【投稿】何のための育休? —生理休暇の無給化と引き替え—
私の勤める会社では、この5月から「つわり休暇」と「通院休暇」の導入と引き替えの形で生理休暇が無給となりました。会社は、情報処理業界で従業員は約800人です。
会社には36協定等の窓口として、従業員会があるのですが、事前の協議なしにすすめられました。変更の理由もはっきり示されないまま、就業規則の改定が実施され、その後に従業員会代表の意見書提出と、労基署への届出が行われました。つまり、合理的な理由がないまま就業規則が不利猛変更されてしまったのです。
その後、従業員会役員の改選が行われましたので立候補し、会長となりました。私以外の役員のほとんどは、立候補ではなく互選で選出されました。私は、新役員に労働基準法の説明をし、今回の変更がいかに不当なもの盲、を訴えました。そして、役員の一致した意見で、改定の白紙撤回を求めることになり、人事部長との協議を迎えました。
しかし人事部長は、「手続きに問題はなかった。前の役員は文句を言わなかったのに、今更何だ」という態度でした。私以外の役員のほとんどは、急に物わかりが良くなってしまいました。私は、人事部長と従業員会の役員の両方を相手に、再度労働基準法を説明しました。その結果人事部長は、事前協議の必要性を認めながらも、今回の改定については、「決定事項であり、手続きも完了している」と主張し結局、「今後は事前協議に努める。生理休暇の問題は、今後問題点が明らかになれば、見直しを含めて従業月会から提案する。」ことで決着しました。
人事部長の人権意識の希薄さ、従業員の権利意識の低さにめげながら、にがい酒を飲む私に副会長がささやきました。「出世したい人と、そうじゃない人との差ですね。」 皆さんの周りでは、育児休業法の施行後変化がありましたか?是非聞かせてください。(東京S.H)
【出典】 青年の旗 No.177 1992年7月15日