【コラム】ひとりごと 地方の反乱は起こるか –7月参議院選挙–
○小泉「改革」が問われる7月参議院選挙だが、不安材料には事欠かない。それを見越してか、自民党参議院の青木は、改選議席の50を割れば、6年前の橋本政権のように、小泉内閣も当然総辞職ものだとぶち上げた。○日本歯科医師連盟の政治資金問題、そしてBSE対策をめぐる食肉団体への摘発から政界への波及問題、そして最大の問題がアメリカ追随のみの自衛隊のイラク派兵問題であると言える。今回の人質問題も、完全な戦地となったイラク国内で人道支援の方法について、重大な問題提起となっている。○さらに大きな不安材料のひとつが、地方分権と三位一体改革である。○補助金を削減するとは言ったものの、財源・税源の委譲は行われず、それに加えて地方交付税の削減が行われた。地方団体は、この三位一体「改革」に猛反対の声を上げている。○先日行われた全国市長会でも、これまで自民党と協調して行政運営してきた首長たちから、「三位一体改革とは、名ばかりで、実態は地方を切り捨てて、危機的な国家財政のみを救済しようとしている」と軒並み反対の声が上がり、「こうなれば政権交代だ」との発言が相次いだという。景気が回復していると言っても、地方税の増収は望めず、地方自治体の悲鳴は深刻である。○3年前の参議院選挙では総務省(旧自治省)出身の自民党比例区候補の応援を地方自治体の幹部連中に押し付けてきた経過があったが、今回は前回のようなわけにはいかないだろう。○同様の事態は、従来の自民党を支持してきた各種業界団体についても多かれ少なかれ生起している。○集票マシンは公明党・創価学会頼み、という構造も、一人区の多い参議院選挙区の場合は、候補者調整・選挙協力も難航しているという。○4月25日投票の統一補欠選挙は、7月選挙の結果を占うことになるだろう。果たして、昨年の衆議院選挙で、「政権交代」の可能性の匂いを嗅いでしまった国民は、7月参議院選挙においても、どんな判断をするのだろうか。小泉自民党政権に国民の怒りの声を突きつけることが求められている。(佐野)
【出典】 アサート No.317 2004年4月24日