【投稿】「へいわに!たのしく!くらしたい!」

【投稿】「へいわに!たのしく!くらしたい!」
     ~「平和の旅」後に、映画「キャタピラー」を観て考えたこと~

 わたしは、6年前から毎夏、教職員なかまとともに「平和の旅」を計画し参加している。沖縄→韓国(『ナヌムの家』)→済州島→知覧→岩国・大久野島→沖縄、それぞれの地で聞きとりをさせていただき、「負」の遺産を多数目にしてきた。
 今夏は、8月9~11日、長崎を訪れた。4月「軍艦島へ行きたい!」と言うメンバーの提案があり、長崎出身の友人のガイドを得て、「長崎平和ツアー」は実現した。
 台風の影響で雨が降ったりやんだりの中、平和公園内の「追悼長崎原爆朝鮮人犠牲者(碑)」に祈念の物を供えた後、原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に参列した。広島での式典に参列する前に、長崎を訪れた潘基文国連事務総長が供えた花輪に引かれ、カメラのシャッターを押した。
 09年4月、オバマ米大統領はチェコ共和国プラハにて、「私は、米国が核兵器のない世界の平和と安全を追求する決意であることを、信念を持って明言いたします。」と演説、「核兵器廃絶」を提唱した。こうしたオバマ大統領の方針を反映し、今年8月6日、広島原爆死没者慰霊式・平和祈念式(平和記念式典)にルース駐日米大使が初めて出席し、潘基文事務総長も国連事務総長として初の式典出席を果たした。
 秋葉広島市長は、平和宣言の中で、「今こそ、日本国政府の出番です。『核兵器廃絶に向けて先頭に立』つために、まずは、非核三原則の法制化と『核の傘』からの離脱、そして『黒い雨降雨地域』の拡大、並びに高齢化した世界全(すべ)ての被爆者に肌理(きめ)細かく優しい援護策を実現すべきです。また、内閣総理大臣が、被爆者の願いを真摯(しんし)に受け止め自ら行動してこそ、『核兵器ゼロ』の世界を創(つく)り出し、『ゼロ(0)の発見』に匹敵する人類の新たな一頁を2020年に開くことが可能になります。核保有国の首脳に核兵器廃絶の緊急性を訴え核兵器禁止条約締結の音頭を取る、全(すべ)ての国に核兵器等軍事関連予算の削減を求める等、選択肢は無限です。」と提唱した。が、菅首相は、式典後の記者会見で「核抑止力は、我が国にとって引き続き必要だ。」と述べ、いろいろありながらも民主党政権を「支持」している者としては、またもや失望させられてしまった。
 旅のメインであった「端島(軍艦島)での学び」は、台風のため船が欠航しあきらめざるをえなかったが、心に残ることがいくつかあった。中でも、「岡まさはる記念長崎平和資料館」の展示資料は、これまで各所で見てきた資料より衝撃的で、日本の「加害」を鋭く問いかけている。長崎を訪れた際には、ぜひ見学を。
 主演の寺島しのぶが、第60回ベルリン国際映画祭銀熊賞(最優秀女優賞)を受賞したこともあって、話題作となった映画「キャタピラー」を、お盆明けの18日に観た。若松孝二監督は、「6月19日沖縄、8月6日広島、8月9日長崎、8月14日全国劇場」と、公開日にこだわったそうだ。わたしは、公開前から「キャタピラー」という題名が何かしら気になっていたが、視終わった後、「キャタピラー(芋虫)」で描いてみせた「忘れるな、これが戦争だ」という若松監督の強烈なメッセージが心にズシッときた。
 監督が「この映画では、戦争とは何なのか、戦争によって人間が破壊されていくとはどういうことなのかを、正面から描きたかったのです。それも、派手な戦闘シーンなどではなく、人間を通して描きたかった。」と語る、映画「キャタピラー」は、現在(9月10日までは上映予定)、「第七藝術劇場」(阪急十三駅から徒歩3分位)で上映中。
 「へいわに!たのしく!くらしたい!」わたしは、日々そう願っている。世界中の誰もが抱く願いかも知れないが、その完全なる実現には、まだまだ相当な努力が必要だ。「平和の旅」を重ねつつ、努力していきたいと思っている。
(教育労働者 Kawachi) 

 【出典】 アサート No.393 2010年8月28日

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