【投稿】99年・統一地方選挙観戦記

【投稿】99年・統一地方選挙観戦記 

ワールドカップ・フランス大会観戦記以来の投稿です。今回は99年統一地方選挙の感想を書かせてもらいます。大きくは2点です。
まず第一は、共産党の日の丸、君が代問題に対する姿勢です。

○恥知らずの日本共産党
統一地方選挙の火蓋が、まさに切られようとする直前に記者会見、さらには大量の全戸ビラ。内容はみなさんご存知のとおり、「国旗、国歌の法制化については反対しない」、「国会で法律として採択されればこれを認める」。要約すればこんなところ。
票を取るためには、なんでもするこのような態度ははなもちならない。今の議席状況を考えれば、「国旗・国歌の法制化」=「日の丸・君が代の法制化」であることは誰の目にも明らか。これに対する責任は無視。「恥知らずの日本共産党」これに極まれり。

○自民党ですら逡巡する法制化
「日の丸・君が代」法制化を語るとき、近隣諸国の反応(近代史の評価をめぐる問題)は忘れてはならない視点。だからこそ自民党ですらその本心とは別にこれまで踏み切ってこなかったはず。
それをいとも簡単に、たかが選挙の票が欲しいために、この時点に言い出すことの犯罪性は誰の目にも明らか。「筋を通す政党」が聞いてあきれる。

○あさましすり替え
「日の丸・君が代」はその出典の議論もさることながら、しょせん明治政府が国策として作成したもの。「君が代」で言えば、本来大昔の「恋歌」。尾崎豊の「I LOVE YOU」となんら変わらない。これを天皇にすり替えた当時の明治政府のコーディネート能力は特筆に価します。時代が変わり今度は、日本共産党が見え見えのあさましいすり替えをするとは、開いた口が……こんなやつらにワールドカップの時の
感動が解るかい!

第二点目には大阪の知事選挙です。
○「相い逃げの大阪」
この選挙の中で、知事選挙が全国で12個所、そのうち10個所が「相乗り」。
大阪では、各政党ともノックの前にまさに「不戦の誓い?」。東京がうらやましく
思えたのは、わたしの人生ではじめてのこと。
4年前にノックが出たときを思い出してください。大政党が談合して、中央官僚を
擁立し、これに対して、賢明な大阪府民はまさに神の審判を下したのでした。
この4年間、大政党は何をしていたのでしょうか。1999年4月に知事選挙があることは、予定のこと。日本が戦争に巻き込まれて、政府がその統治能力を失い、憲法が停止しないかぎり、たとえ天皇が休止したとしても不動の予定。ノック4年間の評価をする前に自己の評価をすべき。
まさに、これを「相い逃げ」と言わずになんと言うのでしょうか。

○「相い逃げ」は立派な犯罪
なぜなら、政党助成法が成立、施行されています。政党は少なからず国民の税金で運営されているはず。政党は常に政見、政策を国民に提示し政権を目指す人間の集団だと私は思っています。その意味では「相乗り」の方がまだまし。闘わずして金を受け取ることは、詐欺または不当利得を得ることと同じ。立派に犯罪の構成要件を成立させていませんか。この意味で、日本共産党だけは犯罪を構成しないのがこの世の皮肉。

○大阪に政党は不要
今回、知事選挙の無効票および白票の数が例年の倍あったことが、4月13日の朝刊に報じられていました。私もその内のひとりです。決してノックに対して評価も否定もできる材料もありあませんが、「ラ」しなかったのです。個人的にはおもしろいオッサンだと思います。ただ、大阪の政党は、政党を名乗る資格がないことだけはわかります。
大阪には政党は不要です。今すぐその看板を外して解散すべきです。
途方もない財政赤字を抱える地方自治体。東の石原、西の横山両氏の健闘と手腕に注目していきたいものです。
(大阪・宝山 豊)

【出典】 アサート No.258 1999年5月22日

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