【投稿】「美浜現地バスツアー」に参加して
4月8日(日)、「美浜現地バスツアー」に参加しました。
大阪を出発して約3時間余、はじめの訪問先「森と暮らすどんぐり倶楽部」に到着。倶楽部の方で用意してくださったお弁当を食べた後、「3・11集会」で発言されていた、「どんぐり倶楽部」中心メンバーMさんのお話をじっくり聞きました。体験施設の手作りっぽい木製長いすに腰掛けて、肌寒い風に吹かれながら、倶楽部の歴史やMさんたちの農林業にかける想い・反原発の生き方等々、学ばせていただきました。お話の後、倶楽部の敷地内に設置してある発電装置(太陽光・風力)を見学したり、庭内に植わっている樹木の説明を聞いたりしました。
Mさんの文字通り大地に根ざした実践と真摯な生き方に、あらためて感銘を受け、先月末にて定年退職した身を重ね合わせながら熱いものを感じました。
関西電力・美浜原発
(写真は関電・美浜原発、抗議・申し入れ書を手渡したのは右下のPRセンター)
再びバスに乗車して、「関西電力美浜原子力PRセンター」に向かいました。若狭湾国定公園の中にある美浜原子力発電所の周辺は、美しい海と自然に囲まれており、原発のすぐ近くにPRセンターはあります。館長あいさつ・スタッフによるDVDを使った説明の後、ツアー参加者一同の総意として「関電社長宛の抗議並びに要望書」を館長に渡しました。また、各自用意した意見書を次々と手渡し、八木社長に届けるよう要望しました。「大飯原発の再稼働反対!」「原発にたよらない電力供給を!」「子どもたちの未来に禍根を残さないように!」などなど・・・。
帰途のバスの中で、参加者一人ひとりが意見や感想を述べ交流を深めましたが、その中で、若狭ネットワークのKさんが「放射能副読本」(文部科学省作成)の問題点についてお話されました。「フクシマ」のことについて、副読本の前書きにて「東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故により、放射能物質が大量に発電所の外に放出されてしまいました。」と記述されているだけで、本文では全く触れられていません。また、「一度に100ミリシーベルト以下の放射線を人体が受けた場合、放射線だけを原因にしてがんなどの病気になったという明確な証拠はありません。」といった説明がされています。多くの方から問題点を指摘されている「放射能副読本」は、既に小・中・高の現場に配布されておりそのまま指導に使われてしまうのはとても危険です。今後は、学校現場の教職員への働きかけをより一層強めていく必要があります。退職教員としても、そうした努力をしていきたいと思います。
(大阪 田中雅恵)
【出典】 アサート No.413 2012年4月28日