Assert Webの更新情報(2019-09-10)

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9月10日
【投稿】危機を招く新段階の米中関税戦争 経済危機論(2)
【書評】『除染と国家 21世紀最悪の公共事業』
【投稿】社会党や共産党などの(戦後リベラル)の凋落が激しいが・・・
9月3日
【投稿】日韓GSOMIA失効、その背景と今後の動き*
9月1日
【投稿】事実と真摯に向き合わない(評論家)では、リベラルは救われない
8月24日
【投稿】蠢く大日本帝国の亡霊達
【投稿】差し迫る経済危機の兆候ー 経済危機論(1)

【archive 情報】
民主主義の旗(第1期)」のページを追加しました。(9/4)
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【準備中】
「民学同第2次分裂」「民学同第3次分裂」のページを準備中です。

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【投稿】危機を招く新段階の米中関税戦争 経済危機論(2)

<<悪いニュースに悪いニュースが重なった>>
トランプ米大統領は、貿易戦争を全く新しい危険なレベルに引き上げてしまったと言えよう。
9/1、日曜日の午前12:00にトランプ政権は、中国からの輸入品ほぼすべてに制裁関税を広げる「第4弾」の関税戦争を発動したのである。まずテレビやカメラなど3243品目、約1120億ドル(約12兆円)分に15%を上乗せし、残りは12月15日からさらに1600億ドル相当の中国製品に拡大される予定であり、税率も上昇する可能性がある。新しい関税は即日発効し、履物や衣類から特定のテクノロジー製品に至るまで、幅広い消費者製品に影響を与えることは確実である。予期していたのであろう、その発動の実に一分後、中国も同様に2回に分け、計750億ドル相当、5078品目の米国製品に5%または10%の追加関税を課すことを明らかにした。報復のエスカレーションが危険な段階に突き進んでいるのである。
昨年、トランプ氏は「貿易戦争はいいことだ 簡単に勝てる」とツイートしている(2018/3/2)。その時には「ある国(米国)が取引しているほぼ全ての国との貿易で何十億ドルもの損失を被っている時には、貿易戦争はいいことであり、勝つのは簡単だ。例えば、われわれがある国との取引で1000億ドル(約10兆6000億円)を失っている時にその国が厚かましい態度に出るなら、もう取引をやめよう。そうすればわれわれの大勝利になる。簡単なことだ」と述べていた。また、対中強硬派として知られるナバロ国家通商会議(NTC)委員長も会見で、「(報復の連鎖で)中国の方が失うものが多い」と楽観的な発言をしていた(2018/6/19)。
9/1の新たな関税発動を受けた、9/3の米国株式市場は軒並み下落、ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.61対1の比率で、ナスダックは2.50対1で値下がり銘柄数が上回る事態となった。同じ日に、米供給管理協会(ISM)が公表した8月の製造業景気指数が2016年8月以来初めて景気拡大・縮小の節目となる50を割り込んだことが明瞭となり、「製造業指標は新たな関税が最悪のタイミングで発動されたことを示唆した。悪いニュースに悪いニュースが重なった格好だ」と報じられている。
トランプ氏の経済顧問であるナバロ氏らは一貫して、貿易紛争は消費者に影響を及ぼさないか、最小限にとどめると主張してきたが、今やそんな楽観論など語れる状況ではなくなっている。今回の約1,120億ドルの中国製品に対する15%の米国の関税は、靴からスポーツ用品に至るまでの製品の消費者価格に影響を与え、米国が中国から購入する衣類や繊維のほぼ90%が関税の対象となり、進行中の貿易戦争が消費者に直接影響を与える転換点となることが確実と言えよう。
発動日を目前に控え、米最大団体の米商工会議所は「景気拡大の『死』は、しばしば誤った政策が原因で起きる」と厳しく非難。同会議所のドナヒュー会頭はワシントン・ポストへの寄稿で、トランプ大統領と中国の習近平国家主席に対し、景気後退を避けるために「9月と12月に予定されている追加関税の発動をやめるべきだ」と訴えている。
さらに追い打ちをかけるように、米連邦準備理事会(FRB)が発表した調査論文は、米中貿易摩擦などによってもたらされる不確実性が企業の生産や投資の縮小を招き、来年初頭にかけて米国だけで2000億ドル(約21兆円)、世界全体で8500億ドル(約91兆円)の損失をもたらすと警告している。またこの論文は、米中の対立によってもたらされた不透明性が「1970年以降最高のレベルにまで達した」と指摘している(ロイター9/6配信)。 続きを読む

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【書評】『除染と国家 21世紀最悪の公共事業』

【書評】『除染と国家 21世紀最悪の公共事業』
(日野行介、集英社新書、2018年11月発行、800円+税)

 福島第一原発事故から8年、この事故について、事故をなかったことにして忘れよう、あるいは大した事故ではなかったことにしようという権力の意図的な操作が進み、風評被害ということで、まるで国民の側に非があるかの如き風潮が形づくられてきている。しかし原発事故の復興は遠く、被害住民の苦しみは延々と続いている。本書は原発事故後の放射能除染に焦点を当て、除染がもたらした住民への新たな被害と除染を決定した権力の無責任さの一面を暴き出す。
 汚染土が原因の事件の一例である。
 「三〇代の夫婦が福島市内にマイホームを建てるため、汚染土の詰まったフレコンバッグが敷地内に埋められている土地を購入した。福島市から前の所有者を通じて渡された見取り図にしたがって埋設場所を避けて家を新築したが、しばらく経って、市がフレコンバッグを仮置き場に移すために掘り起こしたところ、一部が家の真下に埋まっていることが分かり、すべて取り出せなかった。不正確な見取り図が問題だと市に抗議したが、まったく取り合ってもらえないとのことだった」。
 なぜこんなことが起こったのか、と言う前に、避難指示区域外で大々的に報じられた除染について、その後の汚染土の処理について無知であったこと評者としては正直に言わねばならないであろう。

 さて、汚染度の保管形態は大きく二つのタイプに分かれる。一方は田畑や空き地などを仮置き場にしてそこにフレコンバッグを積み上げる集中保管型(いわき市、伊達市など)。もう一方は、除染現場の宅地や農地に穴を掘って埋める分散保管型(福島市、郡山市など)で、環境省は集中保管を原則としつつもやむを得ない場合には現場での分散保管を認めている。福島市の場合、仮置き場を確保できた地区から埋めていた汚染土を掘り出し運び入れていた。他の自治体は直接に中間貯蔵施設に運び込む思惑だが、中間貯蔵施設の設置がいまだに決定していないために、現場での分散保管が長期化している。
 この事例の場合、福島市との交渉の中で同じ土地についての別の文書に埋設場所の見取り図がついていることが分かり、購入した夫婦の持っていた図面と比較したところ埋設場所が異なっていたことが判明した。おそらく前の土地所有者がその後に「埋め替え」を求めて、それを実施したので、埋設場所が移ったと推測される。そしてその見取り図は別に保管されていたというわけである。しかし福島市は当初、二枚の見取り図があることを隠したまま対応を続け、「埋め替え前」の見取り図を持って土地を購入したこの夫婦に対して、その後も行政の責任を認めることなく現在に至っている。生活に直接かかわる汚染土についての市のこの姿勢は、杜撰さと無責任を覆い隠す高圧さとしか言いようがない。
 そして本書には、この除染作業をした労働者の証言が生々しい。
 まず「除染は土建工事と同様、大手ゼネコンが元請けとなり、複数のサブコン(関西では「名義人」などとも言う)が下請けに入る。実際に人を雇う地元企業などはさらにその下で、いわゆる『多層請負』の構造になっている」。契約も杜撰で、理不尽な天引きなど、この業界では当たり前であった。
 「契約と同じように作業も杜撰だったという。男性が主に従事したのは、大きなちりとりのような器具で落ち葉と腐葉土をかき集める作業だった。(略)男性は『刈り取った草木を片付けるのが面倒なので、山側に寄せるなんてよくあった話。誰も気づかないし大丈夫』と振り返る」。
 「杜撰な作業が絶えない理由は何か」という問いに、
 「そもそもどこまでやればよいのか決まっていないから。上からの指示もころころ変わった。最初は木の根が見えるまで表土をはいで、根も切るように言われていたのに、途中から暑さ五センチ程度、根が見えるまででよくなった」。
 「除染は必要だったと思うか」という問いに、
 「今考えるとしなくてよかったと思う。だって放射能は自然に減衰する。何もしなくても線量が下がって、被曝する人がいないっていうなら、そのほうがいい。住民を避難させて放っておけばいい。除染すれば作業員は被曝するし、廃棄物も出る。しかも廃棄物を建設資材に使うとか言っているんでしょ。いったい何をしているのって思う」。
 元住民の声を汲み上げることなく進められる「一刻も早い福島復興を」「避難者が戻れるような除染を」という政府のゴリ押しキャンペーンに対する鋭い批判の声がここにある。被曝管理の杜撰さの再検討を含めて、原発事故後の政策自体が根本的に転換されねばならない。
 本書にはこの他、作業員や住民がどの程度被曝するかの試算についてのJAEA(日本原子力研究開発機構)の議事録の不自然さ(消失や書き換え)についての地道な取材の記録もある。その記述を読むと忸怩たる思いにならざるを得ないが、この国の「為政者の情報公開と国民の知る権利の在り方」──「問題が生じれば行政に不都合な公文書を隠し,隠しきれなくなった途端、『実はありました』と言い出す」──が、「事故以前からそういう国だったのだ」という指摘が深く響く書である。(R)

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【投稿】社会党や共産党などの(戦後リベラル)の凋落が激しいが・・・

【投稿】社会党や共産党などの(戦後リベラル)の凋落が激しいが・・・

そもそもの間違いは、「憲法守れ」であり、反自衛隊、反安保、反沖縄基地、そして「社会主義」に対する認識の誤りが、ベースにある。

僕の学生時代(60~70年代)は、自衛隊違憲・非武装中立・護憲のオールド社会党とは違って、共産党は 自衛隊違憲論・防衛政策としては中立自衛政策を掲げていたものだ。

非武装中立は文字通り非武装で自衛隊をなくそうということであり、攻められた場合は抵抗するが、「降参したほうがいい場合もある」と明言するものであった。他方、中立自衛というのは降参などせずに自衛権を発動して戦うというのが基本である。

憲法9条で自衛隊は認められていないからいったん解散するが、ゆくゆくは国民の合意を得て9条を改正し、自衛戦力が持てるようにするというものだった。(非武装中立VS中立自衛の真相、2017年6月12日) 続きを読む

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日韓GSOMIA失効、その背景と今後の動き*

韓国政府は8月22日、日韓GSOMIAの延長を行わないと決定した。同協定は「北朝鮮ミサイル危機」を背景に2016年11月に締結されたものである。

当時、韓国は日本との軍事連携に消極的であったが、北朝鮮の長距離弾道弾を脅威とするオバマ政権の後押しで、朴政権が渋々承諾した経緯がある。

その後、アメリカ、韓国で政権が交代し、それに伴う東アジア情勢の変化で同協定の本来の根拠は消失した。同協定は惰性的に更新されてきたが、この間の日韓関係の悪化の中で有名無実化しつつあった。

これについて日本国内では、文大統領側近の疑惑隠しのため等々、もっぱら韓国の国内事情に要因を求める論調が大半である。

しかし、文政権がことを急いだのは、GSOMIAを含む日米韓の軍事連携がトランプ政権により、当初の対北朝鮮から対中国へと重心を移されていることが、大きな要因としてある。 続きを読む

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【投稿】事実と真摯に向き合わない(評論家)では、リベラルは救われない

【投稿】事実と真摯に向き合わない(評論家)では、リベラルは救われない
・・・                       (反省する勇気)

「7か月以上も、中国は拘束の理由を説明しておらず、楊氏に弁護士や家族との面会も認めていない」
・・・これが、全体主義=共産党一党独裁国の恐ろしいところだ。

もっとも(人権)が保証され、(民主主義)が、守られなければならない社会主義国でなければならない中国や北朝鮮
・・・・これらの国々では、(民主主義)と(人権)という認識が存在していないという不思議さだ。

共産党支配体制(独裁体制)維持が、至上命令なのだから、「非人道的だ、人権不在だ・・・」と言っても通用しない。 続きを読む

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【投稿】蠢く大日本帝国の亡霊達

【投稿】蠢く大日本帝国の亡霊達

8月15日、靖国神社は国家主義を標榜する宗教団体や右翼、さらには排外主義者から、軍装に身を固めたミリオタまでが押し寄せ、境内はさながらカルトのテーマパークの様相を呈した。

こうしたなか超党派の議員連盟である「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」に属する衆参52議員が集団参拝した。これとは別に自民党の荻生田幹事長代理と小泉厚生労働部会長は個別に参拝した。

小泉は7日の総理官邸での結婚会見では「政治家小泉純一郎のまねはすべきではない」と話しておきながら、舌の根も乾かないうちに父親のまねをした。軽薄極まりない振る舞いであり、菅は自分の次は進次郎と考えているようだが、とても総理の器ではないだろう。 続きを読む

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【投稿】差し迫る経済危機の兆候ー 経済危機論(1)

<<「逆イールド現象」の発生>>
経済危機突入の予兆が現れだしたと、多くのメディアが指摘し始めている。きっかけは、景気後退の予兆といわれる長短金利の逆転(逆イールド=満期までの期間が長い債券の利回りの方が、短い債券の利回りよりも低くなる。長期金利の指標である10年物国債利回りと、2年物や3カ月物の国債の利回りを比べるのが一般的)である。逆イールドの発生から1年程度で大規模な株価暴落や世界的な景気後退期に突入しており、2008年リーマンショックの前年にもこの逆イールドが発生していることから、大きく問題視されだしたのである。
そして現実に、この8/14にアメリカの債券市場で、12年ぶりに長期債と短期債の金利が逆転するこの「逆イールド現象」が発生、10年物国債利回りが、2年物国債利回りを1.9ベーシスポイント下回ったのである。先週は過去最高値の水準まで上昇していたニューヨーク株式市場で売り注文が殺到、ダウ平均株価が800ドルも急落、しかもダウ平均を構成するすべての銘柄が下落したのである。さらに今回は、アメリカとイギリスの2カ国でこの逆イールドが同時に発生している。アメリカはトランプ大統領の見境のない貿易戦争で、イギリスはEU離脱問題で、どちらも不安定極まりない政治・経済状況に直面しているだけに、リーマンショック級の大恐慌の不気味な状況に突入するのではないかと、不安が交錯しているのである。同日、東京株式市場でも株価は一時、470円以上下落している。
リーマンショックは金融資本が抱える不良債権、クレジットバブルの崩壊がきっかけであったが、今日の世界経済は当時よりもはるかに重大な内的危機に直面しており、それは貿易戦争、関税戦争、通貨戦争、脱税戦争、そして移民排斥・民族主義的憎悪戦争として世界各地に顕在化している。嫌韓・反韓民族主義が煽られる日本にとってもよそ事ではない。10月の消費税増税は、安倍政権にとっては思いもかけぬ悪いタイミングで、世界経済危機突入の先鞭をつけるかもしれないのである。
問題は、こうした危機突入をむしろ自らの政治的経済的利益の達成に利用せんがために、本来なら危機を回避できる政策、オルタナティブ、ニューディールを放棄して、意図的に危機を利用せんとする動向であり、論調であり、警戒を要するものである。 続きを読む

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【投稿】“嫌韓・反韓”に対峙できない野党共闘 統一戦線論(63)

<<作り出された「最悪の日韓関係」>>
時事通信が8/9~12日に実施した世論調査で、安倍内閣の支持率は前月比3.9ポイント増の47.0%、不支持率は同0.2ポイント減の30.8%であった。韓国向けの輸出管理を強化した措置や、ハンセン病元患者家族をめぐる裁判で控訴を見送り謝罪した政府対応が評価されたとみられる、と報じられている。政党支持率は、自民党が前月比2.4ポイント増の28.0%に対し、立憲民主党5.8%、公明党4.1%、日本維新の会2.2%、共産党2.1%、れいわ新選組1.0%、国民民主党0.6%、NHKから国民を守る党0.4%、「支持政党なし」53.4%であった。 続きを読む

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【投稿】情報発信について

【投稿】情報発信について・・・・今しかない・・・・

昨年12月で69歳になった・・・発信を始めてから、かなりが、経過する。

情報発信中ということで、友人知人に、多くを発信していますが、これは、第1の目的は、自身の勉強のためであり、第2には、共に学ぶための情報共有、意見交換などです。
僕らの時代には、得ることのできなかった情報が、今は、PCなどで簡単に得られるなんて、隔世の感があります。

人生のかなりの部分、反戦平和、人権・平等・・・などの大義の下、自分なりに「運動?」をしてきましたが、それらのすべてが、必ずしも、正解ばかりではなかったという苦い経験が、ベースにあります。

その原因の中の大きな部分・・・・それは、情報不足でした。 続きを読む

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【投稿】福島第一原発とオリンピック

【投稿】福島第一原発とオリンピック
福井 杉本達也

1 聖火リレー
2013年9月、アルゼンチン・ブエノスアイレスにおいて、安倍首相は,2020東京オリンピックの招致のために,福島第一原発事故は “アンダーコントロール” されていると,「大ウソ」をついた。これで福島原発の「不都合な事実」は国際的にも隠蔽されることが決定された。結果、オリンピックの「聖火リレー」の出発地点を福島原発事故対応拠点だったサッカー競技場Jヴィレッジにし、聖火ランナーは放射能汚染地域をくまなく走り抜けることとなる。とりわけ葛尾村→浪江町→南相馬市を抜けるルートは、人の住めない放射能汚染地域を走るもので、聖火ランナーの被ばくは確実である。東京都に匹敵する広大な国土を放射能汚染地にし、いまなお5万人が避難し続け、今後10万年管理し続けなければならないにもかかわらず、東京オリンピックを「福島復興」・「復興五輪」としてでっち上げ、福島原発事故を無かったものとして、完全に消し去る「大キャンペーン」を繰り広げている。 続きを読む

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【投稿】国際的孤立化進む安倍政権

国際的孤立化進む安倍政権
                  ―参議院選挙では信頼無き「信任」 アサート No.500 2019年7月

G20で埋没した安倍
6月28,29日戒厳令下を彷彿とさせる大阪でG20が開催された。今次会議の課題は、自由貿易体制の維持、環境保全対策の合意、地球規模でのSDGsの推進にあった。日本初の議長である安倍は直後に公示される参議院選挙を意識し、実効性ある合意形成を目指したが徒労に終わった。

米中貿易紛争を始め、様々な個別利害を抱える参加国、機関が納得できる合意の形成は当初から困難視されており、29日に採択された首脳宣言も、総花的な内容となり、その形成過程で安倍の調整能力、リーダーシップの欠如が露わになった環境対策に関しては、この間国際的課題として浮上した、プラスチック系廃棄物による海洋汚染問題について、2050年までに追加的汚染をゼロとすることで合意した。
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【投稿】参院選・安倍政権の敗北をめぐって 統一戦線論(62)

【投稿】参院選・安倍政権の敗北をめぐって 統一戦線論(62)
生駒 敬 アサート No.500 2019年7月

<<自民“敗北”の深刻な現実>>
今回2019年・参院選の結果を、安倍首相は「国民の皆さまからの力強い信任をいただいた」「安定した支持をいただいた」と胸を張り、大手マスメディアも自民党“勝利ムード”を演出している。しかし実態は、深刻な政治的敗北をごまかすものでしかない。
まず第一に、安倍首相はことさらに憲法9条改憲を選挙の争点の第一に掲げたにもかかわらず、これまで改憲派で確保していた改憲発議に必要な3分の2の議席をも割り込み、それどころか、自民党の単独過半数をさえ3年ぶりに失い、改選時の議席数67を57へと10席も大きく減らして、参院での単独過半数を失ったのである。これだけでも、完全な政治的敗北である。
安倍首相や自民党は、あたかも勝利したかのように振る舞い、安倍首相は、「連立与党で71議席、改選議席の過半数を大きく上回る議席をいただきました」とごまかすが、実際には、改選前の77議席を大幅に下回ったのが現実である。その結果、改憲発議どころか、他の法案でさえ自民党単独で法案を通せない現実に暗転したのである。
第二は、議席数の減少だけではない、得票数・得票率の深刻な減少である。自民党の比例区得票数は前回参院選に比べて2011万票から1711万票までに300万票余りも減っているのである。連立を組む与党・公明党の比例得票数も前回757万票から653万票へと100万票余りの減少である。自公与党あわせて400万票余り、2割近くの大量の得票を失ったのである。とても「安定した支持をいただいた」などと言えるものではない。これは明確に、安倍政権に対して「厳しい審判」が下された結果なのである。にもかかわらず安倍首相や自民党幹部は、あたかも勝利したかのように振る舞い、二階幹事長などは「安倍4選」支持まで打ち出している。 続きを読む

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【投稿】「闇の国家」の操り人形としての日本

【投稿】「闇の国家」の操り人形としての日本
福井 杉本達也    アサート No.500 2019年7月

1 イランとの戦争の危機を回避したトランプ
6月20日に米国の無人偵察機がイラン領海内に入ったところで撃墜されたが、これへの報復措置として、同日の夜にイランのイランのレーダーシステムやミサイル関連施設などを標的に攻撃する態勢を整えていた。しかし、トランプ氏は米軍高官から攻撃による死者が150人に及ぶと聞き、「攻撃10分前に中止を命じた」とツイー卜した。 攻撃計画を撤回したのは「無人機の撃墜と(死者数が)釣り合わない」からだとし、「私は(軍事計画を)急いでいない」と語った。(日経:2019.6.22) 米軍高官が開戦に反対している理由は、2003年のイラク戦争に際し、当時のラムズフェルド国防長官は10万人で十分だと主張したが、軍は80万人が必要だとしていた。結局、約31万人が投入されたが、足りず、ずるずると現在まで来ている。イラクの人口は2600万人だが、イランは8100万人であり、イランとの戦争を構えるならば240万人が必要になる。(櫻井ジャーナル:2019.7.12)そのような米軍の動員は物理的に不可能である。さらにはアフガニスタンからの撤退の問題もある。ハント英外相や好戦主義者は、このトランプの決定が気に喰わなかったのであろう。

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【投稿】世界の荒波に漂う安倍政権(2)

【投稿】世界の荒波に漂う安倍政権(2)
―中東情勢に介入し緊張を拡大―  アサート No.499 2019年6月

冊封国主の振る舞い
5月25日、令和最初の国賓として来日したトランプを、安倍は最大限の厚遇で迎えた。26日は朝からゴルフプレー、大相撲観戦、そして締めくくりの飲食と、まさに高級インバウンドと言うべき、接待の連続であった。
トランプの趣味であるゴルフは楽しかったかもしれないが、国技館の升席に設えられた特別席に座ったトランプは、目の前で繰り広げられる取り組みに、何が起こっているか判らない様子がありありで、「どちらが勝ったのか」と安倍に尋ねていたと言う。
六本木の高級炉端焼き店では、魚介類を食さないトランプに対し「アイダホポテト」のじゃがバタを供しようとしたが、実際は北海道産だったと言うオチまでついた。
上げ膳据え膳の接待外交のフィナーレ、おおトリの役割を担ったのは新天皇夫妻であった。27日皇居にトランプ夫妻を迎えた新天皇の振る舞いは、あたかも宗主国皇帝に即位の報告と承認を乞う冊封国主の姿の様に映った。
こうした皇室の対応に同夜の宮中晩さん会に臨んだトランプは、終始上機嫌であった。即位早々、最大限政治利用された形となった新天皇であるが、不満はおくびにも出さず、寧ろ喜々として安倍と同様に冊封国主としての役割を受け入れているようであった。
トランプは訪日最終日の28日には横須賀で護衛艦「かが」を視察したのち、強襲揚陸艦「ワスプ」に移りスピーチを行ったが、ここではホワイトハウスが政敵であった故ジョン・S・マケイン三世の名を冠したイージス駆逐艦を、本人の目に触れないようにブラインドすると言う椿事が発生した。
第7艦隊は当該駆逐艦も含む相次ぐトラブルの発生で、練度の低下が指摘されているが、この一件でさらにモチベーションが下がったことは間違いない。これに関しては安倍のあずかり知らぬ事とはいえ、軍艦の上で強固な日米同盟を叫んでみても、その足元は揺らいでいることが明らかになったのである。
トランプの3泊4日の日本訪問で、安倍との会談はサイドメニューに過ぎなかった。肝心の経済問題に関する合意事項はほとんどなく、最初から日米共同声明も予定されないと言う前代未聞の首脳会談となった。
首脳会談後の記者会見では、日米貿易交渉を加速させることで一致したと明らかにしたが、これは交渉が事実上停滞していると言うことである。
またトランプは26日に自らのツィッターに「妥結は参議院選挙後になる」と配慮を示したように見えたが、会談では参議院選直後の8月決着を要求した。これに対して安倍は会談後の会見で時期について言葉を濁すなど、日米のすれ違いが改めて浮き彫りとなった。
北朝鮮問題については安倍が無条件での日朝首脳会談を求める意向を示したのに対し、トランプは全面的な支持を表明したが、訪日直前には「短距離弾道弾の発射については気にならない」とツィートするなど、安倍の悲壮感との温度差が際立ったのである。
唯一トランプが具体的な成果としたのは、「爆買い」と言われるF35戦闘機の購入のみであったと言っても過言ではない。

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【投稿】「テロ対策施設」未完成で再稼働中の全原発が順次運転停止へ

【投稿】「テロ対策施設」未完成で再稼働中の全原発が順次運転停止へ
福井 杉本達也 アサート No.499 2019年6月

1 九州電力川内原発1号機が来年3月運転停止に
九州電力の川内原子力発電所1号機が2020年3月18日に運転停止となる。テロ対策施設「特定重大事故等対処施設(特重施設)」の完成が20年3月17日の期限内に間に合わないためである(日経デジタル:2019.6.14)。「特重施設」とは「原発に航空機を衝突させるなどのテロ行為が発生した場合に、遠隔操作で原子炉の冷却を続ける設備などを備えるテロ対策施設『特定重大事故等対処施設』」をいう。既に、原子力規制委の4月24日の会合で、「電力会社に対し、『原発本体の工事計画の認可から5年』の完成期限の延長を認めないことを決めた。再稼働済みの九州電力川内原発1号機(鹿児島県)は来年3月に期限を迎え、その時点で運転中でも施設が完成していなければ運転停止となる。」(産経:2019.4.24)等々と各紙で報道されたところであるが、川内1号のみならず、2号、関電の大飯3、4号、高浜3,4号、四電の伊方3号など全国の稼働中の全原発が今後順次運転停止に追い込まれることとなる。
規制委は、2015年11月に「特重施設」の設置期限を新規制基準制定後5 年以内というそれまでの規定を、本体施設工事認可後5 年以内に変更した。本来、本体施設の設置許可変更申請と同時に「特重施設」の設置を申請すべきところ(新規制基準の制定は2013 年7月)、経過措置規定により5 年間の適用猶予をしたが、この適用猶予の起点をさらに本体施設工事認可時に変更していた。
今回も電気事業者は「特重施設等の設計で、審査を通して安全性の向上を図ってきた結果、現地工事は、大規模かつ高難度の土木・建築工事となるといった状況変化が生じてきている。」、「規制委員会殿において、事業者の対応の状況、更なる安全向上のために要する期間を総合的に考慮し、対応を検討いただきたい。」(電力9事業者:「特重施設等の設置に向けた更なる安全向上の取組状況について」2019.4.17)として、またぞろ「適用猶予」を「確信」していたところ、いきなり梯子を外された形となった。

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【投稿】参院選・野党統一候補をめぐって 統一戦線論(61)

【投稿】参院選・野党統一候補をめぐって -統一戦線論(61)
アサート No.499 2019年6月

<<安倍政権、ダメージの急浮上>>
安倍首相は「政治ショー」・イラン訪問の成果を引っ提げて外交手腕をアピールし、参院選大勝を目指したつもりが、逆に何の成果もなしに醜態をさらけ出すことになってしまった。「自分ならハメネイ師に会うことができる」(朝日新聞6/11付)と持ちかけ、トランプ大統領のメッセージを携えて訪問したが、ハメネイ師は「私はトランプ大統領個人は一切メッセージを交換するに値しない人物だと思っている」と一蹴されてしまったのである。しかも、安倍首相が自ら買って出たイラン訪問の最中に、アメリカはイランに対する追加制裁を発表している。ただ単にダシに使われ、ぶち壊されているのである。米紙ウォールストリート・ジャーナルは「中東和平における初心者プレーヤーが痛みを伴う教訓を得た」との見出しで「日本の指導者による41年ぶりの訪問を終え、米国とイランの対立関係は以前より不安定になった」とその逆効果ぶりを論評、ドイツ誌シュピーゲルは「仲介役としての試みに失敗した」と断じている。
一方、イランのハメネイ師は安倍首相に対し、核兵器の製造・保有・使用の意図はないと明確に語っている。トランプ大統領が「事態のエスカレートは望んでいない」などと対話も口にするなら、イランとの包括的核合意から一方的に脱退し、経済制裁や軍事的な脅しや恫喝、危険な戦争挑発などはやめるべきだと、安倍首相が説得すべきなのは、トランプ大統領なのである。トランプ大統領に取り入り、兵器爆買いに走り、ご機嫌伺いしかできない、外交手腕ゼロの安倍首相の実態があらためて浮き彫りにされてしまったのである。参院選にとってはマイナスになりこそすれ、とてもプラスになるものではない。
そのイラン訪問と相前後して、安倍内閣にとっては、さらに重大なダメージが露呈され、醜悪な責任の押し付け合いが展開されている。金融庁審議会の「老後2000万円」問題の浮上である。現在の高齢夫婦世帯は平均で、毎月の支出と年金などの収入の差額5万円を資産の取り崩しで賄っており、30年で2千万円、要介護ならさらに1000万円の追加が必要になる。その収入との差額を、報告書が「不足」「赤字」と表現、現役期から「つみたてNISA」などの株式投資や資産形成を促していたのである。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)によって、年金積立金を債券市場のリスク運用で15兆円もの損失を出している問題や責任を不問にして、この報告である。安心どころか、不安と破綻の宣告とも言えよう。
これまで「年金100年安心」と言い募ってきた安倍首相が予期せずして、その嘘を暴露され、慌てふためく事態である。安倍首相は、金融庁の報告書は「不正確であり、誤解を与えるものだった」などと答弁。麻生副総理は、報告書発表直後の6/4、「100歳まで生きる前提で自分なりにいろんなことを考えていかないとダメだ」と報告書の内容を支持していたにもかかわらず、批判の高まりに驚き、「あたかも公的年金だけでは足りないかのような誤解、不安を与えた。年金は老後の生活の柱という政府のスタンスと違うので受け取らない」とこの報告書の受け取りを拒否。報告書の全文は金融庁ホームページに掲載されているにもかかわらず、与党は、拒否した以上、この問題は存在しないと、予算委員会審議まで拒否する狼狽ぶりである。
「あたかも公的年金だけでは足りないかのような誤解」というが、実際は「マクロ経済スライド」による年金支給額の実質削減を強行しており、国民年金の受給実態に至っては、「毎月5万円足りない」どころか、報告書でいう収入が「毎月5万円程度」の人たちが少なくないのである。怒りや批判、年金制度の抜本的改革の声が沸き起こるのは当然なのである。

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【コラム】ひとりごと—年金だけでは2000万円不足する??

【コラム】ひとりごと—年金だけでは2000万円不足する??
アサート No.499 2019年6月

○6月3日金融庁の「金融審議会・市場ワーキンググループ」が報告書を公表した。「高齢社会における資産形成と管理」に関するもので、「人生100年」時代と言われる程、高齢世帯が増えていく現実に対して、その準備が必要であると言った内容である。○その中では、50歳以下の世代に「老後に対する不安」と答えが多く、「老後の不安として『お金』が主要要因となっていることが窺える」とし、P21には、「前述のとおり、夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職の世帯では、毎月の不足額の総額は単純計算で1,300~2,000万円になる。この金額はあくまでも平均の不足額から導き出したものであり、不足額は各々の収入・支出の状況やライフスタイル等によって大きく異なる。・・・いずれにせよ今までより多くのお金が必要となり、長く生きることに応じて資産寿命を延ばすことが必要になってくるものと考えられる。」として、生涯に亘る計画的な長期・積み立て・分散投資による資産形成と資産管理が必要と述べられている。○これを野党が批判した。「老後は年金だけでは暮らせないのか」「2000万円の資産など、誰が貯められるのか」「100年安心の年金制度はウソだったのか」と。○この「批判」を受けて、麻生財務大臣は、「報告書は不適切」「政府の政策スタンスと異なる」と、報告書の受け取りを拒否するとした。○政府審議会WGの報告を受け取らないとする自民国対も、「受け取らないのだから、報告書は存在しない。審議の対象外」として予算委員会の開催要求を突っぱねる有様。○一方、マスコミは「2000万円不足」問題を大々的に取り上げ、野党を後押した。○一部与党系マスコミでは、「100年安心と言う言葉は、年金制度そのものが存続可能としたもので、額の保障ではない」と野党の批判は的外れであると言い出している。大いに結構なことである。借金漬けの国家財政や、破綻が近づく医療・介護など高齢社会対策についてより、自分の生活には、いくら必要か、いくら足らないか、という話題は、実感されやすい。「2000万円不足」問題は、出口は別にして非常にわかりやすいのである。「2000万円貯めろというが、今の生活ではできない」「どうすればいいのか」「政府は応えろ」という回路に入れば、安倍政権は逃げることができない。報告書の問題ではなく、政権の公約を求めているのだ。○そういう意味で、麻生財務大臣(安倍政権)の報告書受取拒否に対して、国民は怒っているのである。○夫婦で20万円の年金と言う設定だが、これ自体は、どちらかと言えば「安定した階層」を前提にしたもので、老齢基礎年金(国民年金)だけの自営業者世帯や、今後益々増えていく単身世帯を考えれば、さらに「不足額」は増えていく。増え続ける非正規労働者にとっても同様である。○金融庁のWGだが、委員は学者と証券・投資・銀行などの代表のみ。医療・介護や年金問題に対する「国民の不安」への対策は、具体性は皆無で、不足分は「投資」で埋めなさいとの結論のみ。○要するに「自己責任で解決しろ」ということ。○「年金だけでは生活できない」「老後の不安が益々深刻」という、「国民の不安」に火を付けたことは、大きな「功績」と言えようか。○厚生年金すら入っていない非正規の若者や、自営業者は、国に説明を求める声を挙げなければならない。麻生や政権の不誠実な対応は、正に触れてほしくないテーマだったからに他ならない。○こうして「2000万円年金不足問題」は、イージスアショア配備問題と共に、参議院選挙の大きな火種になりつつある。安倍には「消えた年金記録」問題で、大敗した12年前の参議院選挙の悪夢が甦っていることだろう。○衆参ダブル選挙どころではない。安倍政権には、参議院選挙敗北と言う「悪夢」をプレゼントしてやろうではないか。(2019-06-17佐野)

【出典】 アサート No.499 2019年6月

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【投稿】世界の荒波に漂う安倍政権

【投稿】世界の荒波に漂う安倍政権
~米露に行き詰まり中朝に接近~ アサート No.498 2019年5月

相次ぐ外交的敗北
4月22日から29日にかけ、安倍は仏、伊など欧州4か国、および米、加の北米2か国を歴訪した。国会で予算委員会の開催に応じない中、連休にかこつけ、昭恵を連れての不要不急のバカンスに興じたのも同然の外遊である。
しかしこの直前の4月11日、世界貿易機関(WTO)の紛争解決機関(DSB)上級委員会は、韓国による日本産農水産物禁輸を不当だとする日本の訴えを退けた。下級審である同小委員会(パネル)では日本の提訴が認められていたのに対し、今回の判断は「逆転敗訴」の形となり、国際捕鯨委員会(IWC)脱退に次ぎ、日本の国際的孤立を印象付けるものとなった。
安倍外遊に水を差され狼狽した日本政府は、安倍訪米中の26日、DSBの会合で上級委員会の決定は「科学的根拠を欠くもの」などと難癖をつけた。さらに5月になり、この時日本の主張に賛同したのは10以上の国や機関であると、非公開の原則を破り産経新聞にリークさせた。
しかしDSBはWTO全加盟国-164の国と地域-によって構成されるものであるから、「10の国と機関が日本支持」と喧伝するのは逆効果であろう。
安倍は、28日カナダで上級委員会の決定に関して、加盟国から問題視する声が上がっている、として「紛争解決に資さない形で結論が出るという議論があり、改革が不可欠だ」(4月30日「毎日」)と同委員会の「機能不全」をまくしたて「WTO改革を大阪のG20で議論する」と大見得を切ったのである。
確かに同委員会は、定数7名の上級委員が現在3名しか在籍していないなど、困難な運営を迫られている。しかしその要因は、アメリカが委員の再任や指名をボイコットしているからであり、安倍の批判はお門違いと言うものであろう。
今回の件では外務省が「戦犯」扱いされているが、同省のホームページでは現在も「WTO紛争処理制度は…WTO体制の中心的な柱の1つをなしています。‥紛争解決制度は有効に機能し,貿易紛争の多くが迅速かつ公平に解決され,ルWTOルールの明確化を実現してきました。…この紛争解決制度が,加盟国から信頼を得て,効果的に機能していることを示しています」と記され、全面的に評価しているのである。
このように日本政府は、WTOを評価してきたのであり、安倍も自由貿易の推進を言うのであれば、保護主義的立場からWTOを「機能不全」にしたうえ、脱退をも示唆するトランプを諌めるのが順序というものだろう。
しかし、トランプに忖度する安倍はワシントンでは、そうしたことは億尾もださずに、ひたすらご幇間外交に徹したが芳しい反応は得られなかった。

「ストップ、アベ・ウェルカム、スガ」
4月26日、ホワイトハウスで安倍は、10回目の首脳会談を行ったが、各国記者団の前でトランプにレッドカーペットを踏ませてもらえないという椿事が発生し、日米首脳の関係を垣間見せた。
会談では、当然のことながら日米貿易交渉が最大の問題となり、トランプは5月下旬の訪日時に妥結できるよう安倍に要求した。首脳会談に先立ち麻生-ムニューシン財務長官、茂木-ライトハイザー通商代表の「担当者会談」も行われたが、結論はおろか妥協点を探ることもできず、業を煮やしたトランプが直談判に及んだ形となった。
首脳会談では、「貿易交渉を加速化させる」ことでその場をしのいだが、その後も新協定への「為替条項」の導入や、日本からの自動車輸出の数量規制などが取り沙汰されている。
そのたびに茂木などが打ち消しに躍起になっているが、アメリカの苛立ちを現すものであり、トランプも27日の4回目となる安倍とのゴルフを終えた直後は「素晴らしい議論ができた」と「上機嫌」だったが、同日の支持者集会では「日本やあらゆる国が過去数十年間にわたり、我々から巨額をぼったくってきた」(4月29日「毎日」)と本音を剥きだしにしたのである。
そして5月17日には、自動車、部品の輸入がアメリカの安全保障上の問題となっていることを正式に認めた。
トランプの「トリセツ」が世界中を探しても存在しない中、安倍は外遊中フランス、イタリア、およびカナダの首脳との会談でトランプを意識し、盛んに価値観の共有をアピールした。しかしトランプに対し、毅然とした対応をとるこれら各国首脳と、万事腰砕けの安倍とでは価値観は共有できなかっただろう。
日米貿易交渉は、5月下旬のトランプ訪日からG20にかけてのタイトな日程で、安倍政権の意に沿うような形での妥結は困難と考えられる。安倍としては、「令和最初の国賓」として、即位したばかりの新天皇を接待役に、最大限もてなす以外に方策はないだろう。
こうした閉塞状況の中、連休明けの5月9日~11日満を持した様に菅が訪米し、ペンス副大統領やポンペイオ国務長官と一連の会談をこなした。サプライズでトランプとの会話、挨拶もあるのではないかとの観測も流れたが、今回はさすがに遠慮した様である。しかし今回の異例の外遊、厚遇は、ポスト安倍を睨んだアメリカの視線を滲ませるものとなった。
訪米の目的は、菅が拉致問題担当であることから北朝鮮への対応が中心と見られているが、全般的な日米関係の調整が主眼であろう。とりわけ貿易問題に関して、安倍訪米前の「担当者会談」で埒があかず、副総理の麻生に至っては、本来のカウンターパートである副大統領に会えないなかでの、訪米となった。
これを対米外交での多様なパイプ作りと評価する向きもあるが、失態続きの外務省=河野の地位低下と合わせれば、事実上の2重外交の始まりであろう。

「北方領土」も絶望的に
5月10日、菅がワシントンでペンスと和気藹々と会談している一方、河野はモスクワでラブロフ外相と「激しいやりとり」を演じていた。
ラブロフは1月、2月の会談時に述べた「第2次世界大戦の結果を日本が認めることが前提」との立場を繰り返し強調したのに対し、河野は帰国後の11日、札幌市で「かなりヒートアップした」などと述べるなど、平行線どころか、会談を重ねるたびに立場が遠のいていることが明らかになった。
日露平和条約交渉は昨年11月の首脳会談で「1956年の日ソ共同宣言を基礎に平和条約交渉を加速することで合意」したものの、以降の交渉は停滞した。そもそも安倍と経済産業省の前のめりで始まった日露交渉の責任を押し付けられた外務省は、困難な交渉を本気でやる気はないだろう。
外務省以外も冷ややかである。防衛省、自衛隊は昨年F-35A戦闘機を三沢基地に配備し、さらに今年3月に就役した護衛艦「しらぬい」(満載排水量6800t)を大湊基地に配備した。対露最前線の海自拠点である大湊に新造艦が配備されるのは、冷戦時代の1984年以来35年ぶりとなる。
しかも84年に配備されたのは、新造艦とはいえ同1700tの小型護衛艦だったのに対し、今回は対潜能力を強化した大型艦であり、ロシアに対するアピール以外の何ものでもない。
これに対しロシアも、昨年就役したフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」(同4500t)を北方艦隊から派遣、5月11日に大湊と目と鼻の先の津軽海峡を、日本海から太平洋に向け通過させた。また北方4島を含むクリル諸島の兵力も増強されており、F-35に対抗する形で昨年択捉島に試験配備された、Su35s戦闘機の本格的配備も進むだろう。
また4月に件のF-35が墜落した際、可能性はないにもかかわらず、ロシアが機体の回収を目論むという憶測が流布されるなど、北方領土を巡る疑心暗鬼と軍事的緊張の度合いは高まっている。
今後秋田県にイージス・アショアが配備されれば一段のエスカレートは免れず、平和条約締結に向けた環境作りとは程遠い現状が浮き彫りとなっている。
今年の「北方領土の日」に開かれた「北方領土返還要求全国大会」のアピールから「不法に占拠され」との文言が消され、2019年度版外交青書からも「北方4島は日本に帰属する」との表現が削除されたが、いくら文言で譲歩しても言行不一致ではロシアの不信は解けないだろう。
経済協力も具体的な進展はなく、5月15日にはロシア極東・北極圏発展省が北方4島で進めている経済特区事業を拡大させると発表した。ロシアは日本との共同事業に優先させる形で、投資と開発を進める構えである。
この様に安倍政権が4島返還を封印し、いくら「協力と妥協」のポーズをとっても、6月の平和条約大筋合意は絶望的となったのである。

2重外交から2重権力へ
米露との関係が隘路に入り込む中、安倍はまたしても中国、北朝鮮に接近しようとしている。4月25日ウラジオストックで露朝首脳会談が開かれ、「六か国協議」当事国の首脳で金正恩と会談できていないのは、安倍一人となった。
焦燥感にかられた安倍は5月6日の日米電話協議後、突如「拉致問題での進展がなければ」との政権の根幹にかかわる原則を投げ捨て、無条件での首脳会談開催を追及することを明らかにした。
安倍は4月の訪米で北朝鮮問題も協議したと説明していたが、トランプとの電話の後で、決定的な方針転換を囲み会見で表明するのは、ワシントンで何も詰め切れていないことの証明であり、軽率さの露呈でもある。
こうした無節操さを嘲笑うかのように、北朝鮮は「飛翔体」=中距離弾道弾を2度にわたり試射をした。これに対し融和姿勢を貫く韓国、3度目の首脳会談を視野に入れるアメリカが静観の態度をとったのは当然と言えるが、安倍政権も「国連安保理決議違反で遺憾」と防衛大臣が表明したのみで、安倍本人は日朝会談への意欲を露わにしている。
また、菅の訪米直前での方針転換は、ニューヨークでの拉致問題シンポに出席予定である「対北強硬派」の菅への牽制でもあり、外交の主導権が誰にあるかを示したかったのだろう。
政権内の権力闘争に起因する2重外交は、国内外に無用の混乱を招くことになる。米中露朝の狭間で右往左往する安倍を後目に菅は、着々と基盤を固めているように見える。5月17日の記者会見で菅は、野党の不信任決議案提出について質問を受け、総理大臣の専権事項である衆議院の解散について言及した。
官邸は2重権力の様相を呈しつつある。ぶれ続ける外交、内政に於いては景気が後退局面に入る中、消費税を巡る混乱が続いている。野党はこうした安倍政権の矛盾を追及し、衆参W選挙を視野に入れ統一名簿の作成と、候補者の一本化を進めなければならない。(大阪O)

【出典】 アサート No.498 2019年5月

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【投稿】ファーウェイを巡る米中貿易戦争と日本への影響

【投稿】ファーウェイを巡る米中貿易戦争と日本への影響
福井 杉本達也 アサート No.498 2019年5月

1 ファーウェイ孟副会長の拘束その後
昨年12月カナダ・バンクーバーにおいて孟晩舟ファーウェイ(華為技術:中国深圳市)副会長兼財務最高責任者(CFO:任正非ファーウェイ会長の娘)が突然拘束され、その後、米国から身柄の引き渡し要求が出されている。現在、米国への引き渡しについてカナダで裁判中であるが、審理はまだ始まってもいない。ロイターによると「結論が出るまでには『何年もかかりそうだ』との見方が強まっている」という(共同:2019.5.10)。ファーウェイは1987年に任正非をはじめ元人民解放軍の技術関係者が集い創業したもので、現在は世界最大の通信機器ベンダーとなっているが、米国などからは中国政府や軍と繋がりが深い企業と見られている。中国はカナダに報復する形で、2人のカナダ人をスパイ行為で拘束し、5月16日には正式逮捕を発表した。また、3月にはカナダ産菜種の全面禁輸を発動したが、天然ガス・鉱物資源を始め中国が取りうる対抗策は多々あり、トルドー首相の無分別な対米追随策により、カナダ側がどんどん追い詰められているのが実情である。

2 5Gを巡る米中の衝突
通信分野の次世代技術5G(第5世代移動通信システム)は現在の4Gの100倍の高速・大容量通信網を目指すもので、各種家電、ウェアラブルデバイス、自動運転、ドローンなど身のまわりのありとあらゆるモノをインターネットに接続するモバイルネットワークの中核インフラであるが、米国は5Gの技術開発で中国に遅れをとっており、5Gの根幹となる基地局市場を奪われることを恐れており、ファーウェイの機器・サービスの利用を禁止する措置を取り、中国を封じ込めようとする思惑がある。
ネットワークの支配=国際通信海底ケーブル敷設し相手国の陸揚げ局や無線局まで支配することは、通信を傍受・盗聴することと同義である。1946年には英米両国はUKUSAという通信傍受協定を結び、その後、カナダ・オーストラリア・ニュージーランドが加わり「ファイブ・アイズ」(Five Eyes)と呼ばれる情報共有体制ができあがっている。米国は1980年代にはハワイとグアムを結ぶ太平洋横断のケーブルとインテルサット衛星通信網を主導することにより、空と海の通信網を支配下に置いた。その後、光海底ケーブルとインターネットの登場により通信の概念は激変した。インターネットは様々なネットワークの回線を選んで通るため、利便性は高いもののサイバー攻撃には弱い=ハッキング可能な仕組みである。1990年代にはUKUSA協定締結5か国で「エシュロン」という通信傍受システムが稼働していることが明らかとなった。2013年にはスノーデンが米NSAが米国発着及び米国経由(協力企業により他国のプロバイダーも含む)の電話や電子メール(国家・企業間ばかりでなく個人を含む)のほとんど全てのメタデータを収集・分析・保存していたことを暴露した。今や潜在的に全世界の全ての個人データが諜報の対象となっている(『通信の世紀ー情報技術と国家戦略の150年史』大野哲弥:2018.11.20)。スノーデンによれば、XKEYSCOREという技術システムにより、ネット上にあるあらゆる人のあらゆる情報が捕捉され、保存され、記録され、政府の検索対象となる。こうしたネットワークの基地局にファーウェイの製品が使われることとなれば、UKUSAの通信傍受システムに風穴があくことは避けられない。

3 ベネズエラの電力インフラへの執拗な攻撃
4月30日、ベネズエラの野党指導者グアイドによるクーデターの呼びかけは失敗に終わった。この間、3月から4月にかけて米国からベネズエラの電力インフラへの執拗な停電攻撃が行われ、ベネズエラの社会不安を煽りクーデターの雰囲気を醸成しようと画策した。1回目は3月7日に行われ、グリ・ダム水力発電所がサイバー攻撃されベネズエラの最大80%が影響を受けた。スタクスネットに似た悪性ソフト(マルチウェア)がベネズエラ送電網に使用されたといわれる(マスコミに載らない海外記事:2019.3.14)。4月の攻撃でもカラカスなどでインターネット、電話回線、水道、公共交通機関のサービスが影響を受けた。米国が攻撃を主導したことは、ルビオ米上院議員が、ベネズエラ当局者が情報を入手する前に、工場で「 バックアップ発電機が故障した 」と勇み足のTwitterでの発表で、米国主導のサイバー攻撃であったことがバレバレになってしまった(RT:2019.3.27)。

4 日本のインフラにもマルチウェアが仕込まれていると警告するスノーデン
スノーデンによれば「日本が最良の同盟国であるにもかかわらず、NSAが日本のコンピューターをハッキングし、マルチウエア・ソフトを埋め込み、コントロール権限を奪ってダメージを与えようとしている、というダイナミックな計画に関して言えば、答えはもちろんイエスです。これは本当のことです。」と答えている。万が一にも日本が日米同盟に反することをすれば、米国はマルチウェアを作動させて日本のインフラを大混乱に陥れることが可能である(『スノーデン・監視大国日本を語る』エドワード・スノーデン、国谷裕子:218.8.22)。2009年の鳩山民主党政権のような米国離れの政権が発足する事態となれば、稼働中の原発インフラへのマルチウエア攻撃が無いとは限らない。

5 英は監視網「ファイブ・アイズ」を無視してファーウェイを採用
5月8日、ポンペオ米国務長官は英国がファーフェイ製の通信機器を5Gシステムに採用しないように要請した(共同:2019.5.10)。これは、4月23日の英国家安全保障会議でファーウェイ製品の一部を採用することを決定したからである(共同:2019.4.29)。英国と米国はUKUSA協定を締結しているが、米CIAはの創設は第二次大戦中(前身のOSSとして)であり、第二次大戦時の英国から米国への覇権の移転にともなって、英国情報機関の指導の下に情報機関を米国に作ったのが始まりである。その切っても切れないはずの同盟関係が中国の軍門に下るのであるから、米国が焦るのも無理もない。その英国の安全保障上の重要政策決定情報をウイリアムシソン国防相がマスコミに漏洩したということで、5月1日、メイ首相は即刻国防相を首にしている(日経:2019.5.3)。既に、「ファイブ・アイズ」の一角であるニュージーランドのアーダーン首相は4月1日に中国・習近平主席と会談しており(日経:2019.4.2)、オーストラリアやカナダはまだ米国の意向に従っているものの、事実上包囲網は崩壊しているといえる。

6 米国覇権の終わりの始まり
日経は2019年1月~3月で金需要が7%増加したと報道している。主要な買い手は各国の中央銀行で、最も多く購入したのはロシアの55.3トンであり、その後に中国やインドが続いている(日経:2019.5.9)。各国中央銀行は静かにドル決済からの離脱を伺っているのである。さらに日経5月19日付けのトップ記事は中国人民元の「国際決済システムが存在感を高めている」とし、「独自決済89ケ国・地域の865銀行に」及ぶと報道している。中国は、ロシアやトルコといった米の制裁国や「一帯一路」構想に参画する国々を取り込みながら着実にドル離れの構想を進めている。さらに極めつけは中国の米国債売却の脅しである。中国は1兆1205億ドル(2019.3末現在)にものぼる米国債の保有国であるが、1985年の日米間のプラザ合意を反面教師としてとらえている。もし、大量売却すればドルの大暴落は避けられない。貿易戦争どころの話ではなく、巨大金融最終兵器を保持しているといえる。中国は手持ちのカードを何重にも持っている。5月9日の環球時報は「米国は“鴻門宴”を開こうとしているが、中国に脅しをかけても 無駄だ」という社説を発表した。こうした中、自信の表れであろうか、同じ日経一面にファーウェイトップの任正非会長は「(クアルコムなど米企業が生産に不可欠な)半導体製品を売ってくれなければそれでいい。準備は以前から進めてある」(日経同上)と強気の発言をしている。

7 日本は身ぐるみ剥がされても米国に追従し続けるのか
5月下旬にトランプ大統領が国賓として来日することが決定しているが、共同声明を出さない方向で検討しているというのである。共同声明を出せば、必ず日米貿易交渉に触れざるを得ない。中国との貿易交渉では長期持久戦が避けられず敗北が濃厚になっており、EUとの交渉でも独・仏は聞き耳を持たずで、最も緊密な同盟国である英国からも袖にされ、何の成果も得られないトランプ政権としての最大の「顧客」は日本である。5月17日には「自動車や部品の輸入により米国の安全保障が脅かされている」とし、「車の対米輸出制限を求める大統領令を検討している」(ブルームバーグ)との報道もされている(共同:2019.5.19)。茂木大臣は同報道を口先で否定したが、何の根拠もない。EUのマルムストローム欧州委員は「WTO違反となる管理貿易は対象外だ」と即座に拒否の姿勢を明らかにしている。まともに交渉をするつもりがあるならば、即刻反論すべきである。
こうした動きにトヨタは焦りを強めている。トヨタ米法人は安全保障の脅威としたトランプ声明に対し「米国の消費者と労働者、自動車産業にとって大きな後退だ」と反論した。トヨタとしてはトランプ声明から「トヨタの米国への投資や従業員の貢献が評価されていないというメッセージを受け取った」(日経:2019.5.19)とする。さらに農業関係については、米国は自らで首を絞めて中国から全面的な禁輸措置を受けており、壊滅的な打撃を被りつつあり、「米国の農家は不利な状況に直面している」とし、日本では「公正な扱いを受けたい」(米農務長官:福井:2019.5.14)としており、全面開放必死の状況である。「参議院選挙後に貿易交渉をしたい、選挙後であればどのような要求も受け賜る」と米国にひれ伏す安倍政権であるが、トランプ政権としては、米中交渉が膠着する中、日本との交渉を何か月も先に引き延ばすことはできない。従順な従属国との共同声明など無駄である。相撲観戦とゴルフでお茶を濁す売国政権ここに極まれり。

【出典】 アサート No.498 2019年5月

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