【資料】民学同中央委員会常任委員会声明(デモクラート64号)

【資料】常任委・機関紙中心に同盟の飛躍的強化を

     民学同中央委員会常任委員会声明(「デモクラート」64号)

常任委員会声明 1975年3月16日

常任委員会声明
1975年4月18日

(1)
 民学同第十四回全国大会は、三月二九日、三十日の二日間にわたり開催の予定であった。中央委員会常任委員会は、この数ケ月間、大会の成功のために努力を集中しできた。中央委員会常任委員会は、大会草案、「組織活動強化に関する特別決議」を全員一致で採択し、大会の議案として全同盟員の討議に付し、下部における大会の準備を全力あげて指導した。
 全国大会の「意義と任務」は、資本主義世界体制の全般的危機の新たな局面において、新たな条件の下における大衆運動の基本政策を確立すること、情勢の急激な変化の下で不断に発生する思想的理論的混乱、「左」右の日和見主義と闘い全同盟員の理論的思想的統一を闘いとること、これらを通じて同盟の組織強化を闘いとること、を主要な任務として提起した。『組織活動強化に関する特別決議』は、この一年間の活動と同盟の新しい発展を総括し、その上にたって次の一年間の組織活動を集中すべき主要な目標を具体的に提起した。
 今大会の成功は、民学同の十年の活動の総決算であった前大会の成果のうえにたって、さらに新しい力強い発展をかちとる第一歩となるものであった。この一年間の機関紙活動の強化は、全同盟員の政治的、理論的関心を飛躍的に高め、同盟の組織活動に対する確信と意欲を同盟員全体の間でかってなく強力なものとしていた。この意味で大会の成功は客観的に保障されていた。

(2)
 しかし、大会の直前になって不測の異常事態が発生した。同盟組織の内部で、常任委員会と同盟機関紙『デモクラート』にたいする対立と公然たる攻撃が行なわれていることが明らかとなった。ある支部では、民学同の「組織活動の強化」を主張する常任委員会の「大会決議案」にたいする反対が「決定」され、別の支部では、常任委員会の提出した大会草案を全体として否定する「対案」が支部委員会から提起された。同時にこの二つの支部はいずれも同盟機関紙62号の「撤回」と「販売拒否」を「決議」した。常任委員会と各常任委員は、これらの「決定」や「決議」が原則的に誤っていることを指摘し、これらの支部の活動に反省を求める指導さえ行った。
 しかし彼らは、同盟の組織強化に対してもまた政策的、理論的統一に対しても、何らの真面目な対応も、真剣な態度も示さなかった。常任委員会と同盟機関紙に対する彼らの対立と攻撃が、同盟の中央指導体制に対する敵対であり、それによって民主集中制の原則にたつ同盟組織そのものに対する敵対であることは明らかであった。それは、本質において同盟組織を内部から堀り崩し、組織解体に導く危険な傾向をはらんでいた。

(3)
 彼らが大会決議案と機関紙にたいする対立という形で、批判と攻撃の目標とした問題の主要な内容は、以下のとおりである。

1 平和と平和共存のための闘争と一般民主主義闘争の必然的で有機的な連関。
2 平和と平和共存の問題において、三大革命勢力の力と闘いに従属させて帝国主義間矛盾、独占間の対立・分岐を扱うこと。
3 アジア集団安保確立のための闘争と日本軍国主義との闘争の有機的連関。
4 全般的危機の新たな局面の諸側面の内的な構造的連閣その唯一の脱出口としての社会主義。
5 社会変革の長期的で戦略的な課題と当面の具体的な闘争の課題との内的な連関、およびそれに基づく具体的で現実的な政策の原則的な提起のしかた。
6 日本帝国主義に内在する矛盾の深刻な性格、およびその循環の恐慌局面における矛盾の深さと鋭さの評価。
7 恐慌下の反独占闘争において国有化およびその民主的統制の政策のもつ意義。
8 反独占統一戦線を構成する諸階級、諸階層の具体的な区別および労働者階級のヘゲモニー。
9 社会変革の闘争における目的意識性こ主体性(階級の「主観的能力」)の意義。これと下からの自然発生的な大衆闘争のエネルギーとの区別。
10 大学における反動的寡頭支配体制の打倒と個々の大学の民主的改革の課題との区別と連関。
11 科学的世界観と徹底した民主主義の立場に基づく同盟の理論的・思想的統一の確立
12 理諭的思想的統一を基礎とする政治同盟と、個々の具体的な闘争課題における共闘組織、統一戦線組織との原則的な区別。
13 民主集中制の組織原則。組織における民主主義の不可欠の条件としての中央指導部における指導とそれへの組織的集中。
14 同盟の組織活動における機関紙のもつ決定的に重要な意義。

 右の諸項目の内容をその根本において否定する見解は、今日における平和と平和共存、反独占民主主義のための闘争の基本政策を具休的に提起すること、およびこれらの闘争において学生運動の果たすべき役割とこれを指導する民学同の方針と任務を具休的に提起することを基本的に拒否するものである。それは、同時に、民学同の趣意と規約およびそのうえにたつ同盟十年間の活動の積極的な意義と成果を根底からくつがえすものである。したがってこのような見解とそれに基づく活動が、民学同の同盟員の義務である組織活動と本質的に相容れないことは朋らかである。
 大会を目前にして、中央指導部にたいするこのような攻撃は、原則的に誤った一系列の見解を常任委員会の提出した諸議案とさしかえるか、もしくは前者によって後者を基本的に修正することに集中され、それを組織分裂の恫喝によって中央指導部および民学同に押し付けようとするものでった。
 大会にいたる事態の経過は、公然たる分裂策動、組織破壊活動によって民学同の大会と組織をおびやかすものであることをまぎれもなく示していた。このような無原則で危険な策動を粉砕することなしには、民学同の健康で力強い発展はありえない。

(四)
 常任委員会は、このような異常事態を一刻も早く解決し、大会の成功をかちとるためにあらゆる努力を行った。常任委員会は一方で、支部討議を活発に行い、同盟員の一人一人が現に生じている問題を的確に把握し、確信をもって正しい解決を見出せるよに指導した。他方では、分裂活動を行なった主なメンバーについて具体的な事情聴取を行ない、個々の分裂策動の真因がどこにあるのかを明らかにすることに努めた。事情聴取の中で彼らは再三再四前言をひるがえし、自らの主張に責任をもたず、自らの見解に対して何ら合理的な根拠を示すことができなかった。彼らは自らの積極的な見解も、具体的な方針も持たず、また説得にたいしては議論を回避し、とにかく中央の指導に異をたてることに終始した。彼らの事情聴取への応じ方も含め、全体として彼らの行為が何ら自らの確信によるものではなく、他人の意見と指示によるものであることが事実をもって示された。
 常任委員会の指導と同盟機関紙に対立し敵対する活動は、すべて規約の定める正規の指導体制、組織体制とは別個の、これと真向から対立する、外部からの無責任な指揮が系統的に行なわれていることを示している。
 これは、民学同十年の歴史にいまだかつてない異常事態であり、同盟の組織を根底から破壊し、分解し、崩壊させる危険をはらんでいる。
 常任委員会が資任をもって準備し、その成功のために全力をあげた同盟第十四回全国大会の開催は、このような外部からの無責任なひきまわしと一体となった分裂活動、組織破壊活動が、同盟において全同盟員の力によって克服されない限り不可能となった。

(五)
 同盟員のなかには、同盟の組織活動の経験が浅く、また強固な伝統が確立されるには到っておらず中央指導部から地理的に遠くへだたって、生じている事態の真相が理解しにくいという事情の下におかれている部分があった。しかし本質的には思想的理論的水準の低さと原則性の弱さから、確たる主張と定見を持たず、大会を前にした組織分裂策動と組織破壊活動に対して厳しく対処し、明確な一線を画して批判することができず、動揺を重ねたものが指導的メンバーのうちにも存在し、これが、事態解決を一層困難にし、解決を先へ引き延ばす要因としこ作用した。
 しかし、持ち込まれた分裂策動と組織撹乱活動はその発端からしてすでに基本的に失敗に終った。このような活動が執ように行なわれたことそれ自体が、同盟の「組織強化」を訴える常任委員会の指導方針の正しさと重要性を示すものである。常任委員会が提出した「組織活動強化に関する特別決議」は下部の戦闘的で意欲的な同盟員の間でますます強固な支持を獲得しつつある。
 それは、民学同に結集して闘い、民学同を強化し発展させる決意と熱意に燃えた下部の同盟員一人一人の組織的活動と献身の強固な支えとなり、彼らの、どのような困難にもめげない不屈の闘志と原則的で真剣な戦闘的態度は分裂活動と組織破壊活動への加担者が今日陥っている無気力と沈滞と盲目的個人「崇拝」など腐敗ムードとはおよそ対照的なものである。
 われわれは下部の同盟員のこのような健康で精神的活力に満ちあふれたエネルギーを基礎として原則的で現実的な政策に導かれる民学同の新しい発展をかちとるであろう。民学同の組織的強化と新しい発展がかちとられる日は決して遠くない。
 全国の同盟員諸君!常任委員会は全同盟員が今日の異常事態を恐れずに直視し、それを真剣に検討し、問題の原則的な解決のために全力を集中することを呼びかける「組織活動強化に関する特別決議」を真に自らのものとし、これを日常不断の組織的実践において実現していくことを呼びかける。
 全同盟員が常任委員会のまわりに固く結合し、民主集中制にたつ民学同の組織を守り抜くことを呼びかける。
 われわれの機関紙『デモクラート』の編集体制は不動の基礎のうえにある。それが提起する原則的で科学的な基本政策を指針として大衆運動の先頭にたって闘い抜こう。”平和と民主主義、より良き学園生活のために”、学生運動の発展と統一のために闘い抜こう。平和と平和共存、日本における反独占民主主義闘争の最後的勝利のために労働者階級と連帯してともに闘い抜こう。

一九七五年四月十五日

※太字強調は、佐野。

 

 

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