【コラム】ひとりごと –社会主義と民主主義–
▼この間の社会主義情勢を見ていると考えさせるものがある。ゴルバチョフ登場からペレストロイカ。そして市場経済導入、東西ドイツの統一(とはいっても西ドイツへの吸収合併)更にはクーデター以降には、これまでの連邦制の破綻、共産党中央委の機能停止等々、その情勢の変化は目まぐるしい▼当初は、民主主義が閉塞された社会主義が、今、問われたのだと歓迎したが、この間の動きを見ていると、マスコミの「社会主義の崩壊」を認めざるを得ないと思われる▼私心から言えば、中学時代から社会矛盾を感じ、高・大学時代には、社会科学・社会主義への展望を学び求めてきた自分にとっては、少なからぬ戸惑いを感じる。同じく感じる同盟員もいるのではないか▼しかし、動揺ばかりせずに、冷戦時代から協調の時代、科学技術の飛躍的発展等々の現代の中で、今までのイメージ、発送から脱却して「社会主義」について考え直すことも大切なのではないか▼そもそも社会主義が民主主義がより発展した社会形態だという原則に立ち戻るとするならば、また今日の社会主義を巡る情勢が「民主主義」を中心に問われていることを考えると、余り難しく考えずに、ただ「もっと民主主義を!」と、ひたすらに「民主主義」として、どうなのかを考え、判断することも一つの指針ではないのかと思うのである▼このように考えると、少なくとも「平和・人権・社会福祉」等々、日本において民主主義的諸課題が山積みしている中で、いささかも自分の運動エネルギーが減退することはない。(U生)
【出典】 青年の旗 No.167 1991年9月15日