民学同統一会議ニュース No7

民学同統一会議ニュース No7 1970年6月8

【主張】ニクソン演説 侵略実行、再確認
  6月、強力な反撃を!
★米軍全面撤退、侵略加担反対かかげ 6.15,6.23に各学園で大統一行動を
★露骨な就職差別 阪大
★400名の大学改革討論集会 関大
★団交出席要求し、寮生が集会 学大
★学生の厳しい要求で、同和教育の科目設置 阪大

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【主張】ニクソン演説 侵略実行再確認 6月、強力な反撃を!
(1)
侵略を拡大するニクソンは6月4日全米向けテレビ放送で演説しカンボジア軍事介入の「成果」を大宣伝し、更に「力の政策」を再確認し、臆面もなく7月1日以降の軍事介入を宣言した。
ニクソンはカンボジア軍事介入を「戦争を拡大するためではなく、ベトナム戦争を終わらせるためである」との強盗の論理を再び強調し、「南ベトナムに残っている米軍の安全を危うくするような方法で反撃を増大してくるならば、私は5週間前に示したような状況に応じた、強い効果的な措置をとる」と、今後も民族解放運動を武力で抑圧することを確認している。そればかりか、6月30日、カンボジアから米地上軍が撤退した後も「空からの行動」を米軍が続行することを明示した。「空からの行動」が地上戦闘と密着したヘリコプター作戦をも含むとすれば、引き続き米軍が主要戦闘力として介入を続けることを意味している。
また、演説は南ベトナム「政府」軍の残留を認め、韓国、タイ派遣のカイライ軍への武器供与を強めるならば、米軍のカンボジア侵略は無期限に引き延ばされたに等しい。ニクソンは又もや侵略をエスカレートさせた。政府軍のカンボジア作戦は黙認され、あまつさえ、武器供与、援護作戦をひきうけ、カンボジア爆撃を「力の論理」で正当化し、「南ベトナムの米兵の声明と安全を守るために」という侵略と強盗の論理を理由としているのである。

(2)空文句のニクソン演説
演説は“我々の主要軍事目標は今日、すべて達成された・・・予想以上に大量の軍需品を捕獲し、破壊し・・米軍及び同盟軍の死傷者は予期したよりも非常に少なかった」更に「この作戦はベトナム化計画の成功を立証した」と述べている。
しかし、この「成果」の大宣伝に対し、米軍高官筋は、”作戦成功は早計”だと反論し、”重要なのは、この作戦は米軍が今後さらに撤退した後、南ベトナム「政府」軍が主要な戦闘をひきうけるようになるまでに必要な時間かせぎに役立つかどうか”と言っている。
ニクソンは”大成功”と言い切り、米軍高官筋は”結果は今秋”としている。この評価の違いは、大統領ニクソンの”苦悩”を表明している。

(3)矛盾深める米国内の世論
 現在、米国内では様々な分野で反ニクソンの運動が高まっている。ドル危機、インフレ、物価高騰、失業者の増大(失業率5%)、黒人差別、米国民は、その元凶をベトナム戦争として理解している。
 ワトソンIBM会長は、”ベトナム戦争が続けば、米国経済は回復不能になる”とまで言い切っている。
 米上院は。カンボジア作戦についての”大統領全権付与”を否決し、また、米国のカンボジア介入阻止骨抜き案”を否決した。こうした国内事情を背景にニクソン演説が「成果」を大宣伝し、10月15日までの5万人撤兵を打ち出さざるを得なかったのである。しかし、国内向けの”ポーズ”とインドシナでの事態の進展は全く逆であり、それを裏打ちするように民族解放勢力の攻勢が始まっている。
 また、ニクソン演説をもっては米国民及び全政界の平和勢力は騙されないであろう。
 インドシナからの米軍の全面撤退こそ平和への唯一の道であり、我々の闘いはそのことを必ずや実現するであろう。

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