【コラム】ひとりごと—異常気象という「不都合な」現実—-

【コラム】ひとりごと—異常気象という「不都合な」現実—-

○今年の夏は、まさに異常気象だった。7月はそれ程暑くはなかったが、8月から9月にかけては、猛暑日・熱帯夜の連続だった。日本における最高気温も更新された。○急に秋の訪れを感じたのは、つい1週間前のことだ。○熱中症で倒れる人が相次いで、死者まで出た。まさに「地球の温暖化」の現実を、すべての日本人が実感したのではないだろうか。○アル・ゴアの「不都合な真実」によると、「今、私達が直面している問題とは、人間が膨大な量の二酸化炭素やその他の温室効果ガスを排出していることから、この大気の薄い層がだんだん厚くなっていることだ。大気の層は厚くなるにつれ、本来ならば大気へ抜けて宇宙に出ていくはずの赤外線放射の多くを逃がさなくなる。その結果、地球の大気や海水の温度は、危険なほどに上昇しつつあるのだ。これが気候の危機なのだ。」○温暖化による気候の変動により、世界各地の氷河の融解し消滅しつつあるのは象徴的な現象だろう。○氷河が消えれば、世界の水(飲料水)の不足は深刻な事態となる。○さらに、北極や南極大陸が痩せ細りはじめたことも報告されている。海水面の上昇も今後確実だろう。○このように地球の温暖化に警鐘を鳴らし続けてきたアル・ゴアと科学者達に今年のノーベル平和賞が贈られることが決まったことは、喜ばしい事であると同時に、事態の深刻さを我々は認識する必要がある。○今年は日本だけではなく、南北アメリカ大陸、アジア全域、オーストラリアでも異常な高温が記録されている。○大気の不安定による局地的な豪雨も観測されたし、海水温の上昇による台風の大型化も進んでいる。○気候の変動による異常気象は、今後次々と起こるであろう。一連の異常気象を地球の温暖化と関連付けて認識していれば、地球市民レベルで事態の深刻さへの理解が深まり、それに対処すべき行動が広がることが期待されている。○冬のスポーツを愛する私は、異常気象の夏に続いて雪のない冬が来るのかな、と心配をしているのだが。(佐野)

 【出典】 アサート No.359 2007年10月20日

カテゴリー: 環境, 雑感 パーマリンク