【投稿】長良川河口堰の撤去まで闘う

【投稿】長良川河口堰の撤去まで闘う   —11月3・4・5日に長良川監視DAY

<本格運用がシジミに影響>
5月の野坂建設大臣(当時)による長良川河口堰本格運用開始の決定強行以降、現地では、しじみプロジェクト(反対運動メンバーと赤須賀漁協有志による河口堰生態モニタリング調査)が続けられている。影響調査は河口堰上流10km、河口堰隣の揖斐川付近、河口堰下流500m、河口堰上流700m、河口堰上流3600mの5カ所で行われ、5Kgのしじみ取り漁による生貝、死貝、ごみ、他の生物の重量、および個数を調べるもので、94年3月以来月に1回行われてきました。上流10k地点ではまだ河口堰の影響が出ていないのに対して、河口堰下流500m地点ではほとんどしじみの姿が見られないという結果がでました。この場所は河口堰建設以前には、しじみ漁の最高の場所であり、淡水と海水が交わる汽水域でした。そして最高漁場だった河口堰付近はいまや真っ黒なヘドロと腐った植物だけなってしまいました。堰が本格運用されたことによる生態系への影響がはっきりとしてきたわけです。

<生態調査、環境調査結果は全面公開せよ>
こうした結果は予想されてきたとは言え、今年3月から8回の「長良川河口堰円卓会議」がの中で建設省と反対派がそれぞれの主張を闘わせ、生態調査などの議論が行われている最中の建設大臣による「見切り発車」が生み出したものです。
一方サツキマスは、ちょうど遡上の時期に堰の試験運用が始まり、3日ゲートを閉め1日開くという操作が行われたため、サツキマス漁は今年は昨年の1/3という不漁になっています。アユについては、昨年生まれた稚魚は海から4月頃に川を上り、9月から10月に河口から45kmの岐阜市の南部付近で産卵し、孵化した稚魚は河口堰を越えて海に向かうことになりますが、ダム湖である河口堰をはたしてどれだけの稚魚が越えられるものか。今年生まれた稚魚が成魚になって帰ってくるのは来年のことになりますが、長良川のアユ全滅の事態が迫っているのは確実です。それを知ってか建設省は受精させた2億個のアユの卵を海へ放つ計画だそうですが・・・・・
しじみ、サツキマス、そしてアユと長良川の賜物とも言える生き物たちへの河口堰の影響は確実に生まれてきており、反対運動の側は「長良川監視委員会」を結成して自ら環境調査、生態調査を続けつつ、建設省・水資源公団による環境調査データの全面公開を求めているのです。

<11月5日に長良川監視DAY>
生態調査の結果は、長良川河口堰問題が「見切り発車=本格運用開始」によっても何ら解決していないことを示しています。反対運動側は毎年秋に全国規模の結集を「長良川DAY」として開催してきたが、今年は「長良川監視DAY」を計画しています。
11月3日には、長良川上流でカヌーデモを行い、4日には長良川河口堰上流の伊勢大橋右岸でコンサートや監視委員会からの詳しい報告を受けるイベント、そして5日にはデモ、カヌ-による水上デモなどの一斉行動が予定されています。
もし読者の中で、この反対行動に行ってみたいという方がありましたら編集委員会までご連絡ください。詳しい資料をお送りします。(佐野)

【出典】 アサート No.215 1995年10月27日

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