【投稿】複雑な思い隠せず、新しい気持ちで出直したい

【投稿】複雑な思い隠せず、新しい気持ちで出直したい

ゴルバチョフ大統領(ソ連共産党書記長)による、党書記長辞任表明、および党中央委員会に対する党解散の提案直後、動揺した私がその気持ちを静めるために、書店で手にした本が今回本紙でご紹介しているものです(書評「革命後の社会」)。要するにあのような本にすがりたい(社会主義が社会の進歩、歴史の発展において果たした役割を高く評価し、社会主義の未来を確信したい)という気持ちでいるわけです。
私は非常に複雑な心境で今日の事態の推移を見つめています。私は1977年に大学に入学し、同年10月に民学同へ加盟しました。以来14年間の政治活動生活になるわけですが、その3分の2以上の年月において、私は今日のソ連で保守派・反動派と批判されている人達に自らを近付けて考えてきたわけです。腐敗と堕落の極みが明らかにされ、保守・反動の牙城として糾弾され解党のやむなきに追い込まれたソ連共産党は、つい今まで私にとっては世界革命の前衛だったわけです。
今思えばソ連の実情をありのままに伝えていた報道・主張などに対しては「反ソキャンペーン」とひとくくりにして排撃しておりました。ある程度言い逃れのできる言い方だったとはいえ、アフガニスタンヘのソ連の侵攻を正当化しました。
「核戦争の脅威を減らすために、社会主義ソ連が率先して骸兵器を削減すべきだ」との平和運動運動家の意見に対しては、「米ソ均衡のとれた削減を」と主張し、これを退けてきました。わずか3年前の労青正式結成・全国協議会結成に際して「民主集中制を組織の原則とする」ことを強く主張し、「マルクス・レーニン主義以外には科学的社会主義の理論は存在しない」と主張してきました。
自分の不明さを反省しています。
反動のうねりを身を挺して阻l上し、混沌した状況の中ででも、新しい社会のあり方を考え、討議し、自分達の将来の社会を自分達の力で切り開いていこうとするソ連の民衆に見習い、もう一度、新しい気持ちで出直したいと思っています。
(東京 W.K.)

【出典】 青年の旗 No.167 1991年9月15日

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