理解や一面的理解は、その本質において、あれこれの特定の諸個人のものではなく、学生運動、青年運動の実践の中に一貫した系統的なものとして現われ、運動の統一と発展にとって非常な危険をもたらしている。それは、青年同盟結成に不可欠の前提条件、同盟の基本的性格、同盟結成への道すじなどに関して原則的な理解や態度をとることを妨げ、混乱した無責任な態度を生みだす底深い理論的・思想的源泉となっている。
 これらの問題についての真剣で熟心な研究に基づく原則的で正しい解決なしには、学生同盟、青年同盟の確固たる政策的・理論的基礎の確立と大衆運動の力頭い発展はあり得ない。
 

 民学同の十年の活動とさらにこの一年の活動は、次のことを示している。すなわち、われわれが思想的・理輪的確信をうち固め、機関紙に導かれて目的意識的で強力な組織的活動を展開するならば、わが同盟の発展はゆるぎないものであり、民学同が、世界平和のための、わが国の社会変革と民主主義の徹底のための闘争場埋において現実的な推進力どなり労働者階級と広範な人民の統一戦線の一翼を担いうるものであることを示している。同盟員諸君!確信と熱意と勇気と忍耐とねばり強さをもって新しい組職的前進をかちとろう!
 指導部のまわりに堅く結集し、民主集中制に基づく堅忍不抜の強力な組織的活動を展開しよう!
 真に戦闘的な大衆的学生運動を組織し、学生戦線の統一を実現しよう!
 労働運動の発展と堅く結合した、戦闘的で真に革命的な学生運動を組織しよう!
 

1、春闘労慟者と連帯し、学生生活を支配階級の攻撃から守り抜こう。
●国公私学一斉学費値上げ阻止。勉学に専念できるだけの奨学金の必要者全員への貸与。
●私学経営・管理の民主化ー私学への国庫助成の抜本的拡大。文教予算の拡大。私学振興財団法即時廃棄。
●公共料金の凍結。家賃・生活必需物資価格の凍結。
●独占価格の原価公開と価格統制。
●雇用保障と雇用の増大のための拡大政策への転換。公共住宅建設を中心とする公共投資の拡大。法人に対する強累進課税。独占の利益の制限と系統的な国有化。国公営企業の民主的統制。

2、政治反動への大衆的反撃を組織しよう。
●「刑法改正」阻止。司法反動との対決。狭山闘争勝利。統一地方選挙勝利。スト権処分反対。

3、平和と平和共存のための大衆的活動を強化し、アジア集団安保体制を実現しよう。
●核防条約即時批准。被爆者援護法の即時制定。原水禁運動における統一行動の積み上げと原則的統一の実現。大衆的平和組織の活動強化による原水禁国民会議の原則的強化。
●南ベトナム臨時革命政府の即時承認。パリ和平協定完全実施。
●日ソ平和条約の締結、すべての社会主義国との国交樹立。対社会主義貿易と経済料学協力関係の拡大。
●四次防計画の中止。五次防阻止。軍事費の削減。
●アジア反共軍事政権への援助の打切り。新植民地主義的資本輸出反対。

4、大学の民主的改革を闘いとろう。
●新「大管法」策動粉砕。大学における反動的寡頭支配体制の打倒。無責任研究・教育・行政体制の粉砕。「産学」協同体制の粉砕。

5、公害、環境破環に反対し、人類の生存と健康を守ろう。
●AF2類似物質(環塙変異原)の製造・使用禁止。
●原発・再処理工場建設反対。被爆許容量の引下げ。

民学同第14回大会万歳!
学生と青年労働者の緊密な連帯万歳!

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