【読者の声】「中国脅威論の虚構」を読んで
「中国脅威論」には、現時点では確かに虚構がたくさん含まれており、これを口実とした日米同盟の強化や日本の軍備増強に反対しなければならないという主張は正しいでしょう。
しかし同時に、私は中国の現状と今後について、強い危惧を抱きます。
まず、中国は社会主義国でしょうか。いや、中国はもはや完全な資本主義国でしょう。私は数値的な資料を持ちませんが、資本の集積・集中も、すでにそうとう進んでいるとみてよいのではないでしょうか。そして、その経済力は、すでに日本を凌駕しているだけでなく、やがてアメリカ帝国主義をしのぐことになるでしょう。少なくとも、そうなったときの中国は、もはや「中国帝国主義」と呼ぶ以外にないのではないでしょうか。
また、既に中国は、「強大な資本主義経済の上に、他者の批判を許さない独裁政権が君臨している国家」だと言えます。このような国家は、かつてファシズム国家と呼ばれました。ファシズム国家は激しい他民族抑圧を行いましたが、現在の中国も同様、チベットを初めとする国内の少数民族に対して激しい弾圧を加えています。ファシズム国家は周辺への侵略を積極的に行いました。中国もまた、ヴェトナムなどの近隣諸国に対して、目に余る圧迫・侵略政策を遂行しており、この国の対外膨張の意欲は異常です。
こうしてみると、いったい、中国とナチス=ドイツとは、本質的にどこが違うと言えるのでしょうか。
もし中国がそのような意味で危険な存在であるなら、世界は平和共存の主張で足並みを揃え、中国を包囲していかなければなりません。そして、そのような方向性について中国国内の民主的・平和的な人々との連携を強め、中国の民主化を支援していかなければならなのではありますまいか。(大阪 Iさん)
【出典】 アサート No.405 2011年8月27日