【意見交換】労働運動の過去・現在・未来を考える懇話会
内容:<巣張さんから組合専従30年の自己紹介>
<地域ユニオンの連合加盟について><進む大産別構想>
<雇用状況、春闘結果の特徴について><「新たな被雇用者の組織」と「機能」><大阪府内のマイナス人勧への取り組み>
去る12月14日大阪市内で巣張秀夫さんをお招きして、労働運動の過去・現在・未来を考える懇話会を開催しました。すでに現役を引退された巣張さんから、連合10年の区切りとして久しぶりにお話をいただこうと言う趣旨で開催しました。年末で多忙な折でしたが、14名の仲間が集まり2時間30分余り意見交換を行ないました。以下は、佐野の文章責任においてまとめたものです。
佐野)年末でご多忙のところ集まっていただきましてありがとうございます。
先日、アサートの発送作業をしておりまして、巣張さんはこの頃どうしたはるかな、ということになり、ご連絡をさしあげました。巣張さんを囲んで是非意見交換をさせていただきたいと。快くご承諾をいただきまして、この会議が実現したというわけです。
幾く人かの方から問題提起をいただきいた上で、自由に意見交換を行いたいと思います。今日は、堅苦しい話というわけではなくて、意見交換という事ですので、日頃感じておられる諸問題につきましたも発言いただきたいと思います。(参加者から、近況含めた自己紹介をした後、報告を受けました。)
<巣張さんから組合専従30年の自己紹介>
巣張)僕も経歴を話します。僕は15歳で小学校を卒業しまして、すぐに昭和15年4月1日淀川製鋼に入りました。薄板を作っている、現在は物置なんかですが。ここに勤めたんですが、非合法時代にパクられて3年4年と拘置所におって非転向で出てきて、保護監察付きでね、仕事では信頼されている人たちが7,8人おったんです。終戦と同時に喜んで、さあ労働組合を作ろうということになりました。突破やったもので見込まれましてお前も動けということになり、労働組合についてちょっと教えてもらって組合作りに走り回りました。その関係で昭和21年の1月に結成大会やったんですが人気投票みたいなもので執行委員に選ばれました。そして青年部ができて副部長になるんです。その青年部長は実に優秀な人だったんですが、病気で長期入院となったため、22年に青年部長になり、執行委員と青年部長を務めて、23年には書記長になりました。21歳の時ですね。組合作った時は18歳でした。25年のレッドパージでやられまして、関西の鉄鋼関係でレッドパージやられたのが103名、そのうち、1700人ほどの中小鉄鋼であった淀川製鋼で53名が首切られたわけです。関西の鉄鋼全体のレッドパージを受けた半分強が淀川製鋼であったということですね。淀川製鋼では党員もシンパも含めて根こそぎいかれたわけです。党員が32か33名と協力者ということで真面目な労働者も含めてね。関西の鉄鋼全体では、経営者と交渉で押さえられたところも多く、根こそぎとは成らず、共産党員が残ったので、その後も尼鋼争議などの闘争を続ける事ができたんですね。
淀川製鋼から出ていた人が、大阪の産別金属の書記長をやっておりまして、この人は関西産別の議長もやったことがある渡辺という人ですが、この人がヨドコウから常任をださなあかんということになりまして、子ども3人もおって崩壊した産別会議で給料もでないということなんですね。そこで私も産別の執行委員もしておりましたので、やらなしゃないということで、産別金属の常任になったわけです。
産別金属大阪のオルグになりました。これが専従者になった始まりですが、昭和32年の10月に総評全金大阪地方本部と産別金属の大阪が合併しまして、総評全金大阪地本のオルグとなったわけです。1957年から60歳定年で辞める1987年まで常任をしていたことになります。その後、今のJAMができる1999年までですね、全金大阪の顧問をやっておりました。現在はJAMのOB会の幹事をやっております。自己紹介にさせていただきます。
<地域ユニオンの連合加盟について>
佐野)それでは、自己紹介を終えて、報告をお願いしたいと思います。
民守)労働運動の特徴的な動きと言う事で、ご報告させていただきます。
第1に、地域ユニオンの連合加盟の動向について。産別や企業内労働組合ではなく地域ユニオンという一人でも入れる労働組合です。労働者をめぐる雇用の流動化だとか終身雇用などの労使慣行が崩れるなかで、非正規雇用の問題が非常に重要な問題になっておりまして、その流れの中で、この間地域ユニオンの中でも特出すべき動きが出てきております。
昨年9月に三重県の賢島でコミュニティ・ユニオン全国ネットワークという地域ユニオンの全国的な連絡会議的組織(全国で66ユニオン、1万5千人)の総会がありまして、連合一括加盟提案が行われ、討議案件となったわけです。ここに至るまで連合の笹森会長が地域ユニオンの連合加盟問題や連合における非正規雇用の組織化に対して比較的理解を示されており、東京では笹森会長を囲んで東京のユニオンが懇談会を開催してきた経過もあるようです。連合に加盟するのがいいのかどうか、と言う事については、この時点でも様々な意見があったようですし、当日も連合への呼ひかけ文書がが配られたようですが、一つ一つの組合に連合が働きかけたというわけではないようです。
その後全国ネットの運営委員会で議論がありまして、一つは連合に入る事への疑心暗鬼、或いは時期尚早という意見。特に大阪のユニオンは意見書を提出されまして、一括加盟によって全国ネットのこれまでの繋がりが弱くなるというのではいけない、単組で確認するのがどうなのかなどです。総評の地区労運動の中から生まれてきた大阪のユニオンの場合、連合結成時、結果的に連合に加われなかったという経過もあるわけで、中心的に取り組まれたようです。
財政的な加入によるメリットもありまして、地域ユニオンは財政的には非常に逼迫しているという事情もあります。運動の手法もどちらかと言えば必然的に争議解決型の運動になりやすいわけです。宿命的というのは言い過ぎだと思いますが。この事が、企業内の労働組合や既存の労働組合や企業から嫌悪されやすい原因と言われているわけです。そういう運動スタイルがあるわけですが、連合に加盟する事によって財政的に助かるなら、という議論もあるようです。この点については、全労連が各地区労的な地域単位を構成していますが、年間予算で2億円でしたか、地域ユニオンの活性化につぎ込むということも言われており、ナショナルセンターも問題意識として一人でも入れる労働組合の運動を作ることで非正規雇用、未組織労働者の組織化を志向しつつあることだけは明らかなことだと思います。
今年の5月に全国ネットの総会が大阪で行われ、運営委員会確認等が承認されました。その内容は連合の加盟を志向するユニオンだけが全国ユニオンを作り、全国ユニオンが連合に加盟するという方式です。大阪ではなにわユニオン、泉州ユニオンが加盟することになっています。そして11月3日に総会が開かれて連合加盟申請が決定されています。11月9日にそれではということで、連合加盟を志向する地域ユニオンの連合体が8組織5千人で結成されたわけです。ユニオンの場合、いくつかのユニオンが集まってさらにユニオンを作っているので、8組織ということなんですね。それほど多くは結集しなかったと言う事もできますが。全国ネットの一括加盟ということですが、他府県では、例えば福岡ですが総評が連合に移行した時に地区労的な組合がそのまま連合に移行しており、すでに連合加盟しているユニオンもあるということです。
しかし、11月16日の連合中央委員会では連合加盟議案が出されるとなっていたのですが、間際で提案がされなかったということです。次回の連合中央委員会は来年の6月なんですが、それまで先送りと言う結果となりました。連合の見解としては理解を得られるまで無理をせずに粘り強く連合の内部的な理解をめざすとされています。その背景にはゼンセンからかなり強い反対があったと言われています。ゼンセンは連合の産別組合のなかでも比較的未組織対策をある種古典的にやられているわけで、そこと競合すると言う事があるのと、運動手法について誤解を招く恐れのある言い方なんですが、企業で労働組合結成の動きが出ると、会社とゼンセンが協調して、組合を先に作ってしまうという手法もあると聞いています。運動手法としては競合するというより、対立に近い関係だと言われているわけです。
<進む大産別構想>
二つ目は、進む大産別構想ということです。総評・同盟・中立・新産別による連合結成が果たされて以降、産別の再編、大産別構想が進んでいると言う事です。この1年間の動きですが、鉄鋼労連と造船重機労連、非鉄連合が2003年9月に統合予定です。全国で23万人の組織になります。次に化学関係でして、新化学・石油労連・全国セメント・化学リーグ21と連合加盟の石油化学関係の組合が、化学総連他とブリッジ共闘でJEC連合が10月10日にすでに結成されています。全国で20万人の組織です。9月19日には、ゼンセン同盟とCSG連合、繊維生活労連がUIゼンセン同盟を結成しています。ここに至る経過の中では、当初の予定からは1年遅れということでして、ゼンセンの方が消極的であったということです。4番目ですが、近々、運輸労連・私鉄総連・交通労連・全自交労連が交通運輸連合というのが結成の予定との事です。
これらの大産別構想の評価なんですが、後の議論の中で整理していきたいと思うんですが、巣張さんが総評に対して左の部分から統一を押し上げていかれたという歴史的経過があると思いますが、その後連合の産別統一はスケールメリットという意味があるのか、それとも組織率低下ということから組合財政の問題も含んで統合はある意味で必然的なものであるのかという面もあるかと思います。決して批判をしているわけではないのですが。
<雇用状況、春闘結果の特徴について>
次に3番目ですが、雇用状況並びに春闘の結果です。
完全失業率は。今年7月~9月ですが、全国では5.3%です。10月では5.5%となっています。戦後最悪です。近畿では7.1%、大阪はさらに悪く8.4%です。中高年のリストラの強まりなどがあり、大変に厳しい状況です。
春闘結果ですが、厚生労働省の数字ですが全国主要企業で1.66%、中小で1.19%の賃上げ、当然定昇込みで、金額としてはかなり低い結果です。大阪では1.7%となっています。一時金では、景気の動向に左右されやすいのですが、大阪で夏の一時金の場合11.4%減、0.2ヶ月減となっております。中小の場合はもともと厳しいわけですから、軒並み大手大企業の落ち込みが激しい結果となっています。
高度成長期には企業間の格差是正ということが大きな課題であったわけですが、最近は悪いほうの格差是正です。大手・大企業の落ち込みが激しく、企業間格差が縮小しているという現象が見られます。
連合の春闘方針については詳しく申し上げませんが、2年連続で統一ベア要求は見送り、雇用問題、未払い賃金、サービス残業の解消などへの取り組みに力点が置かれています。
最後に、議論のポイントですが、まず連合統一のスケールメリットは発揮されたか、と言う点です。力と政策、スケールメリットが大事だと言われていますが、今の連合を見ていて、連合統一には意味がなかったというような議論にはならないとは思いますが、資本との関係において、また政治との関係においてどうだったのか、などの切り口が必要だと思います。ただ労働サイドとして政治力や政策力を発揮されていないといったところで、連合の他に何処があったのか、労働者への政策実現のためにね。大阪労連が何をしたのか、と言う意味でね。そういう意味では連合統一のメリットはあったわけですが、さらに正確な評価が必要だと思います。
次に組織率低下の問題です。20%を切る恐れもあると言う中、どのように組織拡大・活性化を図るかという問題ですね。その中で、中小・未組織労働者・非正規労働者の組織化の取り組みが重要になってきています。それとの関係で先ほどの地域ユニオンをどう見るかという点と重なってきます。
最後に、連合の大産別構想、デフレ化におけるリストラ攻撃などの中で、実態としては企業内の労働組合がそれと闘い得ていない。そして労働運動の再生の道はどうなるのかという点ですね。
私の意見ですが、雇用の流動化・終身雇用制の崩壊と言う中で、日本の労働運動をどう変えていくのかという点で、企業内労働運動とは違う視点での地域ユニオンが縦の運動ではなく、横に広げていく運動として評価されるべき、という考えを持っております。
(続いて、ある企業内での取り組みについて詳細な報告を受けましたが、諸般の都合により割愛させていただきます。内容的としては、職場・組合内における本工中心の考え方、使用者側の姿勢の中で、非正規雇用をどう正面に据えた運動を展開するか、と言う点を中心にした報告でした。これは以下の議論の中でも、大きなテーマとなりました。報告いただいたAさんにお礼を申し上げます)
<「新たな被雇用者の組織」と「機能」>
佐野)それでは、お二人の報告を受けて、議論を進めたいと思いますが。
依辺)ちょっと早く帰らなければならないので、言い残して帰りたいと思います。僕は依辺瞬の名前で青年の旗、アサートにも何回か書かせていただきました。今は現場と言うよりも研究者的な感覚の方が強いんで、お叱りもあるかもしれませんが、感じたことを提起させていただきたいと思います。
結論から先にお話をしますと、どんな問題でもそうなんですが、問題の立て方が鍵なんですね。解というか答えというのは2次的なもので、問題の立て方を検討しなければならないわけです。そういう意味で揚げ足を取るわけではないのですが、民守さんのペーパーの中にも、「日本の労働運動の再生は・・」という言葉がありました。実は僕は「労働運動の再生」という言葉を捨てる事から始まるのではないかと思っているんです。
実は、労働運動と言う言葉の中にですね、問題の解を閉じ込めるような、一定の枠の中に閉じ込めるような響きがすでに含まれてしまうのではないかと。今、僕は徹底した機能論者ですから、問題の立て方というのは「新たな被雇用者の組織」とか「機能」をどう確立するか、という言葉で表現しなければいけないと。それは実は組合なんですが、そういう言い方に変えていかないといけないんじゃないかと考えているんです。それは、前提として、労働者というのが言い古されている言葉ですが、中々ひとくくりにできない。昔の労働組合とか労働者と言った時には、その分断線はシンプルだったですね。ところが、その分断線が非常に多角的、多層的と言いますか、すごくいっぱいあって一つじゃないわけですね。端的に言うと雇用者だとか労働者だとか言われている人が置かれている競合状態、競争状態がすごく多角的だということですね。
雇用している会社が多様だし、雇用されている者の身分も多様だし、雇用形態・状態も多様だし、先ほど出ましたが国際的な競争軸の中にも置かれているしね。団結という言葉が昔ありましたが、今そう簡単に団結できないわけですね。そんな中に労働者、雇用者は置かれていますのでそう簡単に団結できない。従って労働組合もミスマッチがたくさんあって、言わば勤労者のニーズを取り上げて何か取り組んでいくという機能が中々発揮できない状態なんじゃないかと。結局一番の問題は組合費という負担をして組合員が受益を受けるという機能をどう保障できるかというところに突き詰められるのではないか。
その関係がどんどん無くなっていく、それが未組織になるということなんですが、それをどう杭い止めるのかというところで問題をシンプルにしていかないといけないと思います。
ここまで言ってしまっていいのか迷いますが、僕が1990年代に青年の旗に原稿を書いた頃は、実はまだ一種の幻想があったんです。要するに労働組合というのが対抗文化、カウンターカルチャーの母体になるんじゃないかと思っていたんです、その頃は。それも捨てないといけないと考えているんです。今の時期に労働組合の本質的な機能をとことん突き詰めると、リスクヘッジしかないと思うんです。被雇用者が抱えているリスクがありますね。個別には全部違うと思いますが、そのリスクを徹底して分析して対応できる機能を作るしかないのではないかと。類似で考えると保険ですね。そういう機能だと考えないといけないと考えています。
問題は、必要性とそれに対応できる能力なんです。財政的にも人材的にもそのリスクをカバーしていこうと思うと、中々ひとかどではそれを用意することはできない。基礎的な保険的な部分は統一できるんですが、それ以外の機能的に作り直す必要があります。権利擁護みたいな世界で、アドボカシーなんですが、首切りにあった人に代わって代理交渉をするとか、交渉機能ですね。圧力団体の機能とか機能を分けるといろいろあるんですが、それを構成している人によって利害が違うんですね。Aさんが言われてましたが、一つの組織の中でも身分によって利害相反があってなかなかひとつになっていかないと。基礎的な部分と課題解決の機能を分けて作るとか、それぐらいのことをしてガラガラと組織とか体制を作り直して組織が機能するような方向にね、抽象的な言い方で申し訳ないんですが、考えていかないと。それを皆一つの労働組合が、パートの問題も本工主義を脱皮してパートの問題に一生懸命に取り組むとか、それは個々の労働者はそこまで立ちきれないと思うんです。例えば社会保険加入の時間制限を下げたら、うちの会社の営業利益が全部飛んでしまうと流通や食品、スーパー業界なんか言ってますね。そんなところで政策要求とかとことん話ができるかというと難しい。そういう塊ごとにまとめて統一して、お金の部分ではまとまって要求してみたいな、割り切った議論が必要ではないかと思います。
佐野)様々な福祉団体が介護保険の導入や福祉サービスの広がりの中で活動されているんですが、ほとんど労働組合がないんです。自治労は介護労働者の組織化ということを打ち出しましたね、福祉関係の社会福祉法人などの職員の皆さんはほとんど若い人たちで、おそらく賃金は年収300万もあれば良いほうでしょうね。彼らは結構職場を替えておりまして、定着せずに、業界を渡って行くんですね。その人たちが私の自治体でも5~600人はいるのではないかと。今の依辺くんの話で言うと「労働組合」と言わずとも、ネットワークを作っていくことができたら、次に繋がるのに、とちょっと問題意識を持って見ています。
特にNPO法人の職員なんか大変だと思います。労働組合の旗があがったとか、全労連が組織した、とか騒いでいるだけでいいのかな、と感じていますが。
生駒)ヘルパーやったら、ヘルパーの組織に入っているというわけ?
佐野)それはないと思うな。
生駒)職業紹介的な機能を持った組織みたいなものはないのかな。
依辺)個人的な関係が結構支配的でね、流動性の高い労働市場なんですね。一ヶ所に長い事いるというのは少ないと思いますね。
<大阪府内のマイナス人勧への取り組み>
B)国の人事院勧告が史上初のマイナス勧告ということでね、言えば民間はそれだけ低いということなんですがね、大阪府の人事委員会報告だけがプラス勧告を出したわけですね。大阪府もすでに24ヶ月延伸を実施済みで、国家公務員より低い水準にあるということで去年までは、国家公務員より低い事実は認めつつも、財政再建中ということで勧告はされなかったわけです。それが今年は運動もあってプラス勧告になったわけです。
府労連闘争の結果、減額の遡りをしない、マイナスは1月からという決着をしたわけです。この結果が、大阪府内の自治体の賃金交渉には影響を与えたようで、マイナスの遡及をしないという流れができたのかな、と感じています。半分くらいの自治体がいけたかなということのようですね。
依辺)Aさんにお尋ねしたいのですが、若い組合幹部の話ですが、労働組合の名前だとか、組合活動に重きを置くというのではなく、現場の人のために汗を掻くというんですか、お金を払っている組合員の利害ですね、いろいろなレベルの利害があるんですが、ともかく、その人たちのために献身するというスタンスもないんでしょうかね。
A)うちの組合の場合は極端なんですね。過去の運動と現在の運動がね。総括した結論がね。長期抵抗路線で運動がめちゃくちゃになってね。労使関係も押し込められたんで、擦り寄るしかなかったという事情もあった。もともと戦術的な転換で半分は運動の根っこもあるんですがね、結果的に切り替わってきた。活動家としていい奴はいるんですね。ただ、組合活動がねボランティア的になるんですね。職場で組合員に返えさなあかんと、それがレクとかイベントになってしまうんですね。それが組合運動の返しかたやみたい認識が前提の活動になってしまっている。
意見として機能的に分けていく必要があるというのはそのとおりなんですが、政策的に今の状況を突破していくのか、という議論がし難い。問題意識がね、そこにないわけで。組合費をまじめに返さなあかん、とね。返し方としては、無理ができない、ということになる。
依辺)たぶん、その機能も一つの機能なんですね、やっぱり。ただ、それだけで終わっちゃうのは問題やね。 (続く)
【出典】 アサート No.302 2003年1月25日