【コラム】ひとりごと—連合結成20年に思う—

【コラム】ひとりごと—連合結成20年に思う—

○連合は、昨年11月に結成20年を迎えている。1998年結成10年の連合中央第6回大会(会場は有楽町の東京フォーラム)には、私も産別組合の代表として、傍聴ではあったが参加することができた。(「連合結成10年に思う」ASSERTNo263参照)○私もすでに労組役員を卒業し、直接的な運動現場の雰囲気・空気を感じることはできなくなったが、労働組合運動への思いは変わらない。昨秋来、不況になれば解雇自由とも言うべき「派遣切り」が横行し社会問題となっている。今号の杉本報告にもあるように、現出している雇用問題にどのように連合運動が対応するのか、正に連合の組織と運動が問われていると思う。○連合結成は、旧総評・同盟などの労働4団体を中心にした労働戦線の統一の産物であった。共産党系は、連合結成に合わせて、官公労の自治労・教組からの分裂を強行し、全労連を結成している。○両団体とも結成20年ということで、機関紙を見ると特集記事が目立っている。ただ、いつまでも「対立関係」にこだわり続けているかというとそうでもない。例えば、大阪自治労連の代表は機関紙で「反連合・反自治労という狭い視野ではなく・・・」と表現しているし、テレビ番組では共産党の市田書記局長が「連合は本工組合員だけのための運動をしている」との批判に、「年越し派遣村には連合系の組合も参加して協力してくれた。」とごく自然に発言し、対立関係一色から、意見の違いはあれ、労働者の組織であるという当たり前の立場に立っているな、という印象を受けた。(もちろん、選挙対策でもあろうけれど)○しかし、全労連系には、非正規の組織化面では運動強化が図られている面があるものの、ナショナルセンターを名乗る無理がいろいろ出てきているようだ。自治労連の独自共済を見ても、経営が限界にきている印象がある。公務員・教員の公務組合が中心では、やはり限界があるようだ。○さて、年末年始に派遣切りで職と住居を失った労働者に対して、年越し派遣村の取組みが展開された。この取組みには、連合系も参加した。テレビの報道の中に元連合会長の笹森氏の姿も日比谷にあった。○12月4日に都内で開かれた派遣法改正を求める集会は、連合・全労連・全労協など従来の立場を超えて2000名が結集した。この流れが年越し派遣村に繋がったと毎日新聞は報じている。(毎日1月12日)○生きるか死ぬか、こんな状況に置かれている労働者を支援することに、労働組合の路線対立は障害ではありえない。反貧困ネットの湯浅事務局長のような存在が、労働団体の垣根を越えた協力関係を創りだしていることが重要だ。○その上で民主党・共産党・社民党も協力体制を組み、1月6日には野党が一致して「雇用と住まいを確保する緊急決議」案が衆参両院に提案され、参議院で一部修正の上可決に至っている。(衆議院では自民が反対している)○このように、「反貧困」では野党と労働運動側の統一が創られている。評価すべき出来事だと思う。この流れは、止めることなく引き継がれる必要がある。○平成20年の労働組合基礎調査によると、組織労働者は1006万5千人、組織率は18.1%となった。連合は662万3千人(昨年比1千人増)全労連は66万3千人(同2万1千人減)である。両組織を合わせても、730万人弱である。○今次の恐慌の進行は派遣・期間工などの削減だけで終わるはずがない。正規職員にも失業の危機が迫っている。反貧困・反失業をスローガンに、全労働者を巻き込んだ闘争を仕掛けていく必要があると思う。○今後の雇用情勢を考えると、結成21年目の今年は、連合にとって組織の命運がかかっているのである。連合は産業別組合が中心の運営ではある。その分小回りが効かない組織なのである。連合の地域組織も中央の縦割り組織をそのまま小さくしただけの感がある。○その点、非正規や中小を組織する地域ユニオンには、行動力があり、行動で統一していく自由さがある。○かつての地区労的スタイルを排除してきた連合のように思うが、個々の企業で生起する解雇などの雇用問題に対して、機敏に対応できる連合の組織体制が必要のように思える。○ユニオン運動の弱点を連合組織がカバーし、連合の小回りの効かないところをユニオン運動と連携しつつ、自らも地域の運動課題に具体的にコミットできる体制を作ること。地域で見える運動、企業の枠を超えて労働者の連帯を作りあげる運動と体制確立が連合に求められているように思う。(佐野秀夫2009-01-19)

 【出典】 アサート No.374 2009年1月24日

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