【日々雑感】—一切我今皆懺悔— 

【日々雑感】—一切我今皆懺悔— 

 私の亡き母は、よく言っておりました。「形だけでも良いから、仏様は良くおまつりしてね。」と。
 当時の私は唯物論の知識を振りかざして、観念論をボロクソに批判しており、母を悲しませました。しかし、今では、宗教とは自分の心の問題であって、正座して、亡き父や母を心静かに偲ぶと言う行為は、何の抵抗もなく行えるようになりました。
 形だけしておったのが魂が入ってきたように思いますのは、年の所為ですかねえ。
 話はそれましたが、私の小学校時代、5・6年生を担任してくださった、遠藤千代先生のことを思い起こします。先生は、戦後の民主主義教育をと、苦労なさっておられ、先生仲間の研修があれば、東京方面へも行かれているようで、その成果を私達に教えてくれました。
 「東シナ海と言うのはやめて、東中国海と言うようにしましょうね。」と言っておられたのを懐かしく思い出します。
 また、先生は、家族が貧しく、遠足にも行けなかった、三郎ちゃんの為に動きまわって、遠足に行けるようにしてあげたりして、三郎ちゃんのお母さんから感謝されたりしました。そんなすばらしい先生に対して、私は、ちょっと成績が良い位のことで、何かにつけて反抗的で、あのイヤーな橋下みたいな生徒でした。自信過剰で、うれしがり、目立ちたがりの私を、よく指導して下さったと思います。
 仏教では、お経を読む時、まず懺悔から始まるそうですが、遠藤千代先生、ご存命ならば一度お会いして、お許しを願いたいです。
 一切我今皆懺悔の気持ちでいっぱいです。(2013-04-18 早瀬達吉)

 【出典】 アサート No.425 2013年4月27日

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