Assert Webの更新情報(2019-10-22)

【最近の投稿一覧】
10月22日
【投稿】超金融緩和・マイナス金利の異常 経済危機論(5)
10月19日
【投稿】日本の河川行政の根本が問われる台風19号の豪雨による水害
10月18日
【書評】『農家女性の戦後史──日本農業新聞「女の階段」の五十年』
10月15日
【投稿】米中「第1段階の合意」をめぐって 経済危機論(4)
10月9日
【投稿】海上自衛隊観艦式は中止せよ
10月4日
【投稿】電気料金を横領して、知らぬ存ぜぬを決め込む関電の腐敗構造

【archive 情報】
大阪市立大学:学生運動の軌跡 ビラコレ 68年–70年」を更新。(10/11)
「1967-09/10  10・8羽田闘争と市大自治会運動」を追加。(10/11)

大阪の戦後学生運動史」を公開しました。(10/10)
戦後学生運動の歴史」を公開しました。(10/18)
民主主義の旗(第2期)」を公開しました。(10/18)

【準備中】
「民学同第2次分裂(B)(C)」「民学同第3次分裂」のページを準備中です。

カテゴリー: 更新情報 | Assert Webの更新情報(2019-10-22) はコメントを受け付けていません。

【投稿】超金融緩和・マイナス金利の異常 経済危機論(5)

<<IMFの警告>>
10/15、IMF(国際通貨基金)は今後の世界経済見通しに関するレポート(IMF 2019 Global Financial Stability Report)を発表し、これまでの世界経済予測(2019年の3.9%の成長予測)を下方修正(3.0%)、10年前の金融危機以来、経済成長率が最も低いレートに落ちると予測し、世界経済は「同期した減速」にあり、「不安定」かつ「不確実」と表現、「貿易障壁の高まりと地政学的な緊張の高まりにより成長は引き続き弱まっている」と述べ、新たな世界的な金融危機の懸念を提起し、強い警告を発表している。経済危機の進行への強い警告を発したのである。
同レポートは、超金融緩和、負の金利政策の実施と関連して、「短期的には緩和的な金融政策が経済を支えているが、それらに依存した政策は財政的なリスクテイクを促進し、一部のセクターや国の脆弱性のさらなる蓄積を促進している」と指摘している。
しかしIMFはわずか3年前には「「負の名目金利の経験は限られているが、全体として追加の金融刺激策を提供するのに役立ち、需要と物価の安定を支援するはずである。」と評価していたのである。自らが支持し、推進してきた不健全かつ異常、危険な、マネーゲームと投機を促進し、実体経済を損なう超金融緩和政策、その危険性に警告せざるを得ない事態を認識しだしたということでもあろう。事態の推移を注視してきた人々にとっては、同レポートは深刻な現状を確認したものに過ぎないとも言えよう。
一方、FRB(米連邦準備制度理事会)は10/16、金融市場に量に制限を設けない、無制限の金融緩和政策に踏み切り、月に約600億ドル(約6兆5000億円)、財務省短期証券を購入し、少なくとも6カ月間継続することを明らかにした。2014年10月に量的金融緩和を終了して以来、5年ぶりに保有資産の拡大に踏み切るのである。翌10/17、ニューヨーク連邦準備銀行は、流動性を高めるためとして104.15億ドルを金融市場に投入している。米国の金融当局によるこの2つの行動は、米国が金融市場に再び無制限の量の現金・金融緩和を提供することにより、世界経済の差し迫った不況に対応しているのだという姿勢を表明したつもりなのであろう。
しかし問題はこうした超低金利、ゼロ金利、一部を除いて史上かつてなかったマイナス金利(EU、日本等)まで伴った「型破りな金融政策」によってだぶついたマネーは、深刻な金融危機の条件を作り出しており、新たな悪循環、時限爆弾を準備し、10年前のリーマンショックをも上回る破壊的な危機を作り出す可能性を高めていると言えよう。市場原理主義に基づく規制緩和、それと対をなした緊縮政策と一体となって推進されてきた金融緩和政策がいよいよ限界に達し、実体経済に投資されることなく、かえって実体経済を損ない、バブルや投機的なよりリスクの高い金融資産に投資することを促進するものである。 続きを読む

カテゴリー: 生駒 敬, 経済, 経済危機論 | 【投稿】超金融緩和・マイナス金利の異常 経済危機論(5) はコメントを受け付けていません。

【投稿】日本の河川行政の根本が問われる台風19号の豪雨による水害

【投稿】日本の河川行政の根本が問われる台風19号の豪雨による水害
福井 杉本達也

1 「水害も自己責任」か?―被災者など眼中にない政府・与党
台風19号による豪雨で甚大な被害が出ている。今回の災害で亡くなった人は10月18日時点で、80人 、不明11人、堤防の決壊は、千曲川や阿武隈川など7県にまたがり71河川の128か所に上っている。宮城県丸森町など、今の時点では詳しい状況が確認できていない地域もあり、被害の全容はまだ分かっていない。自民党の二階俊博幹事長は13日、 台風19号の被害を受けて開いた党の緊急役員会のあいさつで、「予測されて色々言われていたことから比べると、まずまずで収まったという感じだ」と語った(朝日:2019.10.13)その後、二階氏は「日本がひっくり返るような災害に比べれば、そういうことだ」と釈明。
ようするに国民を生身の人間としてではなく、数でしか捉えていない。安倍首相はラグビーにうつつを抜かし、菅義偉官房長官は15日の記者会見では、22日の天皇の即位を祝うパレードは「淡々と進める」と述べていたが、さすがに、被害が広範囲に及ぶことが明らかとなってきた18日、パレード中止を決めた。この国家の指導者にとって、「貧困は自己責任」・「学費が払えないのは自己責任」・「就職難は自己責任」・「病気は自己責任」そして「水害は自己責任」なのである。 続きを読む

カテゴリー: 杉本執筆, 災害 | コメントする

【書評】『農家女性の戦後史–日本農業新聞「女の階段」の五十年』

『農家女性の戦後史──日本農業新聞「女の階段」の五十年』 (姉歯暁、2018年、こぶし書房。2,200円+税)  

1967年、『日本農業新聞』に「女の階段」という女性投稿欄が登場した。本書はその50年にわたる歴史から、戦後、特に「高度成長期に大きく変化していく農村の風景と家族のありさま」を語る農家女性の生の声を通じて、そこに描き出されている「農家女性のたちの思いとその思いを生み出した時代を読み解く」。そして「女性たちが『なぜ?』と問うてきた数々の『不条理さ』をもたらしてきたものを探る」。
 生産性向上運動~米作りの奨励~減反政策~酪農の奨励~農産物自由化等々と目まぐるしく変わる戦後農政の方針転換に振り回される農家において、そのしわ寄せを最下層で受け続けてきたのが農家女性たちであった。
 例えば、敗戦後の食糧増産政策の下で、「女性たちの農作業と家事育児等の労働時間を合わせた労働時間の総計は男性を凌駕しており、困窮を極める生活の中でもっとも負荷がかかっていたのは農家の女性たちだった」。この負荷の軽減を図るために提唱されたのが生活改善運動であった。しかし「それはあくまでも農家女性を家庭内労働の専業的担い手と位置づけてそこに集中的に指導が行われた」。このために「当時、『家』制度が厳然と残る農村において、女性だけを対象に生活改善を提起することは、家事労働をはじめとする家庭内労働の担い手が女性であることをこれまで以上に明確に宣言しているに等しいものであった」。しかし他方では、これをきっかけにさまざまな課題に関わりあう女性たちのグループや組織も出始め、後の農薬表示改善運動、無農薬・有機栽培、産直運動の芽生えにつながったと評価される。
 また米価について言えば、「そもそも、消費者米価と生産者米価とは食管法上連動しないはずであった。生産者米価は、米の生産が持続的に行われることを目的に、生産費と農家が費やした労働時間に見合う所得補償分を組み込んで算定される。今でいう、フェア・トレードの考え方とよく似ている。一方、消費者米価は家計費を基準にその時の経済情勢を考慮して決定されることになっていた」。ところが1975年の米価引き上げ(生産者米価14.4%、消費者米価19%)に際して政府は、消費者米価と生産者米価が関連するかのごとき姿勢を取り、消費者団体は、消費者米価の引き上げを生産者米価の引き上げに起因する主張として反対運動を起こしたのである。こうして、生産者米価(食管制度)をめぐる農家と政府との対立は、消費者と生産者の対立に置き換えられ、農業叩きが連日マスコミによって報道されたという経緯が語られる。
 同様の農業叩きは、農産物の自由化の動きにおいても行なわれた。1980年代末に「マスコミはこぞって“日本の物価が高いのは──つまりあなた方一般国民が暮らしにくいと感じるのは──農業生産者のせいである。彼らは補助金にあぐらをかき、近代化、合理化を怠っている。農業という遅れた産業を早く合理化、近代化しなければならない。同時に、せっかく円高で安いのだから農産物は輸入しようではないか。それが家計を助けるのだ。それを妨げているのは農協と既得権益を死守しようとする農家だ”という言説を振りまいた」。
 これらの動きの底流にアメリカからの農産物の輸入圧力があり、戦後農政は、政府の対米貿易政策と深くかかわりを持ち、大豆・小麦・米の生産や削減は、アメリカとの政治的妥協の産物であったことが示される。本書はこれをアメリカの「日米構造協議以来の戦略」と特徴づける。このように戦後の農家は政治に左右されてきたが、しかし他方では、「『米価と票の取引』と揶揄されるように、補助金と引き換えに砦を少しずつ明け渡し、政府への依存を強めていった農協、農家」に対する消費者の不信感も広く存在し、これが「農家女性たちと都会の消費者との分断」を成功させたと指摘する。
 そして本書は、農村内部で農家女性を追いつめる「日本型福祉社会」を鋭く批判する。「女の階段」に投稿してきた女性たちの多くは「戦後民主主義のもとにありながら、未だに家父長制的イデオロギーが蔓延する農村で悔しい思いを飲み込んできた、いわゆるサンドイッチ世代」、つまり「明治生まれの姑につかえ、戦後生まれの嫁との間に挟まれる世代」である。「この世代の女性たちは、自身の半生を介護に捧げ、いつか自分たちも嫁を迎えたら、それで自分は『嫁』としての役割から解放されるものと期待し、毎日を耐えてきた。その一方で、この世代の女性たちは、それまでの女性たちが背負ってきた不条理さを自分の代で終わらせたいと考える先進性も身につけているのである」。
 しかし彼女たちを取り囲んでいたのは、「自民党家庭要綱」に見られる家庭の「役割」=「老親の扶養と子供の躾けは、第一義的には家庭の責務であることの自覚が必要である」といった「国民個々人の自助努力」「家庭の相互扶助」を強調する「日本型福祉社会」のイデオロギーであり、女性に家事・育児・老親の介護の責任を負わせて社会福祉を後退させる政策であった。この中では「国の社会保障」は、本来の機能を果たせない「家庭」に対するものとして位置づけられ、それに頼ることはその過程が本来の機能を持っていないというレッテルを貼られるということになった。「こうして、介護は家庭の中で処理されるべき問題とされ、国家のサポートから切り離された家族が(正確には家族の中の娘や嫁が)福祉機能のすべてを背負わされる」という状況がもたらされたことは周知の事柄であろう。
 このように「嫁や娘だけで介護を背負うことがすでに限界にきていることを、そして、そのことをなかなか理解してもらえない夫をはじめとする男性の『家族』に対して『女の階段』の読者たちは、切実に訴える」という深刻な状況を指摘する本書は、「まさに農村の内側からみたリアルな女性史であり、政治史、経済史、農政史であり、そして生活史そのものである」。(R)

カテゴリー: 書評, 書評R | 【書評】『農家女性の戦後史–日本農業新聞「女の階段」の五十年』 はコメントを受け付けていません。

【投稿】米中「第1段階の合意」をめぐって 経済危機論(4)

<<「貿易戦争の終結に非常に近いところ」>>
10/11、トランプ米大統領は中国の劉鶴副首相が率いる中国側貿易交渉団をホワイトハウスに招待した席で、「中国との貿易交渉で実質的な第1段階の合意にいたった」とし「両国は貿易戦争の終結に非常に近いところにいる」と発表した。2日間にわたる高官級貿易交渉での「第1段階の合意」は、中国が米国産農産物を大量購入する一方、米国は10/15に予定されていた中国産製品に対する関税率引き上げを延期するというのが骨子である。また、中国の通貨を管理する方法に関する指針にも合意した、という。トランプ大統領は「近いうちに類例のない大規模な農産物輸出の道が開かれるはず」だとして、「農業関係者は土地とトラクターを購入して中国特需に備えなければいけないだろう」とまで述べている。トランプ大統領は「第1段階の合意案を作成するのに3週から5週ほどかかるとみられる」とし「準備できれば中国の習近平国家主席と私が首脳会談をして署名することになるだろう」と述べている。しかし同時にトランプ大統領は、例によって「今後数週間で破談になる可能性」にも言及している。10/15の報復関税実施を目前に控えた、とりあえずの、なんとも不安定極まりない合意ではある。
中国側は、「新たな中米閣僚級経済貿易協議が10日から11日にかけて米国ワシントンで行われた。双方は両国首脳の重要な共通認識をガイドラインとして、共に関心を抱く経済貿易問題について率直で効率的、建設的な議論を進めた。双方は農業や知的財産権の保護、為替相場、金融サービス、貿易協力の拡大、技術移転、紛争解決といった分野で協議し、実質的な進展を得た。双方はまた今後の協議日程についても討議し、最終的な合意に向けて共に努力することに同意した。」と発表している。
10/12付人民日報「鐘声」(国際評論)は、「経済貿易摩擦をしかけ、エスカレートさせても、貿易赤字を減らす助けにならないだけでなく、その悪影響は想像をはるかに超えたものになる。製造業からサービス業、消費などの分野へと拡散し、米国民が悲鳴を上げる状況に追い込まれ、米国の企業家が追加関税撤廃申請を数えきれないほど出していることが、それを物語っている。米側は中国への抑圧が結局のところ米国にどれだけの反作用をもたらしているかを考えてみるべきだ。」と述べ、さらに「米商務省が先ごろ発表したデータによると、米国の8月の商品・サービス貿易赤字は前月から1.6%増加した。そして米供給管理研究所(ISM)が今月初めに発表した調査データによると、9月の米国の製造業購買担当者景気指数(PMI)は大幅に低下し、2009年6月以来最低のレベルになっており、米国製造業の委縮が加速したことが分かる。米労働省の最新データによると、経済の不確実性と製造業委縮の影響を受け、米国の8月の新規就業者数は前月より1.7%減少し、昨年11月のピーク時の数から50万人減った。これらの状況は、他国を抑制し、圧力をかけ、国内の矛盾を国外に転嫁することでは、そもそも強い米国を維持できないことを物語るに十分だ。」と釘を刺している。
ともかくも泥沼の関税戦争突入を、たとえ一時的ではあれ停止させたことは、ただちにニューヨーク株式相場に反映し、ここ数か月大幅続落を繰り返し、10/2には530ドル超下げていたダウ工業株30種平均は、前日終値比で一時500ドル超の上昇で歓迎された。 続きを読む

カテゴリー: 生駒 敬, 経済, 経済危機論 | 【投稿】米中「第1段階の合意」をめぐって 経済危機論(4) はコメントを受け付けていません。

【投稿】海上自衛隊観艦式は中止せよ

10月9日現在、今年度最強クラスの台風19号が日本列島に向かっている。最新の予報では、10月12日~13日に関東地方に接近、上陸の可能性が高くなっている。とりわけ、先の台風15号で甚大な被害を受けた千葉県は、それを上回る災害発生が懸念されている。

こうしたなか10月12日~14日にかけて、「令和元年度自衛隊観艦式」が横須賀、横浜、木更津および相模湾において開かれる予定となっている。

自衛隊の観閲式、観艦式は陸、海、空の各年持ち回り開催となっているが、今年は海自の番にあたり、空母に改装予定の「いずも」「かが」をはじめイージス艦などが一般公開され、艦艇46隻、航空機40機が参加する。 日程は、12,13日が事前公開で14日に本番となっており、いずれも市民向けの体験航海が設定されているが、今回は自衛隊員の募集難を反映し、特別に青少年優先枠を設けるなど、政府、防衛省は宣伝工作に躍起になっている。

しかし、台風直撃が懸念される中、お祭り騒ぎをしている場合ではないだろう。台風15号の際、安倍政権は組閣作業を優先させ、対応の遅れから被害の拡大を招いた。昨年の西日本豪雨時に、議員宿舎で宴会をしていたことへの反省のかけらもない証左である。

今回、災害対応より軍事パレードを優先させるようなことは、有ってはならない。2017年の空自観閲式は台風22号のため中止となった。政府は直ちに観艦式を中止し、動員予定の装備、人員を災害に備えさせるべきであろう。立憲、国民の両民主党も統一会派の人事を巡ってもめている時ではない。野党共闘で直ちに中止を申し入れるべきであろう。

カテゴリー: 平和, 政治 | 【投稿】海上自衛隊観艦式は中止せよ はコメントを受け付けていません。

【投稿】電気料金を横領して、知らぬ存ぜぬを決め込む関電の腐敗構造

【投稿】電気料金を横領して、知らぬ存ぜぬを決め込む関電の腐敗構造
福井 杉本達也

1 3億2千万円もの金をポケットに入れた関電の役員
関西電力の役員ら20人が福井県高浜町の元助役森山栄治氏(今年3月に90歳で死亡)から金品を受領していた問題で、岩根茂樹社長(66)と八木誠会長(69)は10月2日、大阪市で記者会見を開き、昨年9月11日作成の調査報告書を公表した。受領した金品の総額は3億1845万円相当で、現金のほかスーツ券や金貨、小判型の金、米ドルなどもあった。最多は原子力事業本部(福井県美浜町)で本部長代理を務める鈴木聡常務執行役員の1億2367万円で、元本部長の豊松秀己元副社長の1億1057万円が続いた。また、森山氏はこの他、福井県幹部職員にも贈答品を送っていたとされる(福井:2019.10.3)。この金の出どころは森山氏が顧問を務めていた高浜町にある建設会社の吉田開発であり、吉田開発は関電から工事を請け負っており、電気料金の一部が吉田開発から森山元助役を通して発注元の経営者個人の懐に転がり込むという「資金環流」の構図が明らかとなった。ことの発端は、金沢国税局が昨年1月、関電の高浜原発や大飯原発の関連工事を請け負う吉田開発を税務調査したところ、この会社から森山氏に工事受注の手数料として約3億円が流れていたことが判明。さらに森山氏から2017年までの7年間、関電の八木誠会長や岩根茂樹社長ら役員ら6人に計約1億8000万円の資金提供が確認された。税務当局の調べに対し、役員らのうち4人は森山氏へ資金返却し、修正申告。森山氏も申告漏れを指摘され、追徴課税に応じたという。また、吉田開発から直接、関電の役員への金品が提供されていたことも明らかとなっており、今後、調査が進めば新たなルートが浮上してくるかもしれない。高浜原発の工事受注に絡んで地元の有力者に巨額のカネが渡り、一部が関電幹部に還流していたのが事実であれば言語道断である。工事発注や資金提供などで関電側の行為が関連していれば取締役の収賄罪が適用される可能性もある(郷原信郎弁護士)。 続きを読む

カテゴリー: 原発, 政治, 歴史 | 【投稿】電気料金を横領して、知らぬ存ぜぬを決め込む関電の腐敗構造 はコメントを受け付けていません。

【投稿】共産党の「野党連合政権構想」と『しんぶん赤旗』の危機 統一戦線論(64)

 <<「現状は率直にいって危機的であります」>>
共産党の機関紙『しんぶん赤旗』の危機的状況について、すでに8/29付け同紙は、「しんぶん赤旗」と党の財政を守るために、と題して、財務・業務委員会責任者の岩井鐵也氏が、「率直にお伝えしなければならないことがあります。それは、日刊紙・日曜版の読者が8月1日の申請で100万を割るという重大な事態に直面し、この後退が『しんぶん赤旗』発行の危機をまねいていることです。そして、『しんぶん赤旗』の事業は党の財政収入の9割をしめるという決定的な役割を担っています。『しんぶん赤旗』の危機は、党財政の困難の増大そのものです。『しんぶん赤旗』の後退は、中央も地方党機関も財政の弱化に直結します。党の役割が大きくなり、党活動の強化が求められているそのときにその支えとなる財政が足りない――これほど悔しいことはありません。総選挙をたたかう財政の備蓄もこれからです。この事態打開には全党のみなさんの力の結集がどうしても必要です。全党の力で『しんぶん赤旗』と党の財政を守ってください。お願いします。」という悲痛な訴えを掲載している。異例な事態である。100万部の内訳は、日曜版は80万部強、日刊紙は党員数にも満たない20万部を割っているという状況である。
そして9/15、共産党の第7回中央委員会総会が開かれた。志位委員長は、「あいさつ」の中で、「党員でも、読者でも、わが党の党勢は、1980年ごろをピークにして、残念ながら長期にわたって後退傾向が続いてきました。党員は、50万人近くから、現時点は約28万人です。『しんぶん赤旗』読者は、1980年のピークは355万人でしたが、現時点は100万人を割っています。」と述べて、「現状は率直にいって危機的であります」と、共産党の現状が危機的で重大な事態にあることを認めている。
その原因について、志位氏は、「主体的な活動の問題点もありました。その都度自己分析と方針の発展も行ってきました。同時に、わが党をとりまく客観的条件の問題がありました。そのなかでも最大の問題は、1980年の『社公合意』によって『日本共産党を除く』という『壁』がつくられたことであります。」と述べている。討論を経て出された総会決議も、1980年以降、党勢が後退を続けている主たる原因を「社公合意」による共産党排除の「壁」に求め、そのことによって職場の党組織、若い世代の中での党建設が困難にさらされたことを強調している。
40年近く以前の「社公合意」をもって、党勢後退を40年後の現在に至るまで続けている「主たる原因」、「最大の問題」にするなどという、筋違いも甚だしいあきれ果てた志位委員長の手前勝手な「自己分析」がそのまま総会決議でも繰り返されているのである。真面目に議論しているのであろうか。
共産党がこれまで抱えてきた統一戦線政策に相反するセクト主義、自民党に勝利をもたらせ、大いに喜ばせてきた「自共対決論」に象徴されるわが党第一主義、すべては党勢拡大、強大な党建設、それが後退すれば「力不足」としてしか総括できてこなかった、共産党自身が抱える内的要因を、「社公合意」という外的要因にすり替える論理である。それが、40年近くたって今回突如持ち出されたのはなぜなのか。内輪の自己都合的な冗談、放言程度ならまだしも、多数の「中央委員」なる人々の真剣な議論を経たはずの総会決議でもそれが堂々とまかり通るという、この党の知性欠落、知的頽廃、指導部全体の責任放棄には愕然とさせられる。
40年前ではなく、ごく最近、この党の2年半前(2017年1月)に開かれた前回の第27回党大会時の党勢と比べてもその論理矛盾は甚だしい。当時、党員30万人、機関紙読者110万部であった。それが現時点では党員28万人、機関紙読者100万部を割ったというのだから、党員数は2年半で2万人、機関紙読者数は10万部以上減ったことになるが、それは「社公合意」とは何の関係もない。しかも、総会決議が指摘しているように、「しかしこの4年来、『日本共産党を除く』という『壁』は崩壊」しているのである。それにもかかわらず、党勢が引き続き後退しているのはなぜなのか、内的要因によって危機を招き寄せているという、本来あってしかるべき、誠実で真剣な「自己分析と方針の発展」がまるでないのである。これは責任逃れ、逃亡の論理であり、疑いもなく共産党という党組織そのものが存亡の危機、崖っぷちに立たされていることの証左でもあろう。日本における統一戦線の発展にとって、共産党の果たすべき役割が軽視できないだけに、憂れうべき現状と言えよう。 続きを読む

カテゴリー: 政治, 生駒 敬, 統一戦線論 | 【投稿】共産党の「野党連合政権構想」と『しんぶん赤旗』の危機 統一戦線論(64) はコメントを受け付けていません。

【投稿】重大犯罪を処罰しない福島第一原発事故東電旧経営陣への無罪判決

【投稿】重大犯罪を処罰しない福島第一原発事故東電旧経営陣への無罪判決
福井 杉本達也

1 福島第一原発事故で東電旧経営陣3人への無罪判決
9月19日、福島第一原子力発電所事故の責任を巡り、東京電力の旧経営陣3人に東京地裁は、無罪を言い渡した。巨大津波を予見し、有効な対策を打てたのか。判決は検察官役の指定弁護士が予見可能性の根拠とした地震の予測や津波の試算について「信頼性に疑義がある」と判断、それぞれの刑事責任を問うのは難しいと結論づけた(日経:2019.9.20)。
判決では、争点を「被告らに津波襲来の予見可能性があったと認められるか否かだ。結果の重大性を強調するあまり、あらゆる可能性を考慮して必要な措置を義務付けられれば、法令上は認められた運転が不可能になる」とし、予見可能性についても「原子炉等規制法や審査指針などからすると、原発の自然災害に対する安全性は『どのようなことがあっても放射性物質が外部に放出されることは絶対にない』といった極めて高度なレベルではなく、合理的に予測される災害を想定した安全性の確保が求められていた。」、「自然現象に起因する重大事故の可能性が一応の科学的根拠をもって示された以上、安全性確保を最優先し、事故発生の可能性がゼロないし限りなくゼロに近くなるように、必要な結果回避措置を直ちに講じるということも社会の選択肢として考えられないわけではない。しかし、本件事故発生前までの時点で当時の法令上の規制や国の指針、審査基準は絶対的安全性の確保までを前提にしていなかった。3人は東電の取締役という責任を伴う立場だったが、規制の枠組みを超えて刑事責任を負うことにはならない。」(日経:2019.9.20)とした。 続きを読む

カテゴリー: 原発, 杉本執筆 | 【投稿】重大犯罪を処罰しない福島第一原発事故東電旧経営陣への無罪判決 はコメントを受け付けていません。

【投稿】サウジ・アラムコ石油施設攻撃をめぐって 経済危機論(3)

<<ドローン攻撃>>
9/14、サウジアラビアの国営石油会社サウジ・アラムコが無人機による攻撃を受け、爆発炎上、2カ所(アブカイクとクライス)の石油施設が大規模に破壊された。いずれも世界最大級の精製プラントであり、原油の輸出拠点としても世界最大で、アブカイクの施設だけでアラムコの昨年の生産量(日量1000万バレル)の50%を処理している。
アメリカが支援し、サウジが主導する軍事介入で無差別空爆を受け、5年にもわたってインフラが破壊され、人道危機に陥れられている隣国イエメン、その反政府武装組織フーシ派(Huthi)が犯行声明を出し、10機のドローンで攻撃したとし、「今後も作戦を拡大させる」と主張している。フーシ派は過去にも、サウジの標的をドローンやミサイルで攻撃している。
この攻撃によりサウジの石油生産は日量570万バレル減少する見通しで、原油価格は急上昇。サウジ当局者によると、「深刻」な供給混乱は数週間ないし数カ月続く見通しだという。
サウジアラビアは、アメリカのパトリオット・ミサイル防衛システムや、最先端のレーダー技術を購入するのに、何十億ドルも費やし、最高のアメリカの軍事技術でこれら石油精製プラントは保護されていたはずである。それが、サウジアラビア領域内最長1,000キロも無人戦闘機の侵入を許し、いともたやすく打破され、アメリカは戦略上の防衛約束を果たすことできなかった。しかもドローンは、石油施設を攻撃するのに十分強力な武器を搭載して長距離飛行が可能であることを示し、世界経済に重要な位置を占める石油施設がいかに脆弱なものであるか、露呈されてしまったのである。
あわてたトランプ米大統領は9/14、サウジアラムコの石油施設が攻撃を受けると即座に米国は「臨戦態勢にある」とツイッターに投稿。ポンペオ国務長官が何の証拠も上げることなく、イランを非難、無理やりイランに悪党の役を振り当てたのだと言えよう。
週明けの9/16、ニューヨークの原油は2009年以来の1日での上昇幅を記録し、15%上昇の1バレル62.9ドル、欧州でも北海ブレンドは、30年ぶりの15%上昇で69ドルを記録している。サウジが通常の生産レベルを回復するのにかかる時間が長いほど、石油の価格は高くなるのは当然であろう。 続きを読む

カテゴリー: 生駒 敬, 経済, 経済危機論 | 【投稿】サウジ・アラムコ石油施設攻撃をめぐって 経済危機論(3) はコメントを受け付けていません。

【投稿】ドルの基軸通貨からの撤退と人民元の金準備制への移行

【投稿】ドルの基軸通貨からの撤退と人民元の金準備制への移行
福井 杉本達也

1 新たな国際金融通貨制度を提唱したイングランド銀行総裁
8月23日、カーニー英イングランド銀行総裁は米ワイオミング州ジャクソンホールに集まった世界中の中央銀行幹部を前に、「多極化した世界には新たな金融通貨制度が必要だ」と強調、「技術革新と仮想的なプラットフォームがそれを可能にする」と述べ、基軸通貨ドルに代わるデジタルな『合成的覇権通貨』を提唱した。総裁はトランプ政権の「赤裸々な保護主義」をやり玉 に挙げ、新たなデジタル覇権通貨が「世界貿易へのドルの横暴な支配を弱める」と述べた(日経:2019.9.7)。総裁はドルによる世界金融体制支配が、超低金利による流動性の罠と弱い成長のリスクを高めたと述べた。
米国が圧倒的に世界最大の金融立国である状態が続く限り、同盟諸国は、中国より米国を重視する姿勢を続ける。だが米国の金融は、史上最大の金融バブル膨張の状態にあるが、これは、中国や同盟諸国が米国の債券を買い支え、ドルを基軸通貨として貯め込んでくれることが必要だった。それには、米中の良好な経済関係と、同盟諸国が米国に協力する覇権体制が必要だったが、トランプは、これらを破壊している。「アメリカは中国から切断しつつある。そのプロセスの影響はあらゆる世界経済に損害を与えた。他の国々は、損害を避けるため、アメリカから自ら切り離す以外選択肢はない。」(Moon of Alabama:2019.8.24)。「米国第一」とは覇権を降りることである。ドルの基軸通貨からの離脱はあるのであろうか。 続きを読む

カテゴリー: 杉本執筆, 経済, 経済危機論 | 【投稿】ドルの基軸通貨からの撤退と人民元の金準備制への移行 はコメントを受け付けていません。

【投稿】危機を招く新段階の米中関税戦争 経済危機論(2)

<<悪いニュースに悪いニュースが重なった>>
トランプ米大統領は、貿易戦争を全く新しい危険なレベルに引き上げてしまったと言えよう。
9/1、日曜日の午前12:00にトランプ政権は、中国からの輸入品ほぼすべてに制裁関税を広げる「第4弾」の関税戦争を発動したのである。まずテレビやカメラなど3243品目、約1120億ドル(約12兆円)分に15%を上乗せし、残りは12月15日からさらに1600億ドル相当の中国製品に拡大される予定であり、税率も上昇する可能性がある。新しい関税は即日発効し、履物や衣類から特定のテクノロジー製品に至るまで、幅広い消費者製品に影響を与えることは確実である。予期していたのであろう、その発動の実に一分後、中国も同様に2回に分け、計750億ドル相当、5078品目の米国製品に5%または10%の追加関税を課すことを明らかにした。報復のエスカレーションが危険な段階に突き進んでいるのである。
昨年、トランプ氏は「貿易戦争はいいことだ 簡単に勝てる」とツイートしている(2018/3/2)。その時には「ある国(米国)が取引しているほぼ全ての国との貿易で何十億ドルもの損失を被っている時には、貿易戦争はいいことであり、勝つのは簡単だ。例えば、われわれがある国との取引で1000億ドル(約10兆6000億円)を失っている時にその国が厚かましい態度に出るなら、もう取引をやめよう。そうすればわれわれの大勝利になる。簡単なことだ」と述べていた。また、対中強硬派として知られるナバロ国家通商会議(NTC)委員長も会見で、「(報復の連鎖で)中国の方が失うものが多い」と楽観的な発言をしていた(2018/6/19)。
9/1の新たな関税発動を受けた、9/3の米国株式市場は軒並み下落、ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.61対1の比率で、ナスダックは2.50対1で値下がり銘柄数が上回る事態となった。同じ日に、米供給管理協会(ISM)が公表した8月の製造業景気指数が2016年8月以来初めて景気拡大・縮小の節目となる50を割り込んだことが明瞭となり、「製造業指標は新たな関税が最悪のタイミングで発動されたことを示唆した。悪いニュースに悪いニュースが重なった格好だ」と報じられている。
トランプ氏の経済顧問であるナバロ氏らは一貫して、貿易紛争は消費者に影響を及ぼさないか、最小限にとどめると主張してきたが、今やそんな楽観論など語れる状況ではなくなっている。今回の約1,120億ドルの中国製品に対する15%の米国の関税は、靴からスポーツ用品に至るまでの製品の消費者価格に影響を与え、米国が中国から購入する衣類や繊維のほぼ90%が関税の対象となり、進行中の貿易戦争が消費者に直接影響を与える転換点となることが確実と言えよう。
発動日を目前に控え、米最大団体の米商工会議所は「景気拡大の『死』は、しばしば誤った政策が原因で起きる」と厳しく非難。同会議所のドナヒュー会頭はワシントン・ポストへの寄稿で、トランプ大統領と中国の習近平国家主席に対し、景気後退を避けるために「9月と12月に予定されている追加関税の発動をやめるべきだ」と訴えている。
さらに追い打ちをかけるように、米連邦準備理事会(FRB)が発表した調査論文は、米中貿易摩擦などによってもたらされる不確実性が企業の生産や投資の縮小を招き、来年初頭にかけて米国だけで2000億ドル(約21兆円)、世界全体で8500億ドル(約91兆円)の損失をもたらすと警告している。またこの論文は、米中の対立によってもたらされた不透明性が「1970年以降最高のレベルにまで達した」と指摘している(ロイター9/6配信)。 続きを読む

カテゴリー: 生駒 敬, 経済, 経済危機論 | 【投稿】危機を招く新段階の米中関税戦争 経済危機論(2) はコメントを受け付けていません。

【書評】『除染と国家 21世紀最悪の公共事業』

【書評】『除染と国家 21世紀最悪の公共事業』
(日野行介、集英社新書、2018年11月発行、800円+税)

 福島第一原発事故から8年、この事故について、事故をなかったことにして忘れよう、あるいは大した事故ではなかったことにしようという権力の意図的な操作が進み、風評被害ということで、まるで国民の側に非があるかの如き風潮が形づくられてきている。しかし原発事故の復興は遠く、被害住民の苦しみは延々と続いている。本書は原発事故後の放射能除染に焦点を当て、除染がもたらした住民への新たな被害と除染を決定した権力の無責任さの一面を暴き出す。
 汚染土が原因の事件の一例である。
 「三〇代の夫婦が福島市内にマイホームを建てるため、汚染土の詰まったフレコンバッグが敷地内に埋められている土地を購入した。福島市から前の所有者を通じて渡された見取り図にしたがって埋設場所を避けて家を新築したが、しばらく経って、市がフレコンバッグを仮置き場に移すために掘り起こしたところ、一部が家の真下に埋まっていることが分かり、すべて取り出せなかった。不正確な見取り図が問題だと市に抗議したが、まったく取り合ってもらえないとのことだった」。
 なぜこんなことが起こったのか、と言う前に、避難指示区域外で大々的に報じられた除染について、その後の汚染土の処理について無知であったこと評者としては正直に言わねばならないであろう。

 さて、汚染度の保管形態は大きく二つのタイプに分かれる。一方は田畑や空き地などを仮置き場にしてそこにフレコンバッグを積み上げる集中保管型(いわき市、伊達市など)。もう一方は、除染現場の宅地や農地に穴を掘って埋める分散保管型(福島市、郡山市など)で、環境省は集中保管を原則としつつもやむを得ない場合には現場での分散保管を認めている。福島市の場合、仮置き場を確保できた地区から埋めていた汚染土を掘り出し運び入れていた。他の自治体は直接に中間貯蔵施設に運び込む思惑だが、中間貯蔵施設の設置がいまだに決定していないために、現場での分散保管が長期化している。
 この事例の場合、福島市との交渉の中で同じ土地についての別の文書に埋設場所の見取り図がついていることが分かり、購入した夫婦の持っていた図面と比較したところ埋設場所が異なっていたことが判明した。おそらく前の土地所有者がその後に「埋め替え」を求めて、それを実施したので、埋設場所が移ったと推測される。そしてその見取り図は別に保管されていたというわけである。しかし福島市は当初、二枚の見取り図があることを隠したまま対応を続け、「埋め替え前」の見取り図を持って土地を購入したこの夫婦に対して、その後も行政の責任を認めることなく現在に至っている。生活に直接かかわる汚染土についての市のこの姿勢は、杜撰さと無責任を覆い隠す高圧さとしか言いようがない。
 そして本書には、この除染作業をした労働者の証言が生々しい。
 まず「除染は土建工事と同様、大手ゼネコンが元請けとなり、複数のサブコン(関西では「名義人」などとも言う)が下請けに入る。実際に人を雇う地元企業などはさらにその下で、いわゆる『多層請負』の構造になっている」。契約も杜撰で、理不尽な天引きなど、この業界では当たり前であった。
 「契約と同じように作業も杜撰だったという。男性が主に従事したのは、大きなちりとりのような器具で落ち葉と腐葉土をかき集める作業だった。(略)男性は『刈り取った草木を片付けるのが面倒なので、山側に寄せるなんてよくあった話。誰も気づかないし大丈夫』と振り返る」。
 「杜撰な作業が絶えない理由は何か」という問いに、
 「そもそもどこまでやればよいのか決まっていないから。上からの指示もころころ変わった。最初は木の根が見えるまで表土をはいで、根も切るように言われていたのに、途中から暑さ五センチ程度、根が見えるまででよくなった」。
 「除染は必要だったと思うか」という問いに、
 「今考えるとしなくてよかったと思う。だって放射能は自然に減衰する。何もしなくても線量が下がって、被曝する人がいないっていうなら、そのほうがいい。住民を避難させて放っておけばいい。除染すれば作業員は被曝するし、廃棄物も出る。しかも廃棄物を建設資材に使うとか言っているんでしょ。いったい何をしているのって思う」。
 元住民の声を汲み上げることなく進められる「一刻も早い福島復興を」「避難者が戻れるような除染を」という政府のゴリ押しキャンペーンに対する鋭い批判の声がここにある。被曝管理の杜撰さの再検討を含めて、原発事故後の政策自体が根本的に転換されねばならない。
 本書にはこの他、作業員や住民がどの程度被曝するかの試算についてのJAEA(日本原子力研究開発機構)の議事録の不自然さ(消失や書き換え)についての地道な取材の記録もある。その記述を読むと忸怩たる思いにならざるを得ないが、この国の「為政者の情報公開と国民の知る権利の在り方」──「問題が生じれば行政に不都合な公文書を隠し,隠しきれなくなった途端、『実はありました』と言い出す」──が、「事故以前からそういう国だったのだ」という指摘が深く響く書である。(R)

カテゴリー: 書評, 書評R | 【書評】『除染と国家 21世紀最悪の公共事業』 はコメントを受け付けていません。

【投稿】社会党や共産党などの(戦後リベラル)の凋落が激しいが・・・

【投稿】社会党や共産党などの(戦後リベラル)の凋落が激しいが・・・

そもそもの間違いは、「憲法守れ」であり、反自衛隊、反安保、反沖縄基地、そして「社会主義」に対する認識の誤りが、ベースにある。

僕の学生時代(60~70年代)は、自衛隊違憲・非武装中立・護憲のオールド社会党とは違って、共産党は 自衛隊違憲論・防衛政策としては中立自衛政策を掲げていたものだ。

非武装中立は文字通り非武装で自衛隊をなくそうということであり、攻められた場合は抵抗するが、「降参したほうがいい場合もある」と明言するものであった。他方、中立自衛というのは降参などせずに自衛権を発動して戦うというのが基本である。

憲法9条で自衛隊は認められていないからいったん解散するが、ゆくゆくは国民の合意を得て9条を改正し、自衛戦力が持てるようにするというものだった。(非武装中立VS中立自衛の真相、2017年6月12日) 続きを読む

カテゴリー: ソ連崩壊, 政治, 社会主義 | 【投稿】社会党や共産党などの(戦後リベラル)の凋落が激しいが・・・ はコメントを受け付けていません。

日韓GSOMIA失効、その背景と今後の動き*

韓国政府は8月22日、日韓GSOMIAの延長を行わないと決定した。同協定は「北朝鮮ミサイル危機」を背景に2016年11月に締結されたものである。

当時、韓国は日本との軍事連携に消極的であったが、北朝鮮の長距離弾道弾を脅威とするオバマ政権の後押しで、朴政権が渋々承諾した経緯がある。

その後、アメリカ、韓国で政権が交代し、それに伴う東アジア情勢の変化で同協定の本来の根拠は消失した。同協定は惰性的に更新されてきたが、この間の日韓関係の悪化の中で有名無実化しつつあった。

これについて日本国内では、文大統領側近の疑惑隠しのため等々、もっぱら韓国の国内事情に要因を求める論調が大半である。

しかし、文政権がことを急いだのは、GSOMIAを含む日米韓の軍事連携がトランプ政権により、当初の対北朝鮮から対中国へと重心を移されていることが、大きな要因としてある。 続きを読む

カテゴリー: 平和, 政治 | コメントする

【投稿】事実と真摯に向き合わない(評論家)では、リベラルは救われない

【投稿】事実と真摯に向き合わない(評論家)では、リベラルは救われない
・・・                       (反省する勇気)

「7か月以上も、中国は拘束の理由を説明しておらず、楊氏に弁護士や家族との面会も認めていない」
・・・これが、全体主義=共産党一党独裁国の恐ろしいところだ。

もっとも(人権)が保証され、(民主主義)が、守られなければならない社会主義国でなければならない中国や北朝鮮
・・・・これらの国々では、(民主主義)と(人権)という認識が存在していないという不思議さだ。

共産党支配体制(独裁体制)維持が、至上命令なのだから、「非人道的だ、人権不在だ・・・」と言っても通用しない。 続きを読む

カテゴリー: 政治, 社会主義 | 【投稿】事実と真摯に向き合わない(評論家)では、リベラルは救われない はコメントを受け付けていません。

【投稿】蠢く大日本帝国の亡霊達

【投稿】蠢く大日本帝国の亡霊達

8月15日、靖国神社は国家主義を標榜する宗教団体や右翼、さらには排外主義者から、軍装に身を固めたミリオタまでが押し寄せ、境内はさながらカルトのテーマパークの様相を呈した。

こうしたなか超党派の議員連盟である「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」に属する衆参52議員が集団参拝した。これとは別に自民党の荻生田幹事長代理と小泉厚生労働部会長は個別に参拝した。

小泉は7日の総理官邸での結婚会見では「政治家小泉純一郎のまねはすべきではない」と話しておきながら、舌の根も乾かないうちに父親のまねをした。軽薄極まりない振る舞いであり、菅は自分の次は進次郎と考えているようだが、とても総理の器ではないだろう。 続きを読む

カテゴリー: 平和, 政治 | 【投稿】蠢く大日本帝国の亡霊達 はコメントを受け付けていません。

【投稿】差し迫る経済危機の兆候ー 経済危機論(1)

<<「逆イールド現象」の発生>>
経済危機突入の予兆が現れだしたと、多くのメディアが指摘し始めている。きっかけは、景気後退の予兆といわれる長短金利の逆転(逆イールド=満期までの期間が長い債券の利回りの方が、短い債券の利回りよりも低くなる。長期金利の指標である10年物国債利回りと、2年物や3カ月物の国債の利回りを比べるのが一般的)である。逆イールドの発生から1年程度で大規模な株価暴落や世界的な景気後退期に突入しており、2008年リーマンショックの前年にもこの逆イールドが発生していることから、大きく問題視されだしたのである。
そして現実に、この8/14にアメリカの債券市場で、12年ぶりに長期債と短期債の金利が逆転するこの「逆イールド現象」が発生、10年物国債利回りが、2年物国債利回りを1.9ベーシスポイント下回ったのである。先週は過去最高値の水準まで上昇していたニューヨーク株式市場で売り注文が殺到、ダウ平均株価が800ドルも急落、しかもダウ平均を構成するすべての銘柄が下落したのである。さらに今回は、アメリカとイギリスの2カ国でこの逆イールドが同時に発生している。アメリカはトランプ大統領の見境のない貿易戦争で、イギリスはEU離脱問題で、どちらも不安定極まりない政治・経済状況に直面しているだけに、リーマンショック級の大恐慌の不気味な状況に突入するのではないかと、不安が交錯しているのである。同日、東京株式市場でも株価は一時、470円以上下落している。
リーマンショックは金融資本が抱える不良債権、クレジットバブルの崩壊がきっかけであったが、今日の世界経済は当時よりもはるかに重大な内的危機に直面しており、それは貿易戦争、関税戦争、通貨戦争、脱税戦争、そして移民排斥・民族主義的憎悪戦争として世界各地に顕在化している。嫌韓・反韓民族主義が煽られる日本にとってもよそ事ではない。10月の消費税増税は、安倍政権にとっては思いもかけぬ悪いタイミングで、世界経済危機突入の先鞭をつけるかもしれないのである。
問題は、こうした危機突入をむしろ自らの政治的経済的利益の達成に利用せんがために、本来なら危機を回避できる政策、オルタナティブ、ニューディールを放棄して、意図的に危機を利用せんとする動向であり、論調であり、警戒を要するものである。 続きを読む

カテゴリー: 生駒 敬, 経済, 経済危機論 | 【投稿】差し迫る経済危機の兆候ー 経済危機論(1) はコメントを受け付けていません。

【投稿】“嫌韓・反韓”に対峙できない野党共闘 統一戦線論(63)

<<作り出された「最悪の日韓関係」>>
時事通信が8/9~12日に実施した世論調査で、安倍内閣の支持率は前月比3.9ポイント増の47.0%、不支持率は同0.2ポイント減の30.8%であった。韓国向けの輸出管理を強化した措置や、ハンセン病元患者家族をめぐる裁判で控訴を見送り謝罪した政府対応が評価されたとみられる、と報じられている。政党支持率は、自民党が前月比2.4ポイント増の28.0%に対し、立憲民主党5.8%、公明党4.1%、日本維新の会2.2%、共産党2.1%、れいわ新選組1.0%、国民民主党0.6%、NHKから国民を守る党0.4%、「支持政党なし」53.4%であった。 続きを読む

カテゴリー: 政治, 生駒 敬, 統一戦線論 | 【投稿】“嫌韓・反韓”に対峙できない野党共闘 統一戦線論(63) はコメントを受け付けていません。

【投稿】情報発信について

【投稿】情報発信について・・・・今しかない・・・・

昨年12月で69歳になった・・・発信を始めてから、かなりが、経過する。

情報発信中ということで、友人知人に、多くを発信していますが、これは、第1の目的は、自身の勉強のためであり、第2には、共に学ぶための情報共有、意見交換などです。
僕らの時代には、得ることのできなかった情報が、今は、PCなどで簡単に得られるなんて、隔世の感があります。

人生のかなりの部分、反戦平和、人権・平等・・・などの大義の下、自分なりに「運動?」をしてきましたが、それらのすべてが、必ずしも、正解ばかりではなかったという苦い経験が、ベースにあります。

その原因の中の大きな部分・・・・それは、情報不足でした。 続きを読む

カテゴリー: 政治, 社会主義, 社会運動 | 【投稿】情報発信について はコメントを受け付けていません。