【ウォール街占拠運動】 99%対1%の闘いは続く
3・1全米教育行動デー「教育を占拠せよ」
3・1、フィラデルフィアの抗議行動
ウォール街占拠運動の重要な一環として、3・1全米教育行動デーが呼びかけられ、ニューヨーク、シカゴ、ワシントン、フロリダ、ボストン、ロスアンゼルス、マイアミ、サンフランシスコなど全米各地で、「教育を占拠せよ」運動が展開され、1%のための教育ではなく、99%のための良質な教育、公教育の擁護を掲げ、学生、教師 生徒、保護者、多くの市民が公立学校の閉鎖 民営化 解雇と序列・差別化に抗議し、抵抗する闘いを繰り広げた。
ニューヨークでは、市教育委員会とブルームバーグ市長の教育予算削減、授業料の大幅値上げ、法外な奨学金負債、教育の民営化と企業化、破綻した教育政策に抗議し、マンハッタン、教育庁前にデモ隊が結集。ニューヨーク市では、全米で実施された読解力と数学の試験結果に対する各教員の指導力の成果を測るとする評価システムと共に、1万8千人の教師の名前を公表したり、生徒や保護者、卒業生の多くが存続を求めてきた貧困地区公立高校の閉鎖を強行したブルームバーグ市長の施策への批判が高まっている。
フィラデルフィアでは、「教育は権利だ」「私たちの学校を救え」「州政府はファシストだ」とプラカードや横断幕を掲げ、学生たちが市庁舎前の交差点を封鎖、警官隊と対峙。ワシントンDCでも「教育を守れ」と大書した横断幕を先頭に広い街路一杯にデモ行進が行われた。
シカゴでは、市長のラーム・エマニュエルが「生徒の25パーセントはどうせろくな人間にならないだろう」として、市民の選任をへていない教育委員会が7校の閉鎖、他の10校のすべての教師を解雇することを投票で決定、これに対してシカゴ教員組合委員長のカレン・ルイスは「地域社会の基盤となってきた地域の学校が取り壊されようとしている」と訴え、シカゴ・ハムボルトパークのピッコロ校の占拠に引き続き、この日の抗議行動参加者たちは、授業料値上げに関する公聴会議場を占拠。
ニューヨークの学生集会の「行動の呼びかけ」は、「われわれは、1%が作り出した危機の代償を拒否する。銀行や企業が記録的な利益を確保している一方で、学校や大学を解体することは容認できないし、教育の再差別化、授業料の大幅値上げ、巨額の学生ローン、そして教育の民営化と企業化を拒否する。」として、最後に「今こそ共に行動する機会が到来しており、われわれは圧倒的多数を代表しており、この闘いを勝ち抜く決意である。教育は投げ売り商品ではない。教育を取り戻し、新しい歴史を切り開こう」と呼びかけている。(オキュパイ・ウォールストリートのサイトOWSより紹介、 生駒敬)
(写真は、3・1、フィラデルフィアの抗議行動)
<<3・30「教育基本条例を徹底批判する」>>
なお、「9条改憲阻止の集い・大阪」(代表 生駒敬)は、2月の「大阪ダブル選挙の結果と維新の会が突きつけたもの」に引き続き、3月30日、「教育基本条例を徹底批判する」をテーマに例会を持つ。当日は「2/16、17と二回にわたって放映されたMBSテレビ夕方のVOICEの緊急取材番組「米国流教育改革の“落とし穴”」「競争の果て・・・ニューヨーク教育改革の実情」は、大阪の教育基本条例案に先行すること10年、まったく同様なアメリカの「落ちこぼれゼロ法」がいかに教育の荒廃をもたらしたか、を取り上げたものであった。同じ過ちを推進せんとする橋下徹氏は、インターネット上のツィートでこの番組に怒りをぶちまけ、「朝からMBSに怒り心頭だよ、今回は度を越している。これはメディアとして良いのかね。大阪の基本条例をアメリカの教育専門家に見せてコメント求めた。アメリカの教育改革の失敗と同じ道を歩むと。アメリカ教育学者のコメントを大々的に流した」と毒づいている。当日はこの番組の映写」を予定しており、報告と討論が行われる。参加ご希望の方は、本誌編集部まで事前にご連絡を。
【出典】 アサート No.412 2012年3月24日